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June 01, 2004

膝を打った言葉達

今日は、僕が毎月買っている関西に関する情報誌『Meets Regional』の発売日だった。
関西生まれとは言え、青春時代(笑)をほとんど東京で過ごした僕は、関西の盛り場などにはとんと疎い。そこで、多少は「勉強」せねばと、この情報誌を京都に来て以来毎月購入している。連載陣に、僕が日頃そのブログを読んで尊敬している内田樹先生などがいることも購入の理由だが。
連載の一つに、放送作家の町山広美氏と、マンガ家の松田洋子氏の対談(「花のサンキュー組」という対談)があり(この「意地悪」な二人の対談だから、その毒の程度は想像が付くだろう)、その中で膝を打つ言葉がいくつかあった。今回のお題は「判定(ジャッジ)」なのだが、二人は、イラク人質事件での世論や、某若手芸人の「間違いない!」とか「私だけ?」というネタをもとに、この頃世にはびこる「何でもかんでもジャッジしたがる傾向」を鋭く衝き、「ネットは内弁慶が気楽にジャッジできる世界」だとか「嫉妬しているとジャッジに力が入る」とか「自分でジャッジしているつもりになって安全圏にいて、「世論はこうです」そして「世論に荷担します」ってのが一番ラクチンで鬱憤が晴れて気持ちいい娯楽になるんだよ」とか、思わず赤ペンで○を付けたくなるような鋭い見解があって読み応えばっちりでした。

さて、昨日から、このブログのサイドに、僕自身、よく見に行くお気に入りのブログの一覧を貼り付けているのだが、今日たまたま見つけた「先見日記」というサイトでは(早速一覧に付け加えました)、作家の片岡義男氏が連載を持っていて、非常にクリアカットな論評を書いており、特に憲法問題についての日記には非常に頷くところがあった。引用すると、

 

日本政府がやろうとしている憲法の改正は、あっさりと実現するだろう。そして新しい憲法は、その字面だけをぼんやりと読んでいるかぎりでは、たいそう立派なものとなる可能性は高い。

 改正の理由として、一般的に言ってもっとも説得力があるのは、現行憲法はいまそしてこれからの日本を取り巻く現実に合致しなくなったから、というものだ。この憲法では現実に対応出来ないから改正する。というわけだ。現実に合わなくなったものの典型として、掲げやすいものの代表が、第9条だろう。

 日本は憲法を改正して現実のあとを追う国になる。新たな現実は次々に立ちあらわれる。だから日本は次々に現実を追う国になる。次々に現実を追えば、現実に引きずられる国になるにきまっている。憲法を改正した日本は、現実に引きずりまわされる国となる。

 いまの憲法は占領軍としてのアメリカに押しつけられたものだ、という言いかたがひと頃はかなりの力を持っていた。いまその力は少し弱くなっているようだが、このとらえかたはじつは多くの人の胸の底に、いまも横たわっているのではないか。そしてそれは、いま日本人のみずからの手で憲法を作ってなにがいけないのか、という言いかたに賛成するかたちで呼応する。

 戦後の日本の展開に沿って言うなら、新憲法は世界に向けて日本を解放した、という言いかたがもっとも正しい。憲法としては理想主義に過ぎるのではないか、という言いかたはいまもある。当時のアメリカで頂点に達した感のあるリベラリズムが、自国ですら出来なかったほどに理想的な実験を日本で試みようとしたから、新憲法は理想主義的なのだ。

 崇高な実験、という言いかたをよく目にする。そのとおりだ。そしてそれにふさわしい効果を上げた。戦後の日本を戦前・戦中のそれとくらべてみれば、この両者のあいだにもたらされた落差は、崇高と形容するに値する。現実に合致しなくなったから改正するとは、崇高とすら言われた理想を捨て去ることにほかならない。

全くその通りだと思う。以前から片岡氏の時事評には共感するところが多かったが(『日本語の外へ』など。これは名著だと僕は思う)、今回たまたまこの論評を見て、その思いをますます強くした。昨年に書かれた「物価とは何か」というエッセイも秀逸。

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Comments

ブログ紹介ありがとうございます。なんだか錚々たる中にあって気が引けますね(笑)
片岡氏の日記、昨夜まさにその内容を話していたところです。しかし、同じような内容でも片岡氏が書くとこうも美しくわかりやすくなるのかと思いました。

片岡さんの文章は、時々無機質に響く時もありますが、すとんと胸に落ちる時は落ちるのですね。
僕も今度、こういう憲法論議の時は「現実に振り回されるぞ」と言ってみようと思っています。

INTERNET JIDAI, JOHO-SHI MO KAWATTE YUKU NO
DE SHOUKA. "PIA" TOKA KAWANAKU NARIMASHITA. DAIGAKU NI HAITTA KORO WA HANAKO YA SPA! GA ZENSEI DESHITA NE!

『Meets』という情報誌は、勿論美味しい食べ物屋さんや服屋さんなどの情報も載せていますが、結構変わった論説を載せる特色ある情報誌なのですよ。そこが気に入っているのですが。まあ、時々鼻持ちならないけど(笑)。
確かに、ネットで色んな情報を得ることができるから、『ぴあ』とか、『Meets』の親雑誌に当たる『エルマガジン』とかはなかなか買わなくなりましたね。ネットでは得られない情報、というのは一体何か、と考えると、結構悩んでしまいます。

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