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July 06, 2004

卒論題目の相談

昨日、今日と4年生が僕の研究室に何人か訪れた。
というのも、今週末、僕が勤める学科では「卒論題目」なるものを提出して「私はこういうテーマで卒論書くつもりです」という意思表示を夏休み前にする、という決まりになっており、その相談に何人かがやってきたのだった。

だいぶん前から「私はこれっ!!」という感じで力強く決めてかかっている学生は良いのだが、大半は迷いがある。当たり前だ。自分の経験から考えても、この時点で腰が据わっている、という方が珍しかろう。しかし教員としては、そろそろ腰を据えてもらわなくちゃ困る、というのも事実なので、いくつかアドヴァイスする。

僕自身の卒論のことを話すと、夏休み前と夏休み後では、卒論で取り扱おうと思ったテーマがまるで違い、先生に呆れられた。夏休み前は、自分の頭脳のことも考慮せず(笑)「宗教哲学」っぽいネタで書きたいな、などと身の程知らずにも思っていたのだが(今の僕を知る人にとっては意外でしょ?)、脳みそがついて行けなかったことと、ある学者の本を何冊か読んで(ジョン・ヒックというイギリスの学者さんの本です。宗教多元主義の論客として有名)、「これって要するに本地垂迹じゃないの?(彼の宗教多元論は大いなる絶対者が各文化によって違う名前を持っているのだ、というような感じの意見でしたので。もちろんこれは無知な僕の一面的な思いこみに過ぎませんが)」と思ってしまい、一気に熱が冷め(辛酸なめ子さんなら「萎えました」と表現するところか)、このテーマを断念。そしてホームページでさらしているような日本近代宗教史と政教分離に関する卒論を9月あたりからでっち上げてしまったので、「先生なんか、夏休み前からきちんと準備して・・・」というえらそうな説教は到底できないしする気もない。

しかし、うちの学生さん達は真面目。感心する。僕や同級生の卒論に対する態度を思い出しても、彼等の爪の垢を呑むべきなのは明らかだ。

学生の皆さんへ。卒論は誰よりも自分自身が愉しんで書くべき長い作文だと思います。だから、僕みたいな教員の話は、話半分に聞いておいて、我が道を行ってください(いわれなくても、皆さんのほとんどが「我が道」を勝手に、且つ強引に行っていると思いますので、実は気にしていないのですが)。その道が崖へ一直線とか、そういう場合はちゃんと我々が止めますから。

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Comments

タカヤさんっていい先生なんですねぇ・・。
卒論、愉しんで書いてみたかったなぁ・・。

Posted by: ずれちゃん | July 07, 2004 at 10:40 AM

もちろん、愉しいだけでも困るんですけどね(特に大学院に進学する諸君には、ちょっぴり厳しく指導せざるを得ませんし)。
建前論かも知れませんが、折角「大学」なのですから、最後くらいは「自主的」なお勉強でフィニッシュしていただきたい、と思っております。

Posted by: 川瀬貴也 | July 07, 2004 at 01:51 PM

おいらは3年の春だったかな。明治精神史やるっていったけど、やはり無知を自覚、ぐっと規模を縮小して新渡戸稲造やったな。当時は実学否定みたいなノリがあったけど、今思えばあのころ新渡戸稲造読みまくったのが、日本人の経営的発想を考える上で役に立っています。もちろん当時はこんなこと思いもよらず。

Posted by: やすやす | July 07, 2004 at 11:31 PM

無意識に、自分の(将来の)志向性を実は判っているのかも知れないね。僕も結局卒論で扱ったようなテーマを発展させて、今も研究続けているし。

でも、全く自由に僕たちに卒論を書かせてくれた研究室には、本当に感謝だよね。あの体験があるから、あまり学生にも強く「これをやれ」というようなアドヴァイスができないんですけどね(たまには必要なのだが)。

Posted by: 川瀬貴也 | July 07, 2004 at 11:40 PM

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