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March 09, 2021

消去法だよ、人生は

東大文学部のサイトに「私の選択」という、先生方がなぜその専攻を選んで研究者となったのか、というのを回顧するエッセイコーナーがあります。僕も良く学生から「先生はなぜ宗教学(宗教研究)」をやることになったんですか?」という質問を受けることが多いので、ちょっとそのエッセイコーナーを真似して自分の来歴を振り返ることにしました。あと、こっちのブログはほとんど休眠状態なので、たまには記事を書いてみようかな、と思って書いてみました。ご笑覧ください。

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なぜ「宗教学」という学問に惹かれ、宗教学科(正確には宗教学宗教史学専修課程)を進学先に選んだのか。この問いに対しては、複数の回答を既に用意している。だが、こういう理由は要するに後知恵で、本当は何となく進学して、そのまま居座ったというのが真実に近い。だが、取り敢えず自分なりに過去を振り返ってみよう。
まず一つは父の存在。父は某銀行に勤めていたが、昭和一桁の父の働きぶりを見て僕がこんな「モーレツサラリーマン(死語)」に体力的にもなれないであろうことは、高校時代から見通せた。あと、父から時々講義のように聴く経済、株式、外国為替(円高、円安でどこが得して損するか、等)の話に興味が持てず、この時点で「経済学部(文Ⅱ)」は残念ながら、選択肢から除外。ついでに普通のサラリーマンを目指す、という選択肢も除外。高校卒業時には、漠然と研究者か教師かカウンセラー(医学部は無理だったので、心理職をとちょっと思っていた)になれればな、と思っていた。ここから「僕はこれがやりたい」と言うよりは「僕はこっち方面は無理だな」という「消去法」の人生選択がスタートした。
そして、ある意味大きなきっかけ、と後で振り返って思うのが、1980年代の「オカルトブーム」である。70年代から「超能力」や「こっくりさん」「心霊写真」などのオカルトのサブカルチャーはなじみ深いものだったし(規制の緩かったテレビでもよく特番があった)、例えばヒットした某少女マンガのせいで「私の前世は」云々という投稿が雑誌にあふれる、という現象をリアルタイムで見ていた。僕自身は前世を信じてもおらず、また霊感も皆無だったが、「彼岸の世界に此岸が左右される」という現象に興味を持ったのは確かだ。
高校時代は、姉や兄が大学の一般教養の講義で購入させられたであろう社会学、文化人類学、精神分析などの書籍を拝借して斜め読みし、自分の関心は要するに「人の心及びそれが社会的にどう表出されるか」というところに収斂するのだな、とぼんやり自覚し、文学部の社会学科や心理学科、法学部の政治学科への進学を考えた。そして私立大学はいくつか法学部政治学科を受験し(ちなみに全滅した)、東大は進学振り分け制度によって考える時間がある、ということで文科Ⅲ類を選択し、ここには何とか入学することが出来た。この時点では、東大の中に「宗教学宗教史学専修課程」というのがあるというのも知らなかった。というより「宗教学」という学問の存在自体、入学後に知ったのである。宗教に関することなら何をしたって良い、という妖しげな雰囲気にまずは惹かれた(こう考える時点で、いわゆる京大を中心とした宗教哲学方面は選択肢から排除されている)。
入学後、いまのようにCAP制だの、そういう規制がなかった時代なので、取り敢えず興味のある授業は大体登録することにしたが、村上陽一郎先生の「科学史」(村上先生を見て、「ロマンスグレー」という言葉を知る)、宮本久雄先生の「哲学史」(先生が美声すぎたので、昼過ぎの講義は睡魔との戦いだったが)、船曳建夫先生の「人類学」(マグカップにお茶を入れて、漫談のように喋る講義に魅了された)、見田宗介先生の「社会学」(先生はいつもタートルネックのセーターを着ていらした、という思い出)などを聴講しているうちに、次第に自分は「宗教社会学的なものをやりたいのだな」との自覚を深めていった。とは言え、他の専門分野にも未練はあったが、例えば駒場の文化人類学は点数が足りない、教育学部の教育心理学科は、僕がおしゃべりすぎて傾聴能力がないのでカウンセラーになるのは無理、文学部心理学科のネズミや短期記憶の実験には興味が持てず、社会学科はちょうど教員の入れ替えの時期で僕の面倒を見てくれそうな先生がいらっしゃらない、等と逡巡しているうちに、中国語選択クラスの親友T君に「川瀬、一緒に宗教学科行こうぜ」と言われ、そうだ、宗教学という高校時代は存在も知らなかった学問分野だけど、ここなら好き放題できそうだな、と思い、急遽第一志望を「社会学科」から「宗教学科」に書き換え、僕はめでたく進学することになった。ちなみに僕の年度は定員いっぱい(15名)まで希望者がいて、先生たちを慌てさせた(確か数名、落とされたはず。彼らの行方は杳として知れない)。なぜこんな大人数になったかといえば、僕同様「適当な自分でも、好きなことができる」と目論んだ不届き者が多かったのもさることながら、大学内でさまざまな新宗教が活発に動いていた、という時代相も見逃せないと思う。統一教会、手かざし系の教団、そしてオウム真理教・・・。
要するに僕自身としては、そういう時代の空気を吸い込み、最初からジャーナリスティックな視点から新宗教教団を研究してみたい、という希望が入学後どんどん大きくなり、ちょうど島薗進先生がスタッフにいらっしゃったというのが決定的な「ご縁」であった。ちなみに僕は、島薗先生の姪御さん(先生のお姉様の娘)と大学の体育の授業が一緒で知り合いだったが、2年生の秋に彼女とすれ違ったとき「川瀬君はどこに進学することになったの」と訊かれ、「いやあ、宗教学科っていうマイナーな学科、選んじゃったんだけどね」と韜晦を込めて言うと「そこの助教授、私の叔父さん」と言われ、そんな関係を知らない僕は焦りまくり、のちに進学後の飲み会で「川瀬君のことは、ちょっと姪のT子から聞いているんだけどね」と先生から言われ、冷汗三斗、悪事千里を走るということわざが脳裏をよぎることとなる。
その後は、宗教学科の雰囲気、先生方のお人柄に魅了され、そのまま大学院に進学して今に至る。宗教学科進学以降は一本道な人生を歩んで来たので、幸いなことに順調と言えば順調だし、あまり起伏のない人生だったとも言える(起伏と言えるのは結婚と、その後の京都への着任くらいか)。ただ、二十歳になるかならないかの時、あれこれ迷ったあげくの「直感」で、その後の人生が決まってしまったことに、宗教的に言えばまさに「ご縁」の不思議さをかみしめている。

May 03, 2011

新居昭乃@Umeda Akaso

存在を知ったのはもう25年も前、そして聞き込み始めたのは10年ほど前からになりますが、ようやく初めて、新居昭乃さんのライブに行くことができました。本当は京都のRAGでのライブに行きたかったのですが抽選で外れて、大阪の、旧バナナホールの「AKASO」に。改装後のこのホールは初めて。開場は4時でしたが、雨がぱらついてきたので、慌てて中に入り、早速物販で色々買い込んじゃいました(今まで買っていなかったアニメの主題歌のシングル盤など)。
今回のツアーは「新居昭乃弾き語りLive Tour 2011 Little Piano」と題されたもので、何と全国で12カ所ほどを回るという、かつての「全くライブしないので幻だった」昭乃さんを知っている人には驚きなのではないでしょうか?(僕もそれで、いつもチケット取り損ねていた)
というわけで、僕が確認できたセットリストを以下に書き記しますが(よく判らないのもあったので、あとで検索&確認します)、まだツアーは続いていますので、他会場で白紙状態で見たい、という方はスルーしてください。

まず、開場のバックのスクリーン上に「Little Piano; Music and rhythm find their way into the secret place of the soul」と写されており、このあともスクリーンは様々な映像(アンビエントな万華鏡みたいなのが多かったが)を映し大活躍。ツアータイトル通り、ステー ジ上はグランドピアノと、ギターが一本というシンプルさ。ほぼ時間通りに、白いベールをつけ、白いドレスという昭乃さんが登場。佇まいからして、おお、と いう声が漏れそうになる。

1.inori(震災後、急遽昭乃さんが発表した曲だったと思います。YouTubeに上がっているはず)
2.Voices
この曲で一気に昭乃さんワールドに連れて行かれましたね。この曲が終わって、最初のMC。「連休の中日にわざわざ来ていただいてありがとうございます。こ のライブのせいで遠出できなかった人もいるかも知れませんが、最後まで一生懸命歌いますのでよろしくお願いします」などと、異常に丁寧なご挨拶をされる昭乃さん。こっちが恐縮します。基本的に、淡々とピアノの弾き語りでぐいぐい進んでいきました。
3.ハローハロー
4.星の雨
5.Siva―佇む人―
6.Trance, Transistor Table Radio
7.バニラ(これはギターで)
8.風と鳥と空―reincarnation―
9.音叉
10.ハヤブサ
11.美しい星
多分歌ってくれるとは思っていたけど、これがもう圧巻。震えが来るほど感動。
12.wanna be an angel
13.鉱石ラジオ
昭乃さんが「皆さんも歌って」と煽り、みんな手拍子(その手拍子が速かった!)。
14.砂の岸辺
15.虹
手嶌葵に提供した曲、かな。ここで一旦本編は終了。以下はアンコールです。

まず、様々な物販グッズを持って来て再登場した昭乃さん。その紹介振りが、マジで可愛かった・・・。年齢不詳とか、そういうのを吹っ飛ばして、佇まいが可 愛いんだよね。「大阪の皆さんの財布のヒモは固いのは知っていますが(会場爆笑)」とかいわれたら、意地でも色々買わなきゃ、と思っちゃいますよね。で、 グッズの紹介のあとは、何とリクエスト大会。まさかこんな事を昭乃さんがやるなんて、想像もしていなかったのでビックリした。会場のあちこちから声が飛ぶ が、みんなマニア過ぎて、僕も曲名、3分の1くらいしか付いていけませんでした(笑)。で、勝ち抜いたのは以下の曲。
e1.叶えて
e2.At Eden
昭乃さんが「At Eden、ギターとピアノ、どっちがいい?」というと会場から両方の声が乱れ飛んだのですが「ギターだとボロボロになるだろうな(笑)。で、どっちがいい?(会場爆笑)」ということで、無難にピアノで。
e3.人間の子供
e4.花かんむり
e5.虹色の惑星
これは歌詞がスクリーンに出て、合唱(といっても、難しい曲ですよ、これ!)。
e6.Happiness is here(昭乃さんがタンバリンを持って歌ってくれました。どうもこの曲名らしいです)。

これにてライブは終了。初めての昭乃さんライブですが、もの凄く感動してしまいました。大ホールよりも、これくらいのハコでやってくださると、嬉しいです。本当、彼女の声はまた素晴らしいものがありますね。早い時間にスタートしたので、会場の外に出ると、また「夜はこれから」という感じで、現実感が一瞬失われフワフワしながら帰路に就きました。

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April 30, 2011

zabadak「ひと」ツアー@神戸チキン・ジョージ

Rimg1534 今日は待ちに待ったzabadak「ひと」ツアーに行って参りました(ニューアルバム「ひと」のレコ発)。
会場である神戸のチキン・ジョージは、ちょうど半年前にも行った場所。久々の関西公演ということで浮き浮きしておりました。最初会場20分前に着いたときはほとんど誰もいなかったので、15分くらい散歩して会場に帰ってきたら長蛇の列でびびりました。君たち、一体どこに隠れていたの、というくらいの行列。僕はファンクラブ先行予約でだいぶん前の方だったのですが、今回は珍しく全席指定で、僕は二列目の真ん中、ちょうど吉良さんの真っ正面に当たる席に誘導されました(ちなみに今日のライブは、前列は左から青木孝明さん(G)、吉良知彦さん、小峰公子さん(色々)、後列左から難波弘之先生(key)、吉田誠さん(B)、楠均さん(Dr)という並びでした)。
さて、ここからはセットリストを書いて簡単な感想などを書きますので、東京公演を白紙で見たい方はスルーでお願いします。

まずは「Gargoyle」のメロディが流れて、メンバーが登場。今回はさすがにレコ発、ということで、ニューアルバムからの曲が中心です(全部やったんだよな・・・)。
1)つまさきから向こう側
これはニューアルバムでも最初の曲ですよね。
2)無限の中のどのあたり
これもニューアルバムから。この二曲はアルバムの曲順通りの並び。
3)Still I'm fine
この曲もライブでは定番ですよね。ホッとする曲です。
4)この空で会えるよう
今度は公子さんが主役。
5)Birthday
この曲では吉良さんが珍しくギターを手放し、ティン・ホイッスル。何か尺八みたいな渋い音でしたが(笑)。
6)ひとつの事件
ニューアルバムでも、個人的に気に入っている曲。何でも、昨日のインストアライブでは弦が切れてしまって四苦八苦したそうですが、それも「ひとつの事件」(笑)。サビの部分の「この空を駆けて飛び交う素粒子にのって」というフレーズが好き。
7)ひと
今回のアルバムのタイトルチューンでもあり、テーマでもある曲。
8)冷たい夜に
これは、まるで今回の震災の情景を表しているかのような歌詞なので、公子さんも歌うかどうか迷ったそうなのですが、敢えて歌われました。僕は歌詞の普遍性と偶然が重なっただけ、と思っています(そういう感想をツイッター上でも書きました)。
9)水の行方
吉良さんが「次の曲、やりたくないよ~」とかいっていた曲(笑)。確かにしんどいでしょう(でも着想は、ご自宅近くの仙川散策中にひらめいたとか)。でも、この曲も含んで、インスト主体のライブ、一度はやってくださいね、吉良さん(笑)。吉良さん曰く、「この曲は、今自分が何拍子なのかとか考えちゃいけない(笑)」とか。確かにサビの部分は七拍子だったような・・・。で、この曲では公子さんが異常に忙しくて、まずはハンドベル、グロッケンシュピール、アコーディオン、アンデスとまさに八面六臂の大活躍で、この曲が終わった後、「唾を飲み込むタイミングがなくて、自分の唾で溺れかけるところだった(会場爆笑)」という事態に。
10)おかえり
ニューアルバムのラストの曲ですね。ちょっと小休止という雰囲気。
11)星ぬ浜
吉良さんは「三線にカポ」というイレギュラーな演奏。また沖縄に行きたくなっちゃう。この曲の後、難波先生と吉田さんが一旦退席して、舞台には、かの「Trio」プラス公子さんというメンバーに。そして一曲目が
12)光の庭で
でした。ヴォーカルは公子さん。沁みるねえ。
13)遠い音楽
やっぱ、この曲も外せませんね。何度目か、もう数えきれませんが。この曲の後、一旦退場したお二人が還ってきて
14)月と金星
という「肺が苦しい(by吉良さん)」曲に。そのまま続けて
15)Airport
この曲は、難波先生のアレンジが素晴らしかったです。でも、この曲の誕生秘話はすごく(ひどく)て、去年の北海道ツアーの時、酔っ払いながら「♪何の肝だか判らない、でも美味しいね♪」と歌って(最初の部分です)、それをお酒を飲まなかった木村林太郎さんが覚えていて(笑)、誕生したそうです。公子さんも「最初の作詞の印象が強すぎて、新しい詞を書くの、すごく苦労した」そうです(笑)。
16)四月の風
吉良さんはこの曲あたりから「早く飲みたい~」とこぼし、公子さんは「まだ終わってない!」ときつい一言。何この夫婦漫才(笑)。
17)人形たちの永い午睡
今回のライブで、この曲が一番「音」として圧力が強かった気がします。僕にとっては、この曲が今回のベストパフォーマンス。
18)Easy Going
やっぱ、締めはいつものこの曲。ここからは会場総立ちで、例の(調教されすぎの)手拍子。一旦本編はここで終了。その後、当然アンコールですが、アンコールは
19)Poland
でした。今日のライブはこれにて終了。聴いている方もまさに「心地よい疲れ」を感じるライブだったと思います。
その後は、今回「外タレのよう」とご本人たちも喜んで作成したらしい「ツアーパンフレット」へのサイン会開始。僕も当然していただきました。公子さんがいうように、確かに「笑える」パンフですw。
その後、わざわざ福島からいらっしゃったライブ友達であるeasygoerさんと京都に戻り(彼は宿が京都だった)、木屋町の僕の知っている店に連れて行き、日付が変わるまでサシで飲んでしまいました(実は、この文章もまだ酔いの中で書いております)。
また、こういうバンド編成で、アンケート用紙にも書きましたが「インスト主体のライブ」、お願いしますね(重要なことなので二度言いました)

March 25, 2011

はなむけの言葉

皆さん、ご卒業おめでとうございます。この二週間ほどは、震災のために、めでたい雰囲気とはほど遠い日本ですが、皆さんが4年間の学業を終えられ、社会に巣立つ日であることには変わりありません。もし、ご親戚、知り合いの方が被災されていたなら、まずはお見舞い申し上げます。

皆さんは、この京都府立大学文学部国際文化学科の最後の学年として入学され、そして今卒業されようとしています。この一年は後輩もいない環境でゼミをこなし、卒論を書き上げました。個人的なことをいうと、8年間行なってきた川瀬ゼミも今年度が最少人数で、これくらいの人数なら、もっといい個人指導ができたはずですが、僕は例年通りの放任・放牧主義を貫き通したいと思っていましたから、「求めよ、さすれば与えられん。探せ、さすれば見つからん。叩け、さすれば開かれん(マタイ福音書7章7節)」という姿勢を崩しませんでした。もしかしたら、そこに物足りなさ、もしかすると不満をお持ちの方もいたかも知れませんが(実際、君たちの先輩で「こんなに指導してくれないとは思いませんでした」と卒業式の時に言ってきた人もいました)、どうぞご了承ください。でも自己弁護的なことを言わせてもらえるなら、「自分から動かない限り、世間(人)は動いてくれない」というルールを教えたことだけが、僕が知識以外で皆さんに教えられたことかも知れません。あとは、ゼミの際の、皆さんのどんな発表にも適当にコメントするという「口から出任せ」というか、お筆先ならぬ「お口先」というか、そういうのもお見せしましたが、そちらは見習わないでほしいと思います。あれにはそこそこの知識と、僕程度の軽薄さが必要になりますから、恐らく君たちには無理です。

さて、僕はこの学科で丸9年教えてきましたが、毎年のように後悔しきりです。後悔の理由は簡単です。要するに、自分が納得するまで君たちと付き合うことができなかった、ということです。もっと大規模な大学なら、クールに振る舞うこともできたのでしょうが、幸い、というか残念ながら、うちのような小規模大学では、皆さん学生に対して、「あっしには関係ないこって」というわけにはいきません。それでも、後悔は残ります。教員というのは、このような後悔を常に感じながら生きていくタイプの職業なのですから、仕方ありません。もし充分に私は教えきった、自分の職務を果たした、と思っているような人間なら、その人は教師と呼ぶに値しません。教師の「聖職性」というと大袈裟ですが、教師の倫理性は「私は常に与え足りなかった」と思うところにあるのですから。

ただ、僕が大学教員としてのキャリアをスタートさせた僕の30代がこの学科とともにあったことは、本当に幸せだったと思います。そのことに関しては、全くの後悔がありません。君たちに感謝する一方です。君たちや君たちの先輩たちは、僕の予想を上回る成長を見せてくれたり、人間的なすばらしさを見せてくれました。
なお、言うまでもありませんが、大学時代の友人は、後々まで重要な存在です。君たちは、出会うべくしてこの大学であって友人同士となった。その縁を大切にしてください。我々教員のことは、それほど憶えていてくださらなくて結構です。学生は、常に「恩知らず」であっていいのです。ただ、僕の中には君たちが、そして君たちの中には、友人や我々教員の「欠片」が既に忍び込んでいるはずです。そういう意味では、人は過去に関わり合った人を「存在するとは別の仕方で(エマニュエル・レヴィナス)」常に感じ、生きていくしかありません。もし、皆さんが人生の困難にぶつかったとき、その「欠片」が何らかの効力を持っていたら、と願わずにはいられません。
以上、皆さんの前途を祝し、はなむけの言葉としたいと思います。改めて、おめでとう。君たちは素晴らしい学生たちでした。

March 04, 2011

上野洋子@旧立誠小学校

今日は、仕事の後、いそいそと木屋町に行き、ライブを見てきました。今日のライブは、タイトルの通り、上野洋子さんのライブでした。まず、洋子さんが京都に来てくれること自体レアですので、これは這ってでも行こうと、このライブのインフォメーションを聞いた途端、メール予約してしまいました。僕が洋子さんを京都で見るのは二回目です。一回目は、難波弘之先生のサポートメンバーとしていらしたとき(このライブも素晴らしかったです)。ついでに言うと、この廃校になった小学校でのライブも二度目で、一回目は鈴木祥子さんのライブでした。今回のライブと、以前の祥子さんのライブをともに企画したのが「P-hour」というイヴェンターです。概要は以下のような感じでした。

P-hour presents "with piano III" トウヤマタケオ・上野洋子
2011年3月4日fri.18:00open 18:30start
トウヤマタケオ・上野洋子(asterisk、Marsh-Mallow)
会場:元・立誠小学校

今回はまず最初に洋子さんのソロライブ、その後トウヤマさんというピアニストのライブという二部構成でした。では、洋子さんのライブを中心に、憶えていることをメモっていきたいと思います。

まず会場ですが、元小学校ということで、色んな部屋を改造してイヴェント会場にしているわけですが、今回は何と「職員室」!。そこにグランドピアノが一台ドンと置いてあり、あとは洋子さんが使うマック一台。足下にはエフェクターなどが置いてありましたが、いつもの洋子さんに比べれば、シンプルきわまりない舞台装置。予定時間より少し遅れてライブはスタート。洋子さんは黒いセーター、グレーのロングスカートという出で立ち。場所が場所ですし、脇に譜面を挟んでしずしずと登場する様は、まるで音楽の先生みたいでした。

1)曲名不明
洋子さんのスキャットと、それにマックによるナレーションをかぶせる、という手法の曲。最初、マックが上手く作動せず、「しばしお待ちを」といった洋子さんが可愛かったですw。
2)雨が降ってる
アルバム『自然現象』所収の曲。これを洋子さんはをシーケンサーを使い、その場で自分の声を録音して「一人輪唱」という技を。やっぱ凄い。
ここで最初のMCは大体こんな感じでした。
「実は、ピアノの弾き語りは30年ぶりくらいかも知れません(笑)。」
「今回のイヴェントでは、ピアノを弾いて何かしろ、というリクエストだったのですが、普通にピアノを弾くのではなく、ピアノで変なことをしようと思っています」
「実は私、ピアノが苦手なんです」
などと、相変わらずの洋子さん節でしたが、確かにこれ以降、どんどん変なことをする「上野洋子実験工房」の様相を呈していったのでした・・・(ちなみに、洋子さんは30年ぶりとか大げさなことを行ってらっしゃいますが、僕の記憶では、昔zabadak時代に「歩きたくなる径」という曲でピアノソロ弾き語りをしたと思います。ちょっと自信がないですが。ともかく、一人でピアノ弾き語りが超レアなのは間違いありません)。
3)庭の千草
これはまさに実験的なやり方。何か小さな箱のような機材をグランドピアノのワイヤーの上に置いて「ブワーン」と音を反響させ、歌うというもの。あの機材、何だか判りませんでした。小さな洋子さんはグランドピアノの中に「よいしょ」という感じで手を伸ばし、その謎の箱を置いてそれを動かしながら歌っていました。「今日はいい悪いは別にして、変なものを見たと自慢できるコンサートにしたいと思います」というのが洋子さんの弁。さすがすぎるw。
4)hyakunincho2:48p.m.
『Tokyo Humming』所収。これはピアノとマックで。この曲は元々迫力がありますが、非常に鬼気迫る演奏と歌で、曲が終わった後、我々観客が拍手をしそびれたほど。洋子さんも別に拍手を要求するでもなく、淡々と次の曲にそのまま進行してしまいました。
5)「つ」の歌
これもピアノとマックで。最初「釣りをしよう~♪」と歌い出したので、ビックリ。洋子さん、そんな趣味があったんかいな、と思って。歌い終わったあと「‘つ’の付く言葉をたくさん入れてみました」と聞いて笑いましたが。
6)Mozart Piano Sonata K331~トルコ行進曲
で、次は何とクラシックからインスパイアされた曲ということで、モーツアルト!グレン・グールドの演奏をマックに取り込んで、それを利用したものでした。洋子さん曰く「グレン・グールドは、なぜか私が好きなミュージシャンで好きな人が多い(ので使ってみた)」「クラシックを使いながら、それを冒涜するようなことをしちゃいました(笑)」と前振りがあったのですが、確かにこの曲は凄かった。まず最初はグールドの演奏に寄り添うように洋子さんがピアノで「合いの手」を入れるという感じだったのですが、ソナタから、かの有名な「トルコ行進曲」にいつの間にかスライドすると、それをBGMにしながら、みんな知っている歌の歌詞を乗せてしまう暴挙に(笑)。まず「ドナドナ」、「ひな祭り」そして「ヘイ・ジュード」。コードの関係で乗せやすかったのかも知れませんが、しれっとした顔で歌い続ける洋子さんの顔をあんぐり見ちゃいました。

         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|  あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|  『おれはトルコ行進曲を聴いていたと思ったら
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ   いつのまにかドナドナやひな祭りや
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |       ヘイ・ジュードを聞いていた』
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人  な…何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも 何をされたのか わからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ      頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \   催眠術だとか超スピードだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ  そんなチャチなもんじゃあ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }   断じてねえ

もっと恐ろしい洋子さんの才能の片鱗を味わったぜ…

 
7)宇治抹茶ババロアの歌(新曲、京都限定)
ここら辺になると、「さて、次なる出し物は」と自分でいってしまう洋子さん(笑)。「京都に行く、ということになって、新曲を作っちゃいました」といって、こんな曲を。これまたしれっとした顔で歌い続けるので、突っ込んでいいものやら。えー、どういう曲かといわれると説明に困るのですが「宇治抹茶のババロア」「うじうじせずに食べればいいのよ」という感じの曲でした(笑)。
8)月ぬ美(かい)しゃ
ある人によると、どうもこの曲だったようです。僕は詳しくないので、とりあえず信用しますが、ともかく沖縄民謡だったことは確か。でも、この曲は圧巻でした。座ったまま、天井まで突き抜ける洋子さんの声。そうそう、この声を聞きに、僕は来たんだ!この曲が今日のライブで、「ヴォイスパフォーマー」としての洋子さんのベストテイクだったと思います。でも、一番驚いたのが、この曲が終わった後の台詞でした。「実は、このごろライブの前になると、お腹が痛くなることもあって、お薬を飲むときがあるんですよねー」。ええっ、僕のイメージだと、洋子さんは準備とかも冷静沈着にこなしていそうなのに・・・。あと「こんな事もしてやれ、という感じで企画を立てすぎて、疲れて企画倒れになったのも多い」って、そんな(笑)。「もっと楽な方向にしないといけませんね」その通りです、洋子さん!
9)椎葉の春節(アンビエントヴァージョン)
最後に、この曲の捻ったヴァージョンを持ってくるところが洋子さんらしいと言えば言えるのでしょうか。これも最初にピアノの音や声をサンプリングして、それをバックに朗々とマイクなしで歌い上げました。洋子さんのソロライブはこれにて終了。ファンとしてはもっとととねだりしたいところですが、濃密な1時間あまりでした。にしても、素直な弾き語りがほとんどなく、何らかのひねりを加えている洋子さん。やはり彼女の本質は「パンク」なんだと改めて実感しました。

次に休憩のあと、ピアニストのトウヤマタケオさんのソロライブ。洋子さんが褒めてらっしゃるように、なかなかかっこいい曲を書き、弾く人だと素直に思いました(物販で一枚CD買っちゃいました)。今ちょっと調べたら、Ego-Wrappin'のレコーディングとかにも参加してらっしゃるんですね。じゃあ、一応聞いたことはあるんだな・・・。トウヤマさんもシャイな方のようで、MCはほとんどなしで、ぐいぐい曲を弾きまくり、1時間ほどでフィニッシュへ。
アンコールはお二人で二曲ほど(ともにトウヤマさんの曲)。
淡々とした流れでしたが、何よりも京都の地で洋子さんが歌ってくれただけでも、僕のようなファンは満足です。どんなことをされても喜んじゃうマゾなファンですのでw。また、関西も来てほしいな、とファン仲間と語らいながら帰りました。

October 17, 2010

鈴木祥子&カーネーション@Billboard Tokyo

さて、相も変わらず、僕は鈴木祥子さんのライブにせっせと通っているわけですが、今回は約一年ぶりに、六本木の「Billboard Tokyo」でのライブでした。今回はたまには妻と、というわけで、このゴージャスな空間に夫婦で行ってまいりました。今回のライブは、昔から祥子さんと親交のあるバンドカーネーションがゲスト、というか共演者として参加するので、カーネーションファンの人も多く駆け付けたことでしょう(両方とも好き、という人も結構多いです)。今日は2ステージだったのですが、予算の関係もあり、僕はファーストステージのみの参加です。以下ではいつものようにセットリストを記して、その感想を簡単に書いていきたいと思います。

僕自身は、5年前の京都大阪で、祥子さんとカーネーションの競演をラッキーにも拝見しているのですが、その相性の良さは既に承知済み。となると、今日はどんな曲やってくれるのかな、ということが気になります。で、結論から言うと、「おお、これをやるのか」と納得と意外な選曲が半分半分、といえましょうか。まずは祥子さんが赤いチェック生地のワンピースドレスで登場、3曲連続でソロでした。

1)プリヴェ(P)
これをライブで聴くのはすごく久々な気がします。
2)Do you still remember me?(P)
3)区役所に行こう(Key)
二曲連続で「かわいい女の子らしい」曲が。ちなみに僕は区役所ではないですが、妻と二人で休日に市役所に行って届けを出したよな、と思い出していました。ここでカーネーションの直枝政広さんが登場。
4)Crying in the rain(Key)
キャロル・キングのカヴァー。直枝さんはAG。
5)墨堤にて(Dr)
これはカーネーションファンの方に教えていただきました。祥子さんがドラムに移動、舞台の向かって右側に移ってくれたので、その近くの僕としては非常にうれしかったです。ここでカーネーションの大田譲さん、そしてサポートドラマーの宮田繁男さんが登場。宮田さんの登場は本当にうれしいサプライズ。僕にとって宮田さんはオリジナル・ラブのドラマーでもあり、zabadakのサポートもよくなさっているクールなドラマー、というイメージで、目の前でドラムをたたいているのを見るのはもしかしたら初めてか、20年ほど前のzabadakのライブ以来かも…(記憶があやふやですが)。
6)Frederic(P)
重厚なバンドの音でのこの曲は最高ですね。祥子さんさえも「あ、CDとおんなじ(笑)」とおっしゃってました。これで一気に舞台は「ロック」な感じになりましたねえ。
7)OOH!BABY(Key)
これは僕も知っているカーネーションの曲。ぐいぐい音圧に押される快感。
8)Paingiver(Key)
このところのライブではギターでやることが多かったこの曲ですが、まず1番は祥子さんのキーボードで弾き語り、2番からバンドのヘビーな音で、と2度美味しい構成。
9)幻想列車(Dr)
このカーネーションの曲は何とツインドラム!!これは豪華。
10)忘却(P)
久々のこの重い曲をバンドで。
11)My Sweet Surrender(Vo)
4月に出た新曲は舞台のセンターに立って歌われました。いったんここで皆さんは退場し、以下はアンコールです。
12)青空のように(Vo)
これが年末に出る予定の新譜に入っているもので、大瀧詠一のカヴァー。これは祥子さんはなんと「カラオケ」をバックにソロで。この曲の後、カーネーションと宮田さんが再び登場。
13)Love Portion No.9(Key)
これは来年に出る予定のミニアルバムの「予告編」として。要するに、祥子さんの一人多重録音を、架空のコーラスグループ「Sindee & Forestones」と名付け、その「グループ」がかつての名曲を色々カヴァーする趣向なのだそうです。ここで宮田さんは再びout。
14)True Romance(Dr)
祥子さんが再びドラムセットに座って「叩き語り」。これもカッコよかったなあ。やっぱり僕はピアノの祥子さんも愛していますが、ドラマーとしての祥子さんにどうしようもなく惹かれるようです。

これで今回のステージは終了。どうしても時間としても曲数としても短く感じてしまいますが、濃厚であったことは間違いありませんので、僕自身は満足して帰路につきました。

August 21, 2010

zabadak「私の罪は三千年」@郡上八幡照明寺

Rimg0481 さて、残暑厳しい折、皆様いかがお過ごしでしょうか?
僕は今日もzabadakのライブに行ってきましたが、今日のライブは今までとは一味違う(僕的には)。というのも、この十数年ほど毎年夏に、岐阜県の郡上八幡の照明寺というお寺で「私の罪は三千年」と題されたライブが開かれているのですが、今年僕は初めて参加することができました。今までは日程が合わなかったり、交通手段に問題があったりで参加を見合わせていたのですが、このところのライブで知り合いになった皆さんの「レンタカー借りて、日帰り弾丸郡上ライブツアーしちゃおう(仮称)」企画に僕もご相伴させていただくことができました。ここに記して感謝申し上げます。
Rimg0480 てなわけで、朝早く起き、お迎えの車をセレブ気分(嘘)で待ち、高速道路で一路郡上八幡に向かいます。僕の田舎(川瀬家の墓の所在地)は岐阜県養老郡ですが、それ以北については全く土地勘がないんですよね。というわけで、一宮インターチェンジからは全く未知の世界でした。お昼過ぎに、無事郡上八幡に到着。お昼ご飯は、下調べをしておいた、鰻が評判の「美濃錦」というお店。結構並ばされましたが、その価値はありました。久々に美味い鰻(僕はうな重を頼みました)を食ったという気がしますが、実は「事件」はこのお店から起こっていたのです。まず中に入ると、先客の中に、かつてライブ会場でお見受けした気がする人が数名すでにいらっしゃいました。でも、これは想定の範囲内。狭い町だから、うろうろしていたらどこかで会うのは当然ありうることですが、びっくりしたのは、zabadakの吉良さんご一家(と住職ご一家)が衝立の向こうにいらっしゃったこと!!最初、中学生くらいの男の子をちらっと見て「あれ、吉良さんのところのS君に似ているなあ」と思ったら、続けてお父さんご本人がギターを抱えてお店に入ってきたので、我々ファンは思わず目をむきました。地方の鰻屋で、zabadakファン率(十数名いたもんな)が異常に高まるという一種の非常事態に(笑)。もちろん、プライヴェートな領域ですから、我々も目礼だけで済ませました。ここで食事を済ませた後、少しだけ観光として街中を散歩しました。驚いたのが、郡上八幡がいわゆる「食品サンプル」が名産だということ。思わず果物とか餃子とかのサンプルを買ってしまいそうになりましたが、ぐっとこらえて、スルーします。
そのあと、結局3時半ごろ、会場の照明寺に到着、そこで旧知の人に缶ビールなどをおごってもらいつつ(ちゃんとお礼を申し上げるのを忘れていました。すみません。借りはまた今度)、開場時間を待ちます。みんな、こんなところ(って失礼だけど、初めての人はなかなかたどり着けないと思う)に続々と集まって、会場がお寺っていうのもあるけど、本当に聖地巡礼だなあ、と思ったりしました。
Rimg0500 4時半ごろから会場となるお堂への入場が始まりました。このお寺、お堂はもちろんですが(なんたってこれだけの人数を収容できる規模なんですから)、すごく豪華絢爛で立派な内陣でびっくり。このあたりも、真宗の篤信地帯なんだろうな。というわけで、阿弥陀仏やら親鸞聖人の御影をバックに吉良さんと公子さんはお歌いになるわけです。5時ちょうどに住職さん(正確には前住職さん)のお話があり、そのあとに吉良さん、公子さんの登場です。吉良さんは向かって左側、公子さんは右側でした。ギターとアコーディオンと鈴とグロッケン(鉄琴)というシンプルな道具立て。完全アンプラグドなライブが開始されました。以下、いつものようにセットリストを中心に書いていきます。
1)遠い音楽
しっとりとしたこの名曲からスタート。「昨日、我々は下呂温泉に泊まったのですが、Twitterで「ゲロなう」とつぶやいてしまい、大丈夫ですか、とか言われちゃいました(笑)。カタカナにしたのがまずかった」と「おいおい」と突っ込みたくなるお話が今日最初のMCでした。
2)線香花火
夏らしい選曲。
3)Still I'm fine
最初吉良さんが間違えて、速攻で「ごめんなさい」と謝る姿に、思わず共感してしまったのは秘密です(ってここに書いちゃうけど)。その後、今度は公子さんのテンポがずれてしまい「これは夫婦の…(危機?)」とひそひそと相談しているさまにも共感(以下略)。
4)宇宙のラジヲ
吉良さんいわく「そうは聞こえないかもしれないけど、一番難しい曲」「息継ぎができない曲」なんだそうです。でも、今回はこの曲、間奏部分がすごくかっこよかったです。
5)星の約束
この曲の後、吉良さんが汗をぬぐっている間、公子さんはつなぎとして、この前発売されたDVDの宣伝MC。「あのDVDも(今同様)だんだん吉良君の髪型が変わってきて、最後は洗った子犬のようになる(会場爆笑)」。
6)七月の雪(KARAK)
これはレア。カラクの曲だもんなあ。で、この曲の後、驚くべき発表が。それは「我々は沖縄が好きで、このところ年に一度は行っているんですが、そういえば沖縄でライブをやったことはないなあ、そうだ、たまにはツアーでも組んでみんなで行っちゃおうか、ということを考えていまして、今のところ、子供の冬休みに合わせて12月29日(ごろ)を考えております。詳細は後日に」とのことです。うーん、これは行きたいけど、なかなか難しいかな。そもそも、これはさすがに単独ではだめだな、沖縄なら妻と一緒に行きたいな。
7)星ぬ浜
沖縄ライブの構想が発表された直後は、このオキナワンテイスト(でもやっぱりメロディラインはzabadakなんだよな)の曲を。
8)雲の言葉
これは照明寺の住職に依頼されて作った曲なんだそうな(知らなかったなあ)。公子さんいわく「生命ができていく過程をうたった」とのこと。そういう意味も込められていたのか。最後の方は吉良さん一人がギターをジャカジャカ弾いていたのですが、終わった直後「あれ、そっち(公子さん)はこの曲の最後そんなに暇だっけ?一人でやってて空しかった」(会場爆笑)。
9)夕焼け
いつの間にかこの郡上八幡でのライブも14回目になると、公子さん。僕はようやく来れましたよ。
10)Je suis
これは新曲。作詞・作曲ともに公子さん(吉良さんいわく「フランスかぶれ」、公子さんいわく「かぶれてます」)。僕はフランス語を勉強していないので、殆ど聞き取れませんでしたが、最初の部分は「私は海、私は空」というように聞こえたので、歌詞の感じとしては、僕も大好きなKARAKの名曲「On this planet」に近いものがあるんじゃないかな、と思いました(あくまで推測ですが)。
11)双子の星
この二曲は立て続けに演奏されました。「双子の星」には吉良さんによるホーミー的な発声部分があるんですが、そこから話を持ってきて「現在吉良家で流行っているのは、ブブブブとトランペットを吹くために口の周りの筋肉を鍛えることです。誰が一番先に吹けるようになるかの競争をしている」そうです。負けず嫌いの吉良さんは「(小峰は)トランペット頑張らずに、フランス語頑張ってよ」と思っているようですが…(笑)。
12)冷たい夜に
これは、La Compagnie Anの「月いづる邦」の挿入歌。zabadakの「My Space」でそのさわりが聞けますね。
13)はじめてうたったうた
これも最初、ちょっとトチってしまったのですが、公子さんが我々観客に「忘れろ~」という魔法をかけたので、どういうミスだったかは忘れてしまいました。
14)この空であえるよう
最近のライブでは、これを歌うことが多いですよね。この日本語版、改めてアルバムに収録してもいいんじゃないかな、と思います。
15)夢を見る方法
終盤となり、盛り上がるこの曲が奏でられます。
16)Easy Going
やっぱ、ライブの締めはこの定番の曲なわけですが、やはり吉良さんがどこかで歌詞間違いしてしまうのもお約束。不思議だなあ。なんか、「間違えなくちゃいけない」とでもいうような気持ちが、無意識のレベルであるんじゃなかろうかとまで勘ぐってしまいます。横の公子さんの表情が何とも…(笑)。本編はいったんこれにて終了。すぐにアンコールに応じてお二人は戻ってきたのですが、吉良さんは「なんですか、この盛り上がりは」とおっしゃいます。いや、それより問題は、手拍子の調教のされ具合では、と僕は思ってしまいましたが…(アンプラグドなので、お二人の歌の部分になると手拍子が小さくなったりする気の使いよう。改めてファンの皆さんに、「あんたら、スゲーよ」と感心)。
17)小さい宇宙
最後はこの曲で締め。
始まったのが早かったのは、我々観客が郡上踊りや観光を楽しめるように、という配慮だったそうです(もちろん、吉良さんご一家も楽しめるように)。
Rimg0503 終わった直後にサイン会。僕は写真のように最新DVDにお二人に頂きました。ありがとうございます。その際「実は、ツイッターで申し上げたのですが、僕が「Wonderful Life」を使って宗教学の講義をした者です」と名乗り、公子さんから「今度どんな反応だったか聞かせてください」と言われました。今後とも授業で使わせてもらい、ある程度貯まればご報告したいと思います。「死生観」を考えるきっかけになりますからね、あの歌は。
弾丸ツアーの我々は、サインを一通りしていただいた後そのまま車に乗り込み、帰路につきました(夕食は高速道路のSAで)。あまりにも慌ただしかったので、郡上八幡を満喫、というわけにはいきませんでしたが、今、こうしていつものようにブログを書きつつ、じわじわと「ああ、あのお寺の本堂で、生声、生音を聞いたんだなあ」としみじみ感じております。今回僕を連れて行ってくださった皆さん(特に運転を行き帰りとも引き受けてくださったFさん)に改めて感謝申し上げて、今回は締めたいと思います。

July 20, 2010

ギターと鈴と譜面台と私2010@アポロシアター

Rimg0582 昨日の興奮も覚めやらぬ中、今日も夕方ダッシュで名古屋に向かい(新幹線だと近いものです)、またまたzabadakのライブに行って(追っかけて)しまいました。今日の会場は、新栄町の「アポロシアター」。僕は初めてです。ホテルにチェックインして、すぐに会場に向かいます(極力近いところを取りました)。今回も整理番号が良かったので、遅刻するわけにはいかなかったのです。平日の夕方ですから、最初はお客さんの集まりが悪いかな、と思いましたが、始まる直前にはほぼ入っていましたね。
それではここからはいつものように、セットリストに簡単に感想を挟んでいきたいと思います。

1)樹海
ええ、今度はこれを初っぱなに持ってきますか!!一気にzabadakワールドに引き込まれますね。
2)一番好きな時間
冒頭、この二曲を挨拶無しで一気に演奏。「こんばんは。こんな酷暑の中、よくおいでくださいました」
3)Still I'm fine
冒頭三曲はサビでけっこう盛り上げていくのが続きましたね。
4)夏日記
ちょっとクールダウンという意味合いもあったのでしょうか。「名古屋の暑さには全く似合いませんね、この曲(笑)」
5)旅の途中
おお、今日にやってくれました。キーが高くて大変そう。この前、授業でも「皆さんの中にも『狼と香辛料』というラノベを原作としたアニメを見た人がいるかもしれませんが・・・」と振ったら、何人か含み笑いしてやがったな、そういえば(笑)。
6)マーブルスカイ
このあたり、観客の我々が静かに聞き入るものですから吉良さんが「(この沈黙に)耐えられん(笑)。皆さん、もっとしゃべって良いですよ。私語とかも。あと、歌える人、ハモれる人は遠慮なさらず参加してください。一人は寂しいので(会場爆笑)。隣の人がうるさいとか、そういうことは思わないことにして」とおっしゃるので、これでご本人の許可が得られたと我々は理解し、この曲以降、声を出す人は出していましたね。まあ、昨日の関西人の図々しさには敵いませんが(笑)。僕も主に「口笛」でこの曲参加。
7)おかえり(新曲
これは、前回の南青山でやったものですね。「参加してくれといっておいて、いきなり参加できない曲をやる俺って(会場爆笑)。予知能力のある人は、参加してください(再び爆笑)」と吉良さん。この曲はしっとりした曲ですよね。アルバム収録の際はどのようなアレンジが為されるのでしょうか。
8)ひと(新曲)
これも南青山での「ギタ鈴」でお披露目したやつですね。吉良さん曰く「今度のアルバムは、今までもそうだったんですが、この曲を含めて人の生き死にに関するテーマのが多い予定」なのだそうです。実は先日、僕は自分の授業で「Wonderful Life」をかけ、学生の皆さんに死生観や霊魂感を考えてもらう授業をしたばかりなんですよね(自己満足と「布教」の意図もありますが、この曲はそういうことを考えさせる本当の名曲です)。
9)かえりみち
今回は、わざと「ため」を作るアレンジでしたね。
10)休まない翼
この曲の途中「ああ、チューニングがやばいっ!」。でもちゃんと弾ききりました。昨日も聴いたけど、僕は好きな曲なので何度でもOK。
11)Colors
これは久々だなあ。この曲が終わり「弦も錆びてきたようです。短いつきあいだったなあ。では、ここで弦の張り替えの休憩を取らせてもらいます」と、ここで前半戦終了。

12)The Sage(ELPカヴァー)
13)?(Led Zeppelinカヴァー)
昨日同様、吉良さんは後半戦初っぱな、プログレのカヴァーを持ってきました。1曲目は昨日と同じものでしたが、そこからつなげて演奏されたツェッペリンの曲名はよくわからなかったです。情報求む。吉良さんは「最近の若い人はプログレを聴かない。僕が高校生のときはけっこうみんな聴いていたんだけどな」という話をされて、僕の真後ろに座っていた吉良さんの元同級生とおぼしき方がその通り、という感じで盛り上がっておりました(笑)。そういえば、僕も実はあんまり聴いてないんだよなあ。今手元にあるのはKing Crimsonくらいかな。   
14)遠い音楽
「ではここからzabadakに戻ります」と言って始められたのが、定番のこの曲でしたが、この曲を終えて僕らが拍手しようとしたら、それを制するかのように続けて演奏されたのが
15)水の踊り
だったので、この曲がものすごく好きな僕は超感動。今日の一番のヒット(個人的に)。「Follow Your Dream」のシングル盤で何回聴いたことか。ライブヴァージョンの「歌詞が少しイヤらしい(上野さん談)」の方も愛していますが、今日は完全インスト。上野さんの声に当たる部分の一部はハーモニクスで表現されていたりして、これまた感動。思わず吉良さんを拝んでしまいました。
16)宇宙のラジヲ
京都でリクエストがあったのですが、それはスルーして、直前にちょっと練習なさったとのこと(笑)。
17)駆け抜ける風のように
実は客席からのリクエストで、Caramel Boxの劇伴の「Truth」が挙がっていたのですが「あれ俺の曲じゃないし、歌詞もないから、代わりにこれで」ということで。
この曲で意気が上がったのか、吉良さんは昼間の散策についてMC。何と吉良さんは昼間、京都の貴船の方に遊びに行って、川床などをぶらぶら冷やかしていたそうです。「でも、一人で鮎食ってもうまいわけないから、入らなかったけど」「貴船は蝶の宝庫。それでヒサマツミドリシジミという珍しい蝶がいるかも、と期待していったんですが、この暑さじゃ蝶も飛ばんわ(笑)。暑さと急勾配を見て100メートルも行かないうちに引き返しました」とのこと。けっこうお昼、余裕あったんですね・・・。ていうか、元気すぎ。ミュージシャンの体力はすごいなあ、と感動。
18)夕焼け
しんみりと聞かせます。でも歌い終わったとたん「こういう曲、楽だなー(会場爆笑)」
19)約束のうた
「旅の途中」のB面(最近はそういう言い方をしないですが)。「自分でもけっこう好きな曲なので。バンドの時はだいたい小峰公子さんが歌うんですけど、今回は自分で」
20)人形たちの永い午睡
アルバムではロマンティシズムが前面に出ているような気がするのですが、ライブではいつもこの曲、ロックですよね。
21)夢を見る方法
客席からのリクエストでもありましたが、吉良さん自身も終盤にかけてやるつもりが最初からあったような感じでした。「これとこれとこれで終わろう」と独りごちて始められました。我々の手拍子なども最高潮。
22)ブランシェ
やったー、またまたやってくれましたここも、途中の変拍子、最初はちょっとずれちゃいましたが、二度目からはみんなで手拍子が合わさりました(さすが、調教済みのファンばかりw)。でも、このメロディラインをギター一本でやっちゃう技量に、改めて恐れ入りました。やっぱすごすぎ。
23)Easy Going
本編ラストは、これまた定番ですが、前の二曲から、もう手拍子が止まりません(笑)。僕なんかはちょうど着ていたzabadakのTシャツにプリントされているこの曲の歌詞を読んじゃったりしました(笑)。この曲で大盛り上がりで終了。
一旦舞台袖に引っ込んだ吉良さんをすぐにアンコール要求の拍手で連れ戻し、アンコールは昨日同様
24)Mather
でしっとりと締め。
終わった後、平日の夜のせいか、みんな一気に帰ってしまい、アンケートをだらだら書いていたら、最後の4,5人になってしまい、すごすごと退場(ちょっと吉良さんにお声をかけたかったのですが、敵いませんでした)。
僕と、東京から遠征なさったCさんは昨日、今日と両方見たのですが(他にもいらっしゃったかもしれませんが)、「両日ともよかったね」と言い合って駅でお別れしました。いやあ、堪能した。明日から、また日常に戻るのがつらい(笑)。

July 19, 2010

ギターと鈴と譜面台と私2010@RAG

Rimg0703 祇園祭が終わり、梅雨明け宣言もなされ、京都はこれから恐ろしいほどの暑さに見舞われることでしょう。そんな京都に、一部で「雨男」と名高いZABADAKの吉良知彦さんがソロライヴに来てくれました(今回は幸いピーカンでしたが)。今回のツアーはギターと鈴と譜面台と私 2010 夏ツアーと題されたもので、会場は「Live Spot RAG」。僕にとっては、約2年前、この会場で本当に久々に吉良さんのご尊顔を拝見し、それからまたまたライヴに通うようになった思い出の地です。このライヴスケジュールが発表されて、もう速攻でチケットを購入したのは言うまでもありません(再び整理番号一桁でした。何たって、通勤途中に寄って即購入でしたので)。

入場が始まり、僕は一番前の丸テーブルに陣取りました。前回はテーブルをよけて椅子を詰められるだけ詰めるという方式で、飲み食いに不自由しましたが、今回はばっちり。で、僕はステージが始まる前に生中と泡盛の水割りですっかり出来上がってしまいましたが、予定時刻より5分ほど遅れて吉良さんが登場です(何故かミッキーマ○スのTシャツ)。ステージにはギブソンのギターと、足に巻き付ける鈴と、チューニングソフトが入っているiphoneだけという潔さ(実は今朝、この鈴をご自宅に忘れてきて、一旦引き返して渋滞に巻き込まれたそうです)。
以下ではいつもの如く、セットリストと簡単な感想を書いていきたいと思います。

いきなり挨拶抜きで始められたのが、
1)遠い音楽
で少しビックリ。まあ、zabadakは激しいのも穏やかなのも豊富にあるので、どっちが最初に来るかはその日次第なわけですが。これを歌い終わって、最初のMC。「こんばんは、ミスプリが多いことで知られるzabadakですが、先ほど物販でDVD(このたび出たばかりの『新春月光夜會』)の値札を間違ってしまいました(会場爆笑)。何と\1300も安くしちゃっていたんですよね。先ほど間違って安く買われた方、正直に追加料金を払ってくださりありがとうございました(またまた爆笑)。」
2)アポロの月
2曲目はアゲアゲのこの曲。
3)樹海
まさか、この曲をお一人でやるとは・・・。さすが、吉良さん、チャレンジャーだなあ、俺たちに出来ないことをやってのける、そこに痺れる(以下略)。でもさすがに息継ぎすらどこで取れば、と思うこの曲、歌い終わった途端「舌が回らねー!!」(会場爆笑)。今度盛岡でのライブでは、作詞した松田克志さんも参加してこの曲をやるそうなので、そちらに行かれる人はお楽しみに。
4)平行世界
これもガシャガシャギターをかき鳴らしまくり。格好いい!
5)夏至南風(カーチバイ)
6)夏日記

二曲続けて「夏」の曲を。この「夏」の歌って、穏やかで会場が一旦落ち着いた感じになりましたね。たまたまですが、泡盛の水割り飲みながら聞けたのは至福。
7)Still I'm Fine
これもしみじみ聴かせる曲ですね。
8)鍵穴と迷路
これはレア。少なくとも僕は初めてのような気がする。「迷うため生きてる」というサビのフレーズが昔から好きなんですよね(ライブの感想文にもそう書いちゃいました)。
9)新曲
仮タイトルは「一つの事件」というものになりそうだとのこと。
10)ブランシェ
おお、待ってました。前回の南青山マンダラで聴いて、ある意味一番感動したのはこれだったんですよね。「独りブランシェ」。で、今回驚いたのは、関西ファンの手拍子。東京ではおとなしい人が多いのか、手拍子もなかなか起きないのですが、何事にも貪欲な(図々しい)関西人の性(さが)なのか(笑)、今回のライブは手拍子しまくり(曲によってはコーラスまで。吉良さんも「助かる」とおっしゃってましたが(笑))。しかもこの曲の変拍子もしっかり合わせるんだから。僕の脳内で、吉良さんが最早みんなを引っ張るクラウザーさんのように見えてきてしまいました(笑)。吉良「俺が本当の変拍子を教えてやる」ファン「もっと教え込んでくれー!」「出たーっ!これが吉良さんの伝説の変拍子攻撃だぜー」とか、そういうしょーもない場面が脳裏を駆けめぐりました。ともかく、zabadakファンは曲を聞き込みすぎで、調教されすぎ
僕のどうしようもない思いとは別に、これにて一旦第一部は終了。休憩時間に入りました。

Rimg0705 数十分後、奥から、吉良さんの足の鈴の音が聞こえてきて、第二部の開始です。吉良さんはTシャツを着替えて、今度はジョン・レノンとオノ・ヨーコのカップルの「War is over」でした(今回のTシャツは、ともに一世を風靡したアイコンだなあ、と思いました)。
11)The Sage
これにはビックリ。何とELPのカヴァー(アルバム『展覧会の絵』に収録。僕も聞いたことがあるはずなのですが、さすがに憶えていなかった)。Twitter上でプログレ話で盛り上がった結果なのだそうです(笑)。「知っている人は、みんな40歳以上でしょう(笑)」と吉良さん。
12)休まない翼
僕はこの曲の最後の「ポーン」というところが大好きです。
13)かえりみち
しんみり。この曲のファンも多いですよね。
14)駆け抜ける風のように
リクエスト。これは僕の大好きな曲。カラオケでは絶対に歌いきれないだろうけど。
15)同じ海の色
おお、これはレア。間奏部分、脳内で藤井珠緒さんのマリンバが自動再生されちゃいました。
16)光の人
これもリクエスト。これも好きなんだよなあ。歌詞を読むと、zabadakで一番「宗教」のことを歌っている歌、という気もするし。で、お約束のように吉良さんは「♪指先のモールス、ルスルス・・・♪」とひとりでやってくれました(笑)。
17)Circus Dream
これもリクエスト。僕もこれをライブで聞くのは初めてか?
18)人形たちの永い午睡
吉良さん曰く「楽なの行こう」とこの曲。僕にはどこが「楽」なのか判らないほどの熱演。「思いもよらないアレンジをしてしまいました。このアレンジだと楽だよ(笑)」。
19)星の約束
これも結構僕は好きな曲だな。
20)豊饒祝歌
これは、このたびDVD化された1月ライブでもやった「お客さんを二手に分けて、それぞれのパートを歌ってもらう」という趣旨。「え~えいえいえいえ~」と思いっきり声出しちゃいました。
21)空ノ色
前の曲に続いて、盛り上がるこの曲を。
22)ブリザード・ミュージック
23)夢を見る方法

最後に向けて、どんどん凄い曲を繰り出してきましたよ、奥様!(っておれは誰に言っているのか)。この辺りになると、みんな声と手拍子で大盛り上がり。最後は吉良さんがフラフラになって、第二部終了。でも、当然ながら無慈悲な我々は高速アンコール拍手。
で、最後は、何とも珍しいこの曲で締め。
24)Mother
しっとりと終わりましたね。僕はこの曲、何となくKing Crimsonの雰囲気を感じるのです。

さて、その後はファン同士で飲み食いしての「二次会」及び「三次会」。楽しく過ごせました。皆さん、どうもありがとうございます。またお会いしましょう(って、僕は明日も会う人いるんだけど)。

May 01, 2010

ZABADAK ギターと鈴と譜面台と私 2010春@南青山マンダラ(夜の部)

Rimg0259 てなわけで、夜の部です。いったん会場を出たのが5時過ぎ、そして夜の部の開場時間が6時、ということで一時間弱を外のファーストフード店で過ごした我々はいそいそと戻り、再び列を作ります。僕は今回も、ど真ん中の二列目をゲット。二回連続、見やすいポジションでした。時間つぶしに夕食、と思い、パスタと白ワインを注文。もぐもぐ食いながら、開演を待ちます。吉良さん、さっき、全力疾走って感じだったから大丈夫かな、とちょっぴり心配しながら。
Tシャツを着替えて、吉良さん再登場。

1)遠い音楽
お、一曲目は定番のこれかあ、と思ったら、アクシデント発生。何と、吉良さんの左手が攣ったのです!!途中棄権。「ごめんなさい、ちょっと別の曲をやらせてください」と言って始まったのが、
2)悲しい夢なんか見ない
これはレアだよなあ。少なくとも、僕は初めて。これを弾き切って、ちょっと落ち着いて、
3)マーブルスカイ
何度聞いても好きな曲。
4)遠い音楽
仕切り直しです。今度は大丈夫。吉良さんもほっと一安心。「(さっき指が攣ったとき)全額返金、という言葉が頭をよぎりました(笑)」
5)There's a vision
この曲も珍しいですね。この曲のとき、今度は鈴を結び付けている左足が攣りかけたそうですが「今度は足だからいいや!!」と強行突破(笑)。
6)約束の歌
この辺りから吉良さんの声がますます大きく、調子が出てきたような気がします。
7)LiFE
またまたレア曲。
8)息子(奥田民生)
なんと、民生のカヴァー!「実はうちの息子が、奥田民生の大ファンでして、僕も好きなんですが、僕が自宅でちょっと民生の曲をコピーしようとすると、息子が「もう、お父さんはお父さんの曲があるでしょ!!」とか言うんですよね(会場爆笑)。でも、ここでこっそりやっちゃいます」
我々はやんやの大喝采。吉良さん曰く「他人の曲でこんなに受けてどーする(笑)」。
9)おかえり(仮)
これは新曲。やわらかな感じの曲。これもニューアルバムに入りそうとのこと。期待ですね。
10)光の人
アレンジが施されていて、最初この曲とはわかりませんでしたよ。僕が宗教学者だから言うんじゃないですが、zabadakで最も「宗教」らしい曲、だと思います。
11)宇宙のラジヲ
吉良さんが「鬼門」と言っていた、ちょっと苦手な曲なんだそうです(自分で作ったのに)。
12)今日の夢のこと
13)この空で会えるよう
「昼の部」の仕切り直し。今回は大丈夫でした。
14)ブランシェ
これは激レア曲。「夜の部」で一番感動したかもしれません。まさか、こんなのを持ってくるとは。
15)Fake
これもレアだよなあ。
16)アポロの月
17)雲の言葉
18)Tin Waltz
この曲も、吉良さんヴァージョンだと違った味がありますね。
19)握手でBYE BYE
20)扉
すみません、僕はこの曲のタイトル、全然出てきませんでした。僕よりのコアなファンと鳩首してようやくたどり着きました。
21)白い紙と鉛筆
22)Easy Going
やっぱ、締めはこれですよねぇ。一旦吉良さんは楽屋に戻りますが、無慈悲な我々(笑)は、吉良さんにアンコールを要求。ビールジョッキ片手に吉良さんが戻ってきて「歌える人は一緒に」と言って始められたのがこの曲、
23)観覧車
えー、何となくなら歌詞を覚えているんですが、歌うとなると…。
これにて、丸一日のライヴは終了。演奏なさった吉良さんはもちろんですが、聞く我々も疲れましたよ。疲れた、というより、一日にzabadakの曲を40曲以上も聞いて、魂が抜けたというか…。アンケートを書いて外に出たら、吉良さんと公子さんが出口にいらっしゃったので、少しだけご挨拶して(「今度RAGに来ていただき、ありがとうございます」と申し上げました)「かえりみち」につきました(いつもライヴの後の帰路はさびしいものです)。いやあ、明日からが大変です。本当に吉良さん、お疲れ様でした。しばらくはご静養ください。

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