December 18, 2009

れっつ Rock The Night Together―鈴木祥子@Shangri-la

Rimg0243 さて、年の瀬も押し迫ってきましたが、それでもおもむく鈴木祥子さんのライブ。今回は「れっつROCK THE NIGHT TOGETHER」と題して、「ジャック達(一色進(G,Vo)、宙GGPキハラ(G)、夏秋文尚(Dr))」の皆さんとベーシストのかわいしのぶさんとともに、ロック色を前面に押し出したステージを、大阪Shangri-laでやってくれました。Shangri-laはこれで三度目。過去二回(その時のレポはこれこれ)のライブで非常に素晴らしいパフォーマンスを拝見できたので、個人的にも好きなハコです。それに、今回は何と、「オールスタンディング」年寄りが多い年齢層がまあまあ上昇中(婉曲表現)の我々古くからのファンにとっては、嬉しいやら、体の心配をするやらですが、最近祥子さんがはまっているという矢沢永吉のファンのようなノリで(今日は客入れの音楽が、永ちゃんのライヴ盤だったので笑いました。あとで判明しましたが、祥子さんが持参した汗ふきタオルも「E.Yazawa」)、「今日はちゃんと盛り上げて、祥子さんにうまい酒を打ち上げで飲んでもらおうぜ」と気合いを入れる我々(ちょっと嘘)。
それでは、いつもの如く、セットリストと感想を書き連ねていきます。曲の後ろの記号は、祥子さんの演奏した楽器などです。ただし、今回はスタンディングということで、いつものようにメモを全く取っておりませんので、記憶と勘と、友人達のmixi日記やH澤さんの「スタッフ・ブログ」を頼りに書いております(間違いは是非ご指摘ください。今回は本当に記憶が曖昧なので)。

1)Rock and Roll【LED ZEPPELIN】~HAPPINESS?(Dr)
一曲目からドラムをやってくれるとは!!祥子さんのドラムは文句なしに格好いいですから、まさに「つかみはOK」という状態。祥子さんは黒できらきら光る素材のタンクトップにパンツスーツ姿で帽子をかぶっている、という出で立ち。
2)月とSNAPSHOTS(Dr)
これも以前ドラム演奏しながら歌ってくれたことがありましたが、何度聞いても良いわぁ。
3)きのう夢の中で(Vo)
これほど立て続けにドラムをやってくれるとは・・・。オールスタンディングで、体を動かされますね、打楽器のプリミティヴな作用で。そしてこの曲でしっとりと強弱を。
4)Sulky Cat Strut(Vo)
この曲を生で聴くのは初めてだと思います。「ジャック達」の夏秋文尚さんにドラムを交代して、祥子さんはアカペラで。で、ここでちょっとしたハプニング発生。一列目の女性が、ステージの端に、自分のジンジャーエールを置いていたのですが、祥子さんは用意されたドリンクだと思ってぐびっといってしまいました。まあ、そこに置いた彼女が悪いんですが(笑)、「私、よくこういう失敗するんですよ~。隣の人のパンを食べちゃったりして」と祥子さんが言うと、「居酒屋でも、頼んでないつまみが来たら食べちゃうよね」と一色さん(笑)。フォローになっているようななっていないような。
5)恋のショットガン(懲りないふたり)(Vo)
何度この曲で「降参」したことか(笑)。あとで、もっと「降参(降伏)」する曲が出ますけど。
6)エコロジーバッグ(P)
祥子さん曰く「この曲をバンド形式でやるのは初めて(久しぶり?)」とのこと(記憶が曖昧で済みません)。
7)苦しい恋(EG)
これは、「無言歌」のときのミニライブ以来。この曲と次の曲は、祥子さんのソロ(弾き語りコーナー)。
8)When you call my name(名前を呼んで)(P、新曲)
「あなたに名前を呼ばれて、初めて自分の名前を獲得したような感じ。だからもっと私の名前を呼んで」というような内容の歌詞だったと思います。そういうラヴソングでした。
9)夜の中へ(Vo)
これをライヴで聞くのは、初めてではないでしょうか。祥子さんも「物凄く久しぶり」と言っていたし。
ここからは「ジャック達」の曲を2連発。
10)Arcade Cascade #ジャック達 with 鈴木祥子(Vo)
11)謎の帽子屋 #ジャック達 with 鈴木祥子(P、Cho)
僕は「ジャック達」自体初めてだったのですが、年季の入った飄々としたギターとヴォーカル、というので、ついmoonridersを連想しちゃいました(一色さんの声質も、鈴木慶一さんに似てなかったかな?)。
12)My Sweet Surrender(Vo)
これは祥子さん(作詞)とジャック達の一色さん(作曲)との合作なのだそうです。「甘い降伏(幸福?)」というタイトルですが(「こうふく」のしゃれは祥子さんがMCで話していました)、今度の作品に収録されそうな模様。楽しみ。
13)黒い夜(P)
キターッ!!これ、今度出た『SHO-CO-SONGS collection3』の「未発表テイク」の中でも出色の曲だと思っていたので、これを生で聞けて、感無量。やぱ格好いい曲ですよ。荒々しいギターもジャック達のギタリストお二人が忠実に、いやそれ以上に演奏してくれましたし。
14)きみの赤いシャツが(P、Vo)
15)TRUE ROMANCE(Dr)
16)海辺とラジオ(Vo)
この3連発はスタンディングで前の方にいる我々はノリノリ。息つく暇もなく手拍子とジャンプを繰り返してしまいました(こむら返りおこしかけていたことは内緒です)。こうしてみると、「ロック色」を強めた『Snapshots』と『Candy Apple Red』が非常に「ノリの良い曲」が多いのに改めて驚かされます。
ここまで一気に駆け抜けた、という感じでした。ほとんどMCもなく、祥子さん自身が息切れを起こすほどの(笑)ハイテンション&スピード。かわいしのぶさんとかに話を振るのかな、と思ったら、そういうコーナーもなく、ほとんどストイックといっても良いくらいの演奏振りでしたね。一旦本編はこれで終了で、以下はアンコールです。祥子さんは肩を出した真っ赤なワンピースにお着替え。うーんセクシー。

en1)Rock'n'Roll お年玉(Vo)
何と、大瀧詠一さんのカヴァー。最近祥子さんは『Long Vacation from Ladies』というアルバムで「さらばシベリア鉄道」を歌いましたが、こんな曲を飛び道具にするとは・・・。しらねーって、今の若いもんは(笑)。
en2)Angel(Vo)
大好きな曲。始める前に「大切なものは」云々と言って、「説教臭くて済みません」と祥子さんが言ったので、爆笑。
一旦祥子さん達は引っ込みますが、当然しつこく僕らはアンコールの催促。
en3)GOOD OLD DUSTY ROAD(Vo)
以前は祥子さん自身がこの曲の「青さ」が嫌で歌っていなかったそうですが、今回その封印を解いてくれました。
ここで再び祥子さんは退場。でもしつこい我々は(以下略)。すると、何とまたまた祥子さんが独りで登場してくれました。ここで出ました、「何かリクエストあります?」。僕の隣にいたR.R.さん(仮名)が叫んだ曲は「そんな難しいこと言わないでくださいよ~(ライブアルバム『I was there, I'm here』でも聞いた台詞ですね)」という伝家の宝刀で却下。結局はある女性がリクエストした
en4)あたらしい愛の詩(P)
になりました。ラストを飾るのに相応しすぎる曲ですね。出だしの部分を「大阪の夕暮れは~♪」と換えて歌ってくれるサーヴィスも。これにて充実したライブは終了。前の方にいた我々は、ようやくドリンク交換チケットを持って、ドリンクコーナーに並びます(僕は生ビールを一気飲み。思った以上に汗かいちゃったので)。僕以上に汗をかいていた方のレポはこちら(笑)。

その後は、毎回ライブ後は恒例の、ライブ友達の飲み会。そしてその場で、先月出版された拙著をわざわざ買ってくださる奇特な方が5名もいらっしゃったので、本当にありがたかったです。ホント、皆さん義理固いんだから。この場を借りてお礼申し上げます。で、何だかんだで終電まで飲んじゃいました。飛び跳ねまくった体にビールが染みていく・・・。

僕はこれで今年の「ライブ参加」は恐らく終了です(もしかしたら、衝動的に行くかも知れないけど)。また皆さん、よろしくお願いします。

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November 19, 2009

初の単著、刊行

 こちらのブログはご無沙汰しております。久々だというのに、自分の業績の宣伝のようになって恐縮ですが、僕の初の単著が刊行されましたので(奇しくも、今日は僕の誕生日です)、このブログでお知らせいたします。
Syukyo_to_gakuchi  少し大きめの画像を入れ込みましたが、これが表紙です。『植民地朝鮮の宗教と学知―帝国日本の眼差しの構築(リンク先は出版社の紹介ページ)』というタイトルでして、これは僕が4年前に出した博士論文を圧縮して(約三分の二にしました)、単行本化したものです。
 前々から「いずれ出ます」と言ってなかなか出ないので、周りの皆様を多少やきもきさせ、僕自身の評判も「狼少年」として、ちょっぴり下がってしまったかも知れませんが(笑)、とにかく、肩の荷が下りました。
 「一生で一冊くらいは本を出してから死にたい」と高校生の時に思ってからずいぶん経ってしまいましたが、ようやくその願望を叶えることができました。

 多少値の張る物ですし、専門性が高いので、どなた様もどうぞ、とは申し上げられませんが、ご興味のある方は大きな書店でお手にとって頂ければ幸いです。
 以下にいくつかのネット書店にリンクを張っておきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

1)Amazon
2)ジュンク堂
3)紀伊國屋書店Book Web
4)bk1
5)楽天ブックス
6)Livedoor BOOKS

追記:2009年12月13日の読売新聞書評欄にて、拙著が書評されました。評者は京都大学の小倉紀蔵先生。大変好意的な書評をしていただき、恐縮しております。ここに記して感謝申し上げます。ありがとうございました。

Yomiuri_syohyo091213

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September 05, 2009

鈴木祥子@Billboard Live Tokyo

090905_billboard_001 さて、今日も今日とて、ライヴに行ってまいりました。
今日は、東京六本木にある「Billboard Live Tokyo」での鈴木祥子さんのライヴです。僕はこのライヴハウスがある「Tokyo Midtown」(防衛庁の跡地)も初めてですし、こういう高級感あふれる場所でライヴを見るのも久しぶり(数か月前、南青山のBlue Note以来じゃないかな)。そもそも、六本木自体、東京にいた時から縁遠い街でしたが
新幹線が遅れるというハプニングもあり、今日は東京駅から直接会場に向かいました。久々に降り立った六本木、やっぱり、僕の肌に合う町ではありませんでした(笑)。
090905_billboard_002 今日のライヴは、ファーストとセカンドの2ステージ。僕は早い時間のファーストステージを予約し、運よく一番前にかぶりつくことができました(丁度祥子さんが弾くキーボードの前の席でした)。そこでチーズの盛り合わせ(塩分が多すぎて、ビールをあおることとなって失敗)とビールを片手に開演を待ちます。今日はギタリストの今剛さんとのジョイント企画。「Syoko Suzuki WITH Tsuyoshi Kon~SYOKO SINGS THE TORCH SONGS~」と題されたもの。
ステージは左からキーボード(「Hammond XK-3」という機種。電子オルガンですね)、その真後ろにピアノ(Steinway & Sons)、真ん中にドラムセット、右にペダルスチールや今さんの弾くギターが並べられていました。二階席、三階席が非常に高くにあり(結構急勾配)、縦に空間が広がっている会場でした。
予定時刻通り開演です。祥子さんはちょうど僕の真後ろあたりに登場して(かわいいツーピースの衣装でした。実はスカートにスリットが入っており、おそらくドラム対策と思われます)、まずは一人でキーボードに向かいます。挨拶なしでいきなり演奏がスタート。
1)The End of the World (Skeeter Davis、Key)
まずはこの曲のカヴァーからスタート。どこかで聞いたことがあるような…。歌い終わって、初めてのMC。「こんばんは。今日は哀しい曲をたくさん準備しているので(笑)」とおっしゃるので、つい我々は却って笑ってしまいます。今日のライヴのタイトルが「トーチソング(torch song、失恋や片思いが主題のセンチメンタルな曲)」だもんな。

2)たしかめていてよ(Key)
おお、これを生で聞くのは久しぶりのような気がします。祥子さんは、僕の目の前のキーボードで演奏していたのですが、僕は一番前故、却ってお顔が拝見できないことに。上半分は辛うじて見えたのですが…。こういうときの席の選択は、本当に難しい。まあ、贅沢言っちゃいけませんね。

090905_billboard_003 3)夏はどこに行った(Key)
不朽のデビュー曲。前奏は、今まであまり聞いたことがないアレンジが施されていました。
この曲が終わり、今剛さんが登場です。僕は今さんを拝見するのは初めて(一緒にライヴに行った方は、井上陽水のバックにいたのを見たことがある、とおっしゃっていました)。今さんが登場して、祥子さんから「今日のテーマはトーチソングなんです」と改めて宣言が。そして歌われたのは

4)Someone to watch over me(P)
でした。スタンダードの一つ。この曲の後、祥子さんはドラムに移ります。

5)Lover Man(Billie Holiday、Dr)
やっぱり、祥子さんのドラムはかっこいいなあ(ブラシで叩いていました)。ロックじゃないので、叩きまくる、という感じではありませんが、味がある。

6)Circle(Edie Brickell & New Bohemians、P)
以前に出たライヴアルバム『I was there, I'm here』でカヴァーされていましたね。祥子さん曰く、「一人は寂しいけど、一人ならば別れを告げられることもないし、結局一人がいいのよ」という矛盾した心を歌った歌、だそうです。

090905_billboard_005 7)Adios(Linda Ronstadt、P、今さんペダルスチール)
これも『I was there, I'm here』所収。祥子さん曰く「節目節目に歌いたくなる」とのことです。

8)さらばシベリア鉄道(太田裕美、Key)
今度大瀧詠一さんのカヴァー集(『A Long Vacation from Ladies』、というそうです)が出るそうなのですが、祥子さんは、かつて太田裕美さんが歌ったこの名曲を担当。出だしをちょっとトチって、仕切り直し。

9)Down By The River(Key)
再び祥子さんのオリジナル曲に戻ります。
この曲の後、祥子さんは今年のお誕生日をハワイで過ごした、ということを語り、「そのハワイで、大きくなり過ぎて(まあ、太り過ぎてってことですね)早く亡くなった歌手がいるんですが、そういう人の歌も明るい、というかマイナス要素がない、というか。その人が歌っていたこの曲を」と言って始まったのは

10)Starting All Over Again(P)
祥子さんはこの曲で「歌いませんか?」とおっしゃるので、これは手拍子とハミングをしなければなりますまい。

11)新曲(P)
夏休みに読んだ『ボヴァリー夫人』に触発されて書いた曲、なんだそうです。「ここでないどこかに向かっていく女の気持ちとか(が他人事ではないというか)」「そっち行っちゃだめ、とか言いたくなる」と祥子さんはおっしゃっていました。そりゃそうだよな。この作品は、簡単に言うと、田舎医師の奥さんが「私がいるべき場所はこんな田舎じゃなくて、上流のロマンティックな場所なのよ」という幻想を追いかけて自滅していく、っていう内容ですからね(ネタばれなので、反転させました)。
「この作品、読まれた方いらっしゃいます?」という声に反応して最前列で手を挙げたのは、僕です。ほんと、大昔ですが(約20年前くらいかな。高校から大学にかけては、19世紀の自然主義的で、女性が悲惨な運命に翻弄される小説を何故か好んで読んでいました。ベストはトマス・ハーディの『テス』でした)、まさかこんなことで、祥子さんに見つめられる「特権」を得ようとは(笑)。
ここで一旦今さんは退場です。

12)どこにもかえらない(Key)
祥子さんは「よかったら一緒に歌ってください」とおっしゃるので、歌わせていただきました。ついでに間奏部の口笛も。
本編はここで終了。もちろん我々はアンコール要求の手拍子。

encore)Sweet Serenity & Chocolate Milk Tea(P)
今さんも再び登場して、超絶テクを見せつけてくれました。素人としても「今さん、ギターうめー」と口を半開きにするしかありませんでした。祥子さんの声の出もよく、僕はこのライヴで、このアンコール曲が一番良かったですね。
一番前でしたので、音響のことなどは偉そうに言えないのですが、さすがに雰囲気はいいし、「お高い」だけのことはあるなあ、と思いました。あんまり、このハコでばかりライヴをされると、我々の財布も大変ですが(笑)。

今日は2ステージなので、ファーストステージが終わるといったん全員外に出されます。僕も飲食代を払って入口あたりで、いつものライヴ友達と語らいます。その友人たちの何人かは、なんと「2連チャン」で見るつわものが揃っていました(笑)。彼らは再び列に並び、僕は僕同様ファーストだけという友人2人と一緒にそのまま退場して、六本木で恐らく一番安い居酒屋で長居し、セカンドステージが終わった後に、2連チャンをこなした「つわもの」のお二人と合流し、終電までおしゃべりして、帰宅しました(危うく終電を逃すところでした。不夜城六本木にいると、時間の感覚がなくなって困ります(笑))。

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August 07, 2009

鈴木祥子「無言歌Romances sans Paroles」@渋谷UPLINK

090807_gundam_shoko_009 今日から、僕はちょっとした「夏休み」。今回上京したのは、鈴木祥子さんのドキュメントフィルム「無言歌Romances sans Paroles」が渋谷のUPLINKでレイトショー上演されていて、日によっては祥子さんのミニライヴやトークショーがあり、なかなか身動きが取れなくてやきもきしていたのですが、ようやく休みとなり、千秋楽の今日だけは参加することができたのでした。
ただ、レイトショーということで昼間は時間がありますので、鈴木祥子さんのライヴでよくご一緒しているみなさんと計4名でお台場に設置されている「実物大ガンダム」を見てから会場に向かおうということになりました。この「お台場ガンダム」は、さすがに夏休みだけあって、お子さん連れや、我々のようなアラフォー及びアラサー世代も加わり、人波がすごい。木陰に見える機体に向かって駆け足で駆けより、写真を撮りまくります。妙にテンションあがっちゃいましたね。ここまでの大きさになると、もはや大仏とかと同じように「拝みたくなる対象」に。でもすでに会場限定のグッズも売り切れていたので、写真を撮りまくり、その周りを一周して堪能した我々は、そのまま「りんかい線」に乗って、今日の本来の目的地である渋谷に向かいました。
090807_gundam_shoko_023 レイトショーとは言え、開場1時間前に整理券を配り始めるイヴェントでしたので、それよりも早めに渋谷に着いておかねば、と思ったのです。りんかい線で乗り換えなしで渋谷に到着。まだ時間があるということで、軽くおなかに入れようと東急本店近くのカフェでケーキセットなどを食していると、突然集中豪雨が!!「バケツをひっくり返したような」という常套句がぴったりな凄さ。しばらく閉じ込められましたが、小雨になってきたときに店を出て、整理券をもらうための列に加わることにします。早めに行ったおかげで、列の先の方に並ぶことはできたのですが、雨上がりの湿気がものすごい!UPLINKの狭い廊下に延々と並ぶ我々。噴き出す汗。結局汗だくになりながら1時間弱ならんで、整理券をゲット。まだ上映まで一時間弱あるので、行列で汗をかいた我々はたまらず、1階にあるレストランで生ビールなどで乾杯。ひとここちついて、改めて開場前に戻り、開場時間となりました。今日はこれまでと違い、映画上映の後にミニライヴ、というスケジュール(昨日までは逆で、カッチリ時間が決まっていたそうです。どっちにせよ、僕は行けなかったわけですが)。

さて、映画本編が始まりました。僕は最前列に座っていたのですが、このフィルムはSANYOのXACTIで祥子さんがセルフ撮りをしている場面が多く、細かい「揺れ」がどうしてもあるので、結構目が疲れちゃいました(笑)。
で、内容ですが、これがまとめるのが難しい。というのも、ストーリーはある意味あってなきがごとしだからです。祥子さんの「自分語り」と、コンサートのリハーサル光景、亡くなったお父さん(写真を初めて拝見しましたが、似ているなあ、と思いました)ゆかりの地を訪ね歩く祥子さんの映像、ライヴ映像が細切れに配置されていて、ある結論に向かって収斂されていくような、一貫したストーリーを持つ性質のものではなかったからです。もしかしたら、地方で公開、もしくはDVD化された暁に未見の方は見ていただくということで、あえてこの映画で語られた祥子さんの言葉の断片を載せることは避けたいと思います。
でも評論家っぽく少しだけ言及するとすれば、これはまさしく「鈴木祥子」というアーティストそのものの記録であり、このような映像ができるのは、祥子さんのパーソナリティに負うところが大だ、ということです。というのは、この映画の大半は、祥子さんが自宅などで「音楽」「女であること」「父」などについて思うところを述べている、という映像なのですが、彼女が率直すぎるほどに語ってしまっているので(性格的に、そういう人だとは長年ファンをやっている僕にも想像がつきますが)、どのように編集しようが(編集に苦労なさったはずの井上監督には申し訳ないですけど)、それ以上のものにも、それ以下のものにもなりようがないのです。これは、例えば同じ「ドキュメント」と言ってもウソをつきまくる人を撮ろうとした原一男監督の「全身小説家」と比較すれば一目瞭然だと思います(この映画は「うそつきみっちゃん」と呼ばれた井上光晴を主人公に据えたドキュメントの傑作です)。

090807_gundam_shoko_021 さて、映画本編が終わり、いよいよ千秋楽のミニライヴの始まりです。祥子さんは真っ白のノースリーブのロングドレス。映画を観た直後にご本人を観たせいかもしれませんが、特に今日の祥子さんは僕の眼には凄絶な美しさに見えました。祥子さんは登場して開口一番「この2週間、私は幸せでした(笑)」。いや、この2週間、ミニライヴのある日を通い詰めた友人(あえて名を秘す)も十分すぎるほど幸せだったと思います(笑)。ミニライヴは毎日テーマを換えて行われてきたのですが、千秋楽の今日は「迷いの30代を振り返るDAY」といテーマ。
「30代の時、『Candy Apple Red』『私小説』『あたらしい愛の詩』『Love, painful love』というようなアルバムを作ったのですが、今日はそのあたりからやりたいと思います」とおっしゃり、以下の曲からスタートです(Gはエレキギター、Wはウーリッツァー)。

1)苦しい恋
(G、『Candy Apple Red』)
これを荒々しいギターで奏でる、なんていうのはレアでは?ディストーション気味の音。これを歌い終わった後祥子さんは「女の人は30代でひどい目にあった方がいいと思います(笑)」などといって、映画本編に負けず劣らずの問題発言。

2)破局(G、『あたらしい愛の詩』)
これはレア、というか「ライヴでやるのは初めて」とのこと。で、一番驚いたのは、この曲のタイトルを決める時、たまたま当時の芸能ニュースで話題になっていた「羽賀研二・梅宮アンナ破局」というところからつけたということ。えー、祥子さん、そんなのがきっかけだったんですか?(笑)

3)この愛を(G、『あたらしい愛の詩』)
祥子さんは「最近は何かギターをかき鳴らしたいモードに入っている」ので、最初の3曲は立て続けにギターで弾いたとのこと。

4)恋人たちの月(W、『あたしの旅路』)
「自分でも気に入っている曲なんですが、ドラマのタイアップの曲をアルバムに入れたせいで、この曲がアルバムから押し出される形になって、ベスト盤にしか入っていません」とのこと。

5)いつかまた逢う日まで (W、『あたらしい愛の詩』)
2曲連続、ウーリッツアーでロマンティックモード。

6)Gimmie Some Life (G、『Love, painful love』)
祥子さん曰く「元々アルバムでは一人多重録音をして、この曲はギターを除いて、ドラム、ベース、ピアノだけでロックっぽさを出そうという試み、まあ、若気の至りですが(笑)、でも今日はエレキギターで弾いている私(会場爆笑)」

7)忘却 (G、『鈴木祥子』)
リクエストに応えて。

8)そしてなお永遠に (G、『私小説』)
やっぱ、ドラマティックな曲だよなあ、これ。
いったんここで祥子さんは退場しますが、我々はもちろんアンコールを促す拍手・手拍子。すぐに踵を返して戻る祥子さん。

e1)道 (W、『鈴木祥子』)
これもリクエスト。今日のリクエストはともに女性の声。にしても、暗い曲を(笑)。この曲の時、ウーリッツァーがちょっと音程が狂って、祥子さんは無理やりいろいろ運指を工夫してやりきってしまいました。すごい。

e2)I'LL GET WHAT I WANT 超・強気な女 (W、『Romance Sans Paroles』)
これまたリクエスト(これだけ男性)。祥子さんも「そうね、明るくこの曲で終わりましょうか(笑)」。予告通り、明るくこの曲で終了。
レイトショーの後のこの「大盤振る舞い」でしたので、終わった時間は11時をとうに超えていました。慌ててグッズ(ポストカード数枚)を買った後、渋谷駅に戻り、遠征している人の宿舎近くということで、新宿で途中下車して、7名で軽く(?)飲み会。当然のように終電を逃し、タクシーで午前様。会場で会った皆さま、どうもありがとうございました。今度は9月の「Billboard Tokyo」で何人かの方とはお会いすることになるでしょう。その時はまたよろしくお願いします。

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August 01, 2009

zabadak@近江八幡「酒游舘」

090801_zabadak_oumihachiman_016 さて、二日と空けず、またまたzabadakのライヴに行ってしまいました。
今日のライヴ会場は近江八幡の酒蔵を改造したスペース「酒游舘」。実は、この街に来るのは初めてでした。事前に送られてきたチケットに、この近江八幡の観光案内の地図が着いていましたので、僕はその地図の「お勧めコース」のルートをそのまま歩くことに決定。大雨で電車が遅延したりして、思ったより到着するのに手間取りましたが、約2時間ほど古い町並みをブラブラ。この街の目玉はその「古い町並みの保存地区」と「運河」と、ヴォーリス建築物、といえばいいでしょうか。土曜日ということで、観光客も多く、「あ、あれはzabadakのライヴで来た人だな」という人には道中会いませんでした(何となく、判っちゃうんですよね)。
090801_zabadak_oumihachiman_015 開場30分くらい前に酒游舘に着き、そのままライヴで顔見知りになった方と談笑しながら待ちます。
このスペースを経営しているのは「西勝酒造」というメーカーで、近江八幡の唯一の蔵元だそうです(「湖東富貴(ことぶき)」というのがこの蔵元のお酒の名前)。そして、今回のライヴの目玉の一つは、何とここの日本酒なら「飲み放題」というところ。これを結構楽しみに来た人も多いはず。というわけで、定刻に入場です。僕はまたまた整理番号が良かったせいで、最前列の今度は右側に座りました。090801_zabadak_oumihachiman_018 今日はお二人、ということで、左に吉良知彦さん、右に小峰公子さん、という並び。入場して席を確保したら、皆さんすぐに飲み放題の日本酒に走ります(僕もその一人)。どんどん空いていく酒瓶。よもや、これほどのペースとは・・・とここのオーナーも思われたかも知れません(笑)。結構空腹なのにクイクイ飲んで、みんな良い気分になったところで、開演です。
ここから先は、セットリストを書いていきますので、一種のネタバレ、ということでご了承ください。

090801_zabadak_oumihachiman_026 吉良さんは登場してすぐ、一昨日同様足に鈴を巻き付け、演奏開始。最初の曲は
1)平行世界(『平行世界』)
でした。こんなアゲアゲの曲を初っぱなに持ってくるとは、意外。いわゆる「つかみはOK」状態になって、最初のMC。「なんか、えらい勢いでお酒が出ているそうじゃないですか(会場爆笑)。僕も後半、皆さんの仲間入りができるように、ややこし目の曲は前半にやっちゃおうかな(またまた爆笑)」

2)Still I'm fine(『Signal』)
これも、ファンが多い曲ですよね。

3)星ぬ浜(『COLORS』)
この曲、出だしを公子さんがとちって、吉良さんが「・・・飲んでる?(会場爆笑)」。いえいえ、まだこの時点ではお二人とも飲んでいなかったはず。ちゃんと仕切り直しできっちりまとめました。
この曲の後、吉良さんは昨日泊まった宿泊施設のことなどをおおよそ以下のように説明。
「昨日はちょっと琵琶湖の沖島っていうところにある湖上荘というところに泊まったんですが、淡水魚の底力、とでもいうべきものを感じました(笑)。ここで、ふなずしを食べたんですよね。あの、強烈な匂いの。僕は発酵学の小泉武夫先生の本を読んでいて、一度は試してみたいと思っていたんですよね。これがうまくて、結構食べちゃいましたね。仙台ではホヤ、ここではふなずし、ということで(笑)。あんまりバクバク食べるもんだから、宿の人が頭の部分をお茶漬けにしてくれたんですが、これがまたすごい匂いで、小学校の雑巾を思い出しましたが、これが美味いんですよね~」
公子さんは「味覚と嗅覚がこんなに分離しているとは思わなかった。でも、意外とフランスパンとかと合うかも」とおっしゃっていました。

4)夏日記(『Wonderful Life』)
まだ外はこの時点では明るく(天窓があったので、その光も入っていました)、蝉の声が外から聞こえてきました。その声を聞いて、「虫の音を聞くと、野外でやったあのコンサートを思い出しますね(吉良)」「あれは秋だったからアオマツムシが鳴いていて(公子)」と、懐かしくなるトークが。あのライヴにいたのは本当に貴重だったよなあ、と思い出しちゃいました。

5)夏至南風(『COLORS』)
「夏シリーズ」が続きます。二日連続で「星ぬ浜」とこれを聞かされると、沖縄とか、南の島に逃亡したくなります。

6)星の約束(『音』)
『音』の中では、一番好きな歌の一つだな、僕にとっても。

7)光の庭で(『LiFE』)
公子さんが朗々と歌い上げます。

8)Wonderful Life(『Wonderful Life』)
何度聞いても、良い物は良い。
というわけで、ここで前半が終了、休憩に入りますが、みんなトイレ及びタダ酒に群がる群がる(笑)。というわけで、えらく受付周辺が混雑しましたね。

9)遠い音楽(『遠い音楽』)
後半戦は、この曲からスタート。しっとり路線ですね。

10)線香花火(『回転劇場』)
この曲の途中で、ちょっとしたアクシデント発生。ギターとアンプを繋いでいる機械の電池が切れたせいで、音が出なくなり(その前に断末魔のように急に音が跳ね上がって息絶えました)、この曲は最初から仕切り直し、ということになりました。
で、電池交換の間、NO PAというか、急遽umpluged(生音、生声)の展開となりました。公子さんも「まだ声が大きいうちに(笑)」と言って

11)双子の星umpluged version(『賢治の幻燈』)
が始まりました。僕は最前列だったので、後ろの方の音の響きは判りませんが、あれだけの声ですから、多分充分響いたことと思います。公子さんはやっぱり一種の「巫女声」だよなあ、と再確認。吉良さんはバックで、モンゴルのホーミーのような声を出していたので、これまたビックリ。

12)はじめてうたったうたumpluged version(『平行世界』)
これは、客席からリクエストが飛んで、公子さんも「はい、“はじめてうたったうた”、入りましたー(笑)」というようなノリで始まっちゃいました。これがまた、生声と生音で良かったんですよ。酒蔵を改造したスペースですから、こういうのは「実際にあり」だと思いました。この曲の後に電池が交換され、また音が出るようになったのですが、「電気が入っていない方がウケが良いのはどういう訳か(会場爆笑)」と吉良さんはちょっぴりぼやきます。で、吉良さんは日本酒をグラスに注ぎ、「PA復活、かんぱーい」と、何だか判らないまま、我々も乾杯していました(笑)。

13)夕焼け(『平行世界』)
これも最近のライヴでは定番になりつつありますね。
この曲の後のMCで、「今、NHK教育テレビでやっているキモッチというのがあって、あれの絵描き歌を僕が作曲したんですが、阿部サダヲさんが歌ってくれています」とのプチ情報が。

14)この空で会えるよう(『LiFE』、Japanese Version)
「鎮魂の願いを込めて」という公子さんのMCを聞き、襟を正します(酒飲んでヘロヘロだったけど)。

15)Deir Paider(『IKON』)
この曲、のらざるを得ませんよね。

16)夢を見る方法(『遠い音楽』)
続けてこの曲!!もしかして、誰か立ち上がらないかな、と思ったのですが、椅子の間隔が狭い会場だし、お酒も飲んでいたせいでしょうか、手拍子で盛り上げます。
この曲で一旦本編終了。もちろん、僕らはアンコール要求の手拍子。すぐにお二人は戻ってきて、またまた定番中の定番、これをやらなきゃ、みんな納得しないというか、終わった気がしないといわれるこの曲がスタート。

e1)Easy Going(『Welcome To Zabadak』)
またまた間奏部分で「♪アーアーアーアーアーアーアーアー♪(ファンの皆さんは判りますよね)」と声を出しまくり。

e2)小さい宇宙(『私は羊』)
そして最後は、このしっとりした曲で締め。

その後はどうなるかな、と思ったのですが、遠方から来ている人がほとんどで、電車の時間を気にする人が多く、そそくさと皆さん会場をあとになさいました(もうちょっと僕としては余韻を楽しみたかった)。で、結局ライヴで知り合ったU田さんと僕は京都の街に消えていったのでした・・・(U田さんの行きつけのバーに連れて行ってもらいました。感謝)。

吉良さん、公子さん、この二日間お疲れ様でした。近江八幡とか、郡上八幡とか「全国八幡巡り」も良いですが(笑)、また近いうちに関西のアクセスしやすいところにいらしてくださることを願っております。

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July 30, 2009

zabadak@Osaka Muse

090730_zabadak_muse_001 相変わらずのライヴレポです。今日行ってきたのは、zabadakのライヴ。4月初頭の渋谷のライヴ以来です。場所は大阪心斎橋の「Osaka Muse」。 このライヴハウス、僕は本当に久しぶりです。前に来たのが何と、19年前の1990年8月の、このzabadakのライヴなのです。大学入学で上京して初めて行ったライヴが、今は亡き日清パワーステーションでのzabadakのライブ(1990年6月)、そしてその延長のライブを追っかけて帰省したんだよなあ、と年寄りらしく感慨にふけります。
今日のメンバーは吉良知彦さん(G,V)、小峰公子さん(V,Aco)、難波弘之先生(Key)の三人編成。

090730_zabadak_muse_005 さて、僕は早めに心斎橋に着き、一応ライヴハウスの場所を押さえるために下見に行き、すんなり見つけて安心した僕は、ライヴ前に軽く腹ごしらえをすることにしました。どこか適当なところはないかな、と周辺をうろうろしたら、ある文字が目に入りました。それは「KARAKU(果楽)」。思わず目を疑ったのですが、末尾に「U」がちゃんとあります。フルーツパーラー兼カレー屋さんのようで(夜は結構お酒も飲めそうなところでした。つまみにこれだけドライフルーツの類がある店は少ないと思いますが)、この店の名前に運命を感じてしまったので(笑)、僕はこのお店に入り、タイカレーセット・ミックスジュース付きを食しました。
090730_zabadak_muse_002 食べ終わった時、まだ開場まで時間がありましたが、うろうろしていてもしょうがないと思い、およそ開場30分前にMUSEに戻り、まだ並ぶのは早いと思ってビルの一階の外で一人携帯とかをいじって時間つぶしをしていたら、ここでハプニング(事件)発生。何と、ラフなカッコをした吉良さんがお一人で登場(外で買い物でもして帰っていらしたのでしょうか?)。慌てて僕も帽子を取り「きききき吉良さん、こんにちは」と思いっきり挙動不審な挨拶をしてしまいました。吉良さんは「こいつ、何か見覚えあるかも」と思ってくださったのか、鷹揚に「あれ、まだ開場始まってないの?」とおっしゃり、僕は「ああああと30分後くらいです」とお答えしました。「こんな(ラフな)カッコでごめんね、また後で」と颯爽と吉良さんは楽屋の方に・・・。いやあ、早く来て良かった(笑)。
開場は時間通りに始まり、僕は番号が良かったので、最前列の左側に座ることができました。舞台は機材から左から難波弘之さん、吉良さん、公子さんと判りました。僕は難波さんと吉良さんのちょうど中間あたり。僕の後ろには、以前京都のRAGでのライヴで顔見知りになった方がいらしたので、一年ぶりにご挨拶。ドリンクチケットを缶ビールに替え、飲みながら周りの席の方と喋っているうちに開演です。吉良さんは足に鈴をつけ、ギターのチューニングを始めます。
以下では、セットリストを書いていきます。一応ツアー途中の「ネタバレ」要素も含みますので、ご承知おきください。

1)Prologue(『賢治の幻燈』)
吉良さんが登場したとき、片手にリコーダーを高く掲げていたので、どうしたのかな、と思ったら、この曲で吉良さんはリコーダーを!そして曲の中間では、何と吉良さんの朗読が!これにもビックリ。朗読されたのは、以下のものです。

 わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
 またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。
 わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。
 これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。
 ほんとうに、かしわばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかったり、十一月の山の風のなかに、ふるえながら立ったりしますと、もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。
 ほんとうにもう、どうしてもこんなことがあるようでしかたないということを、わたくしはそのとおり書いたまでです。
 ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでしょうし、ただそれっきりのところもあるでしょうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。なんのことだか、わけのわからないところもあるでしょうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。
 けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。(注文の多い料理店・序)

公子さんは鉄琴、というかグロッケンを。このライヴでは、このグロッケンが大活躍(僕も欲しくなった)。

2)Still I'm Fine(『Signal』)
2曲目は爽やかなこの曲を。

3)星ぬ浜(『COLORS』)
おお、夏らしい、というか、沖縄だー。吉良さんはギターの前面に三線をおいて弾き、「ダブルネックです(嘘)」と言いつつ、ギターと三線両方を弾いてしまいました。公子さんはヴォーカル及びティン・ホイッスル。

4)COLORS(『COLORS』)
一転して、しっとりしたこの曲を。

5)はじめてうたったうた(『平行世界』)
これは、ライヴで映える曲だと思いました。
この曲が終わったとき、MCで吉良さんが「今回は、時々夏っぽいものが混ざります(笑)」と言い、公子さんが「次のもそうだよね?」と言って始まったのが、

6)夏至南風(『COLORS』)
でした。再び沖縄フレーヴァーの曲。この曲の後半部の盛り上がりは見事。持って行かれました。

7)線香花火(『回転劇場』)
というわけで、「夏」シリーズは続きます。でもこの曲を始める前に「あれ、これはどーゆー組み合わせだっけ?」と吉良さん。コーラスパートとかのことなのか、自分と公子さんを指さして「こうでこうだよね」難波先生も「そうそう」、我々観客から笑みがこぼれます。
この曲を終えて、吉良さん曰く「実は、今日、吉良家は車で来たんですが、凄い渋滞につかまって、時間には遅れるわ、大阪に着いても大阪の道が判らないわで、結構オタオタしてしまいました。40過ぎてここまでオタオタしたのは初めてかも(会場爆笑)」とのことでした。こうやって会場を和ませておいて、難波先生のキーボードと公子さんのグロッケンで何が始まったのかと思ったら、

8)Wonderful Life(『Wonderful Life』)
でした。いやあ、この曲、僕は本当に聴けば聴くほど好きになっていきます。のめり込むように、と言うと大袈裟かも知れませんが、そんな気持ちです。ここで前半が終了、一旦休憩に入ります。

さて、十数分の休憩の後、後半が始まりました。そして、一曲目は何と、
9)桜(『桜』)
でした。我々観客は、全身を耳にして、という感じで聞き入ります。何度聞いても、この曲は素晴らしい。昨年のソロツアーでこの曲をお一人でやろうとして、自ら「無謀な試み」とおっしゃっていた吉良さんでしたが、今回は3人。もう、陶然としてしまいました。そしてこの曲に続いて

10)樹海―umi(『平行世界』)
が演奏されたのに、僕などはビックリ。だって、「桜」と言いこの曲と言い、そんなしんどいことを立て続けに・・・と思うのが素人。やはりプロは違います。4月に渋谷で聴いたときは、この曲はまさに音の圧力で圧倒されましたが、今回は難波さんの流麗なアレンジのイントロから始まり、一瞬何が始まったのか判らなかったほどです。
この2曲の連続が、僕としては最も鳥肌ものの展開でした。
でも、終わった後にさすがに「やる度に、違う演奏になりますよね(笑)」「やはり3人では無謀」との本音が(笑)。

11)平行世界(『平行世界』)
でも、そういいつつ、またまたアゲアゲのこの曲をやっちゃうんですから、すげーよなー。で、この曲が終わって吉良さんが堪らず「告知で休もう」と提案(笑)。まずは難波先生から告知があったのですが、8月、9月の関西でのスケジュールをど忘れしたみたいで、結局「ホームページみてね」ということに・・・。吉良さんも「今度関西で、Caramalboxの「風を継ぐ者」の再演、やるんですよね、場所と期間は・・・いつどこでだっけ」とこっちもグダグダ(笑)。結局観客席から正しいインフォメーションがなされて、事なき(?)を得ました。

12)旅の途中(『平行世界』)
13)夕焼け(『平行世界』)
最新アルバムから結局3曲連続になりましたね。「旅の途中」はやっぱいいなあ。「夕焼け」も毎度の事ながら、沁みる歌ですね。

14)この空で会えるよう(『LiFE』、Japanese Version)
おお、これはレア。しかも日本語ヴァージョンです。元々この曲は「満洲」で亡くなった人たちを供養する地蔵を建立するときに作られた曲です。

15)雲の言葉(『回転劇場』)
どんどん音階が登って、こっちのテンションもゆっくり上昇させられます。

16)休まない翼(『桜』)
これ、もしかして結構久々じゃないでしょうか。ばあっと、目の前が開けていくような、そんな曲。これ、聴けて良かったあ。
この曲の後、難波さんから「実は今、タマホームのキムタクが出ているCMで、Deep Purpleの曲のオルガン弾いているのは僕です」との情報提供があり、何でもタマホームの偉いさんに、Deep Purpleの熱烈なファンがいて、彼がギターの音にダメ出しをしまくったとのこと。その難波さんのお話のBGMに吉良さんがしっかりDeep Purpleの曲をつま弾いちゃうから笑っちゃいました。
さて、ライヴもラストスパートの雰囲気に。

17)Deir Paider(『IKON』)
シャンシャン手拍子足拍子、って感じで、僕も思わず手拍子と足を踏みならしてしまいました。でも、実はこの曲「せーの」で入ろうとしたら、吉良さんが「ごめん」と細かいチューニングのやり直しを始めてストップ。公子さんもアコーディオンで「はらほれひれはれ」といった感じの音を出したので会場爆笑。

18)Tears(『Something In The Air』)
「一応、これで最後の曲です」と吉良さんが言うと、当然我々は「笑っていいとも」の客のような反応をするわけですが、「明後日また来ますから」と公子さんが言ったので爆笑(明後日は近江八幡でのライヴです)。締めはCaramalboxでもよく使われた名曲のこれ。

我々のアンコール要求の拍手で3人が戻ってきてくださり、やはり定番のこれが演奏されました。
e1)Easy Going(『Welcome To Zabadak』)
我々も総立ち。そして、よく調教訓練されている我々は、息の合った「合いの手」を入れます(毎度の事ながら、気持ちいいなあ。個人的には、この息の合い方は、矢沢永吉ファンのタオル投げに匹敵すると思っています)。吉良さんが促すので、この曲だけはみんなはじけまくり、声出しまくり。
またまた皆さん一旦引っ込んで、今度は吉良さんと公子さんだけが出てきて「ごめんなさい、一人減ってしまいました」と笑わせておいて、しっとりとした

e2)遠い音楽(『宇宙のラジヲ』)
で本当のラストでした。

なんだかんだで、しっかり2時間半ほど。平日、ということもあって、みんな足早に帰ってしまい、会場は急激に寂しくなりました。僕もアンケートを出してそのまま帰宅しました。ちょっとお酒が飲めなかったのは残念でしたが、仕方ありませんね(このブログ書きながら一人で泡盛飲んでますが)。
とにかく、明後日もあるのかと思うと、自然と顔がにやけてしまいます(今日お会いして喋った皆さんもほとんど明後日再会することでしょう)。この興奮は、まだ続く・・・。

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July 25, 2009

観察映画「精神」@京都シネマ

090725_seishin_001 本日は、京都シネマに、想田和弘監督の観察映画第2弾「精神」を見に行きました。このブログでは以前、想田監督の「観察映画」第1弾の「選挙」の感想を書いたことがあります(これもかつて京都シネマで上映されたのでした。これも傑作。DVDもあります。未見の方は是非)。

前も書きましたが、想田さんは、僕の大学時代のゼミの先輩で(そのゼミの指導教官だった島薗進先生が、今回のこの「精神」に推薦の辞とエッセイをパンフレットに寄せていらっしゃいます)、今回の映画も、ずっと楽しみにしていたのでした。何人かに声を掛けたのですが、みんななかなか忙しく、結局僕に付きあってくれたのは、元僕のゼミ生のT野さんとそのお友達、そしてmixiで知り合っていたkijiqさんの3名。この映画は現在全国にどんどん広がって上映されつつありますが、各マスコミにも取り上げられ、前評判も高く、公開初日の今日と二日目は監督の上映後の「ティーチ・イン(質疑応答)」もあるというので、大盛況でした(「選挙」の時と比べて、若い人たちが予想以上に多かった、というのは、この映画の内容のせいでしょうね)。僕も用心して、早めに行ってチケットは確保。二回目の上映を拝見しました。以下ではその感想を述べますので、「ネタバレ」になりますのでご了承ください(といっても、細かい内容には触れません)。

さて、この映画はタイトル通り「精神」を焦点にしたものです。しかし「精神病」ではないことに注意すべきでしょう。確かに、扱われているのは、精神を病んだ人たちが集う施設の中の出来事なのですが、その世界は、驚くほど「健常者(本当の完全な健常者など、この世にはいませんが)」の「隣」にあることがこの映画を見ると判ります。そのような意味も込めてのタイトルなのだと僕は納得しました。そして、そのような「隣」にある世界なのに、カーテンを引いたかのように見えなくなっている世界。この映画は、そのカーテンをそっとよけて、その隣の世界で繰り広げられている「共苦共感世界」を覗かせてくれるものになっていると思いました。「共苦共感世界」とは宗教やセラピー、カウンセリングの現場で「癒し」に向かうために形成される状況を指しますが、想田さんのカメラは、一見冷徹そうに見えて(事実、冷徹な部分もあるのですが)、その世界をしっかり記録していたと思います。

そしてこの映画が扱った「こらーる岡山(コラールとは「合唱の意味」)」は、この施設を作った山本昌知先生の個性(カリスマ、といっても良いかもしれませんが、押しつけがましいところがないところが却って凄みを感じさせます)もさることながら、古い民家を改造したその開放的な佇まいといい、それ自体が現代の精神医療のあり方を鋭く告発しているようにも思えました。パンフレットに辻信一先生が書いている「あの老医師のいる古民家の懐かしい病の風景が、きっと、まともな世界への入り口だ」という言葉は、本当に的確な言葉だと思いました。

そして、特筆されることは、想田さんが「モザイク」やテロップ、ナレーションなどを排除した方法で撮影していることです。この手法は第1作目の「選挙」から徹底しており、ご本人もそれを「観察映画」と名付けていますが、いわば、想田さんのカメラが切りとった、未調理の生肉のような素材を目の前に差し出されて「さあ、ご自身で調理してみてください」と観客たる我々は迫られることになります。これは、ある意味観客に非常に緊張を強いるもので、内容も内容だけに、僕自身も見終わったとき、ぐったり疲れました(笑)。しかし、この方法こそが想田さんの映像の「肝」でもあります。

さて、僕と想田さんはともに宗教学という学問を学びましたが、それから少し話を広げたいと思います。宗教学や社会学、文化人類学などには「参与観察」とか「フィールドワーク」というものがあって、要するに「現場」に取材しに行き、論文を書くということがよくあります。この「現場」というのも千差万別で、「どうぞどうぞ」というところから、よそ者はシャットアウトというところまであり、時には自分の身分を偽って潜入する、ということも過去には行われました(最近は滅多にないですけど)。そこで重要なのは、「対象に入れ込みすぎず、とは言っても突き放しすぎず」という関係性をどう保つか、ということです。これがなかなか難しく、いつまで経ってもこの手の学問の方法論上の難点になっています(最近は自分の立場性positionalityに自覚的であれ、というところで何とか落ち着いていますが)。

090725_seishin_006s 想田さんの御著書『精神病とモザイク―タブーの世界にカメラを向ける』(とりあえずamazonへのリンク)に書いてありますが、想田さんは、まさに「参与観察」で卒論を書いていているんですよね(p.78)。僕などは前回の「選挙」の時も、「想田さんは素晴らしいフィールドワーカーだなあ」と感心して見ていましたが、想田さんが述懐しているように「実際、『選挙』で被写体になってくれた人々は、僕が驚くくらい、カメラの存在を無視、あるいは無視しているかのように振る舞ってくれた(p.73)」とあるように、想田さんは自分をほとんど消して、被写体に過剰に肩入れなどをせず、突き放した撮影ができたと思うのですが(一番僕が「選挙」で感心したのは、車の後部座席から淡々と、主人公夫婦のケンカの様子を撮影したシーンです。あれを見て「想田さん、ひどいなあ(笑)」と思ったものです)、さすがに今回のこの「精神」ではそうはいかなかった(先に、患者さんの語りに感情移入して精神的に参ったのは、撮影の補助をしていた奥様の方だったそうですが)。そこが第一作と第二作の最大の違いだと思います。同じ「観察映画」といっても、今回の「精神」はどうしても想田さんと患者さんたちとの相互作用(interaction)がにじみ出てしまう。想田さんに「フライ・オン・ザ・ウォール(p.73)」であることを、撮られている側が許さない。でも、想田さんの映像はいわゆる「お涙ちょうだい」というような方向には決して流れず、我々観客をある意味ずっと「居心地」の悪い気分にし続けることに「成功」しています。そこが、この映画の最大のポイントだと思います(特に、ラストシーンの「居心地」の悪さったら!)。ということで、僕と同行した皆さんも、良い意味で「モヤモヤ」を抱えたまま帰宅することになりました。「勉強になりました」とか「感動しました」というような安易な言語化を許さない作品であったことは間違いありません。

090725_seishin_004s 上映後の質疑応答でも、あらかじめ大体のストーリーを考えて組み立てるテレビの報道番組とは違うのだ、ということを想田さんは強調していました。そのやりとりを聞いて、あらかじめ練られたストーリーやテロップのある通常のテレビ番組は、なんて「飲み込みやすく加工してくれているんだろう」との思いを新たにしました(その努力が全て悪いというわけではないんですよ。でも、感動や感想はどうしても水路づけられてしまうのは避けられません)。質疑応答のあとは、本やパンフへのサイン会。僕も当然並んで、あらかじめ買って読んでいた御著書にサインをしてもらいました。想田さんは僕の顔を見るなり「変わってないねえ」と言ってくださいましたが、僕から見れば、想田さんの変わらなさも驚異的(笑)。想田さんが卒業して以来の再会ですから、何と16年ぶり。長蛇の列なので、落ち着いて話すことはできませんでしたが、しっかり記念撮影。その後同行してくれた皆さんと一杯飲んで色々感想を語り合い、帰路につきました。

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May 14, 2009

『映画で学ぶ現代宗教』発売!

こちらのブログはご無沙汰しております。
今日は完全に「宣伝(営業)」モードのエントリです。

Eiga_syukyo 今月に、弘文堂から『映画で学ぶ現代宗教』という本が刊行されました。これは國學院大學の井上順孝先生を編者として、僕を含めた宗教研究者が、宗教をモチーフとした映画、宗教の知識があるとより一層鑑賞の際に深みが出るであろう映画を82本選び、ネタバレにならない程度に(といっても、多少のネタバレは仕方ないのですが)解説した、映画ガイドブックです。なお、個々の映画紹介の他に、数本概括的なエッセイも収録されています。

僕自身は、韓国関係の映画を5本紹介しています。アイウエオ順に紹介しますと、(1)親分はイエス様(ヤクザがキリスト教信仰に目覚め、改心していった実話をもとにしたもの)、(2)開闢(韓国の新宗教、東学2代目教主崔時亨を主人公とした映画。林権澤監督)、(3)祝祭(老母の葬式に集う人々の群衆劇。これも林権澤監督)、(4)達磨はなぜ東へ行ったのか(仏教を静謐な映像で切り取った「公案」のような映画。昔、岩波ホールで上映されました)、(5)ハラギャテイ(運命に翻弄される尼僧を主人公とした映画。これまた林権澤監督)、を解説しております。

僕の他の先生方が様々な地域の映画を紹介されているので、映画そのものがお好きな方はもちろん、「映画を講義で活用してやろう」とお考えの大学関係者の皆さんにもお勧めできるものだと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

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April 05, 2009

Zabadak @ duo Music Exchange

0900405_zabadak_005 桜が満開のこの時期、東京に赴きライヴに行ってきました。
今日行ってきたのは、わが愛しのzabadakのライヴ。今回のライヴは2月に発売されたニューアルバム『平行世界』の、いわゆるレコ発ライヴ。場所は東京渋谷の「duo Music Exchange」。この周辺に来るのは本当に久しぶり。BUNKAMURAは、渋谷から駒場へ向かう道筋なので学生時代よく通り過ぎましたが、左折して坂を登ることは少なかったのです(そりゃそうですね。あの界隈は特別な目的がない限り行きませんよね)。そう言えば、後にCDとLD化されたシアター・コクーンのライヴからもう18年か…(遠い目)。感傷に浸りながら少し早めに会場に着き、以前にライヴやネット上で知り合った方々と談笑しているうちに開場です。

今日のメンバーは吉良知彦さん(G,V)、小峰公子さん(V,Aco,ヨロズニスト←さまざまな道具を駆使するところから)、難波弘之さん(Key)、吉田誠さん(B)、楠均さん(Dr)という5人編成。ステージの位置は、客席から見て左から難波さん、吉良さん、吉田さん、公子さん、楠さん。僕は何と最前列の吉良さんのはす向かい。今日は名曲「Poland」のリコーダーパートをみんなで吹こう、という企画があり(先週の大阪でのライヴでは既に成功を収めている、との情報あり)、僕もしっかりソプラノを持参してきましたが、こんな前で「ボヘッ」とかやったらどうしよう、とプレッシャーがかかります。こんなに緊張するライヴ参加は久々だ(笑)。てなわけで、ジントニックをほとんど一気飲みして、アルコールの力を借りて緊張を解こうとしましたが、無駄でした。灯りが落ちて、ニューアルバムのラストを飾る「クロアゲハ」が流れてきて、いよいよ始まるという緊張感と期待感が高まります。この曲が終わるのと同時に、メンバーの皆さんが登場。挨拶無しでいきなりスタートです。

1)樹海-umi-(『平行世界』)
この曲、ニューアルバムの1曲目なんですが、すごく持っていかれる曲です。それを生で聴けるとは!!冒頭からすごい音圧!!イントロが始まった途端、テンションが自分でも笑えるくらいにアップしました。

2)Freedom(『平行世界』)
この二曲の流れはアルバムの順序通り。この歌、歌詞を読む読むとなかなか考えさせられるんですよね。

3)一番好きな時間(『平行世界』)
この歌を聴き終わる前に既に乾杯して、一杯目の酒を飲み干しておりました。済みません(笑)。

ここで初めてのMC。「こんばんは。今日はお日柄も良く、桜も咲き、ミサイルも飛び(笑)、降水確率をものともせず(吉良さんは雨男としてファンの間では有名。今日は誰のおかげかは判りませんが、快晴でした)、今宵楽しい時間を過ごそうではありませんか!」と汗っかきの吉良さんは汗を拭き拭き。僕らは勿論拍手で応えます。

4)はじめてうたったうた(『平行世界』)
次は公子さんのヴォーカルのこの曲。この曲を生で聴くのは二回目(一回目は去年の京都でのDarieさんのライヴ)。黒ずくめの衣装のせいもありますが、公子さん、ますますシャーマンっぽい雰囲気だと思ってしまいました。足下から響くような声。

5)旅の途中(『平行世界』)
アニメ「狼と香辛料」の主題歌のセルフカヴァー。アルバムでも出色の出来の曲だと思います。特にサビの部分の吉良さんと公子さんのハモリはアルバム同様聞き入ってしまいました。吉良さん曰く「このアニメのセカンドシーズンが始まるということですが、残念ながら(主題歌の)話はいただいていません(笑)。」

6)平行世界(『平行世界』)
アルバムのタイトル曲でもあるこの曲、一転してハードにどんどん迫ってきます。
この曲を弾き終えて、吉良さんは汗をぬぐいつつ「暑いんで、メンバー紹介します!(笑)」

「楽譜集の監修をしてくださった、難波弘之さん!」相変わらず、難波先生はお若い、というか、若すぎます。山下達郎のライヴにも参加されていて、「今日でライヴ4連チャン」とおっしゃっていました。すごすぎる。難波さんご自身や大物ロック・アーティストの「証言」を集めた本『証言!日本のロック70's』というのが今度出るそうで、その宣伝もなさっていました(詳しくは、難波さんのホームページ参照)。
「谷根千に詳しくて、時々おみやげで飴などをくれるベース、吉田誠さん!」吉田さんは以前大阪に行ったときに体調を壊して良いイメージが持てなかったそうですが、先週のライヴでそういうネガティヴなイメージが払拭できたそうです。大阪出身者として嬉しいです(笑)。
「いつも健康的に不健康な、ドラム、楠均さん!」吉良さん曰く「不健康なのが最早普通の状態」といわれた楠さんは、実際先週の大阪のライヴでも声が出ないなど体調は最悪だったそうで、「八面六臂の活躍をなさり、なおかつお酒もすごい難波さんを尊敬します」と言っていて笑えました。お大事に。
「ヨロズニスト、小峰公子!」ヨロズニスト、というのは、アコーディオン、リコーダー、ミニ鉄琴、鈴などさまざまな楽器を駆使する公子さんに先週から付けられた称号だそうです。公子さん曰く「何故かニが入る(笑)。ヨロズイストじゃなくて」公子さんは、別にやっているバンドのライヴ告知をいくつか。
「最後は、これから色々忙しくなるお母さんと違って暇になる吉良知彦」と自己紹介。

7)夕焼け(『平行世界』)
しっとり、の曲ですね、公子さんの鉄琴が良い味を出していました。

8)Pulse(『平行世界』)
10分越えのインスト大作。もうこれも圧巻、としか言いようがありません。公子さんが撮影した写真を元にした映像が背景として流れていきます。終わった瞬間吉良さんがつい「上手く行った」と呟くほどの熱演。難波さんはこの曲で「やり終えた感」があったのか、帰り掛けて「あ、まだ2曲あるんだっけ?」ときびすを返します。

9)Wonderful Life(『Wonderful Life』)
来ましたよ。泣かせる名曲。難波さんが弾くイントロが素晴らしかったです。

10)生まれては別れにむかうわたしたちのために(『Wonderful Life』)
連続で、泣かせにかかるこの組み合わせ。観客も一音も聞き漏らすまい、という心地よい緊張感が走りました。ここで一旦難波さんと吉田さんが退場。3人(トリオ)によるコーナーがスタート。

11)星の約束(『音』)
おお、懐かしい曲。

12)光の庭で(『LiFE』)
公子さんが朗々と歌い上げます。

13)遠い音楽(『遠い音楽』)
ファンには説明不要の名曲。トリオによる3曲はじっくり聞かせるタイプの曲でしたね。
ここで再び難波さんと吉田さんが戻ってきて、いよいよ観客参加のスタートです。公子さんがリコーダーを高らかに掲げ、我々は鞄からゴソゴソそれぞれ笛を取り出します。

14)Poland(『Water Garden』)
いやあ、緊張しまくりました。これだけステージを見なかった事は未だかつてなかった(笑)。自分の指と入り口で配られた楽譜と、リコーダー付属の運指表しか見てませんでした。いっぱいいっぱい
で、結果といえば・・・自分でミスったと思ったのは約2ヶ所、最後の高音部は「敵前逃亡(笑)」して、「エア・リコーダー」してしまいました。ヘタレで済みません。また、僕の失敗を聞いてしまったかも知れない周囲の方々にも、この場を借りてお詫び申し上げます。でも、予想以上にみんな上手い!今後も精進します。吉良さん曰く「もう、任せて良いよね。ステージ上はどんどん楽になる(笑)。みんな年取ってきたし(会場爆笑)。いっそのこと、他の楽器も任せて、我々はステージで笑っているだけとか(笑)」おいおい。

15)僕のビー玉(『Colors』)
バンドだと、こんなズンズンした音になるんですねえ。

16)ラジオ・ステーション(『平行世界』)
ニューアルバムでも、僕が結構好きな曲。

17)永遠の森(『はちみつ白書』)
この曲がすごかった。ほんと「声の限り」歌っちゃいました(最前列で、自分の声が聞こえないほどだったのを良いことに)。吉良さんもマイクスタントから離れて、ステージの端まで寄ってくれて(僕から直線距離1m)、つい立っちゃいました。前列だけでなく、全体がスタンディング・・・とは行かないところが、シャイかつ高年齢層が多いザバファンの定めか(笑)?でも、ほとんどの人が立っちゃいましたねえ。

以下はアンコールです。
e1)駆け抜ける風のように(『風を継ぐ者』)

e2)わにのゆめ(『Water Garden』)

e3)Easy Going(『Welcome to Zabadak』)
この三曲は、ほんと怒濤の勢いで、僕もメモ取るのも忘れて立ち上がり、手拍子しまくり。吉良さん自身も過呼吸気味になったそうですが、我々観客も同様です。ぼーっとしたまま、「会場整理しますんで、外に出てくださーい」という会場スタッフに追い立てられるように退場。
0900405_zabadak_011 入り口の外でファンの皆さんとだべったり、アンケートを書いているうちに、何と難波さんと吉良さんがお出まし。というわけで、自然発生的に(というか、ファンが強引におねだりして)、サイン会(&握手会)がスタート。僕もしっかり、楽譜集にサインしていただきました。こういう事もあろうかと、自宅から楽譜集持ってきて良かった。そして、サイン用のペンを用意していたナゾベームさん、ありがとうございます。みな、ご相伴にあずかることができました。
その後は、近くの居酒屋で軽く打ち上げ(12名参加)。ご一緒させていただいた皆さん、ありがとうございました。またどこかのライヴ会場でお目にかかりたいと思います。
僕の言いたいことはただ一つ、「一生ついていきます、吉良さん」ということです。(笑)。

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March 24, 2009

はなむけの言葉

みなさん、ご卒業おめでとうございます。
早いもので、僕もこの大学に赴任して丸7年、つまり卒業式も7回見たということになります。皆さんにとっては一生で一度、我々教員にとってはある意味「ルーティーン」な出来事です。ですから、実は皆さんに申し上げる言葉もありきたりというか、毎年同じ事になります。

一つ目は、いかに我々教員が君たちの指導に苦労したか、ということ。幸いに、というか、不幸なことに、楽した学年なんてものは存在しませんでしたし、これからも存在しないでしょうから「あの時君は・・・」というネタは、いわば定番メニューです(毎年言っていますが、結婚式の時のスピーチを僕にやらせるときは、それ相応の覚悟をしておいてください)。
最近のことで言うと、勿論卒論の苦労がありましたね。今年も例年の如く指導に色々苦労しましたし、口頭試問で矢襖になって討ち死にした諸君も多く、僕まで巻き添えというか、いやはや大変でした。今年は特に「最後にはどうにかなる」と楽天的に考える僕の悪い癖を真似てしまう諸君が多かったのですが(僕を慕ってくれたのは嬉しかったのですが、こんな悪い癖まで真似しないで欲しかった)、社会に出たら、もう少し慎重になった方が良いかもしれません。

二つ目は、大学時代に学んだことを大事にし、大学時代の友人を大切にして欲しいということ。大学時代に学んだことは、社会に出てすぐに役に立つような「テクニック」ではありません。特に皆さんの学んだ文学部ではそうですが、根本的なことを学んだことは間違いありませんので、その点は自信をもってくださって結構です。資料を集めて、それを整理し、筋道を考えまとめる、という作業は卒論で(出来不出来はあっても)成し遂げたはずです。こういう事は、社会に出ても「やることは一緒」です。
友人を大切にしろ、なんて僕などから言われなくても、皆さんは実行なさると思います(特に、君たちの学年は仲良かったしね)。でも、年を取れば取るほど、若い時代の友人というのはありがたくなってきます。実は先日、大学時代の同級生が旅行の途中だと京都に立ち寄り、彼と久闊を叙したわけですが、会った瞬間に「俺・お前」「馬鹿言うんじゃねーよ」「お前も偉そうに」などとぞんざいな口をきける友人というのは、本当にありがたいです。社会に出たら、君たちも否応なく摩擦係数の小さな言葉を選んで生活しなければならないのですから(僕だって、同僚と喋るときは気を遣っていますよ。もしかしたら先生方で「あれで川瀬は気を遣っているの?」と目を剥く方がいらっしゃるかもしれませんが)。そうそう、自分を批判してくれる友人というのは、本当に一生の宝ですよ。大学というのはそういう友人を作る場所だと言っても過言ではありません。

三つ目は「元気でいてください」、ただこの一言です。もちろん、皆さんが社会に出て、第一線でご活躍なされば、「出藍の誉れ」と僕たち教員も鼻高々ですが、数年後に「最近調子はどう?」「まあまあです」という当たり前の会話が交わせられれば、充分です。

皆さんのご多幸をお祈りします。

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