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June 17, 2004

「愛国心」を盛り込むとは

タイトルでお判りのように、今日は教育基本法についてのメモ書き。

昨日の朝日新聞の夕刊によると、与党(自民・公明)は、今まで改正(改悪、といいたいところだが)案に「愛国心」という言葉を盛り込むか盛り込まないかで色々と揉めていたようだが、結局両党の意見を併記する事でけりを付けた、との中間報告が作成されたそうだ。
結局対立をうやむやにしてしまったとの印象は否めない。個人的には、「信教の自由」とか「思想・信条の自由」とかも絡めて、公明党にもうちょっと粘って欲しかったところだが、仕方がない。

結論から言うが、僕はこの改正(改悪)には反対。というのも、愛国心なんてものを測る尺度はそもそもないのだから。過剰な愛国心が何も生み出さず破壊的であった、というのは第二次世界大戦が教えてくれた教訓で、一番判りやすいものではなかったのか?それに、「尺度がないなら作ってしまえ」とばかりに、例えば「君が代をどれくらいの声量で歌っているか」を測るような、たわけた「尺度」が次々と「発明」されて、教育現場が無茶苦茶になると思うからでもある。一体、「愛国心」を基本法に盛り込んで何をしたいというのか、それが僕にはよく判らない。
それは、内田樹先生が東京都教育委員会の「日の丸・君が代」をめぐる大量処分事件について「あなたがたはこのような処分を敢行してまで、「何を」実現しようとされているのか?」と問うてらっしゃるが、ほぼ、その気持ちに近い。このような法律改正や処分は決して「愛国者」を産み出しはするまい。

でも、僕がこの改正に反対する最大の理由は、「愛国心」と「統治機構」を愛することを、自民党側はどうも意図的に混同している、という点である。例えば、僕は今の小泉首相は嫌いだが、日本という国を愛している自信がある。ナショナリズムと言うより、パトリオティズム(愛郷)が自分の中に存在することを、否定出来はしないというのが僕の実感である。でも、もしも僕が小学生や中学生だったとして、「愛国の見地からして、今の小泉首相は良くないと思います」と作文したら、恐らく10段階で5以下は免れないだろう。自分の子供がそういう悔し涙にくれることすら想像できる。

別に僕は教育の成果でも何でもなく、日本という国を愛していると思う。僕みたいなのを「愛国者」だと向こうさんが認めてくれないだけなのだが(笑)。まあ、20年以上前から、例えばジャーナリストの本多勝一氏などは「俺の方が愛国者」とか言っていたと思うが、その心情に近いかも知れない(こういう考え方を今一番露骨に出しているのは宮台真司さんだろうか?本多勝一の直系なんて言うと、宮台さんは嫌がるかも知れないけど)。

あと、改憲論者や、この教育基本法改正論者に共通しているのは、法律の文言を変えただけで社会ががらっと変わる(変えられる)という、根拠のない期待である(ついでに言うと、こういう彼等の多くが、歴史教科書を変えさえすれば、生徒の心根が変わる、と期待している単純さがあることも指摘しておこう)。
確かに、憲法も教育基本法も、その政体(政策)の根拠・骨格をなす法なのだから、それが変えられるとがらっと社会制度が変わることはあるだろう。それはそれで怖い。例えば憲法9条が変えられて(もう変えられつつあるが)、ばんばん外国に戦争しに行くような国になったり、基本法に「愛国心」が盛り込まれ、それにまつわる「授業」が新たに設置されるなどの事態は想定されるだろう。僕は法律の文言を変えることに因る「即効性」(改正論者が想定しているような)には、全く否定的だが、長い間(教育とは時間がかかるものだ)じわりじわりと効いて、取り返しがつかなくなる、というのが一番いやなので、「予防」として、今の改正には反対する。

それに愛国心を云々するよりも、教育にお金をある程度掛けて、30人学級を実現する方がどれだけ様々な問題に対して「現実的」か、と僕なら思う(憲法調査会で、小熊英二先生もそういっていたと記憶している)。

まとめるなら、イデオロギー的にも賛同しかねるし、現実問題としても実効性が薄そう(時間を掛ければ、そりゃ嫌でも効果は出てくるだろうが)な今回の改正案には、断固反対である。国を愛することなどは簡単なのだ。その国が誇るに足る国ならば。
ちょっと尻切れとんぼだが今日はここまで。

追記:夕刊を読むと、アメリカ大使館前でイラク戦争反対の「非暴力的」なデモをしていた人が、難癖を付けられて(としか僕には思えない)、警察にでも活動を阻まれているとのこと。「思いやり予算」ならぬ「思いやり警備」ですね。立川での反戦ビラまき逮捕事件の時も「日本はここまで来たか」と思いましたが、最早末期症状かも。こういう事件を見るに付け、与党(特に自民党)が語る「愛国心」の正体が透けて見えるような気がして、本当に気が滅入る。

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Comments

ああ、スーレイマンさんの件はもう末期状態を表してますね。三文小説状態だ……。
もう「戦中」なんですね。

ガメ様

僕も、噂には聞いていたんですが、夕刊で読んでちょっと愕然としました。
これほど恥も外聞もない行動に出るとは・・・。
大昔から「民はよらしむべし、知らしむべからず」とかいっているんなら、民が寄りつきたくなる「徳」を演技で充分ですから、見せつけて欲しいものです。そういう考えもなさそうだものなあ。

「見せかけ徳治主義者」の川瀬

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