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August 30, 2004

歴史教科書について

昨日まで出張で韓国に行っておりましたが、僕が日本にいない間に何か大きなニュースはなかったかな、と思ったら、東京都の中高一貫校において「教科書を作る会」の歴史教科書が採択されたというのが目に入ってきました。

もちろん、僕はこの教科書の採択に反対の立場ですし、それは僕のサイトやこのブログをご覧の皆さんには良くお判りのことと思います。日本に都合の悪いところは隠し、都合の良いところは拡大して美化して伝えているこの教科書の個々の部分に関しての批判書はいくらでも出ていますので、改めてその論点を繰り返すことは避け、簡単に僕の反対する理由を以下に箇条書きにして、自分の考えをまとめておきたいと思います。

1)夜郎自大なナショナリズムは自国民も損ねるし、決して国際的な尊敬は受けることが出来ないということ。
ナショナリズムを否定したり、完全になくすことなどというのはできないと思いますが、その質が問題になります。良く「自分の国を愛してからはじめて、他の国へも尊敬の念を抱くことができる」という説を聞きますが、そんなことは果たして本当なのでしょうか。誰が実証したのか、等という意地悪な質問は脇に置くとしても、そんなあやふやなことを言われても困りますし、この教科書の中味「だけ」しか知らないような「無知」な人間は、決して国際的な威信などは獲得することはできません。

2)「国際的協調」という時代の趨勢に背を向けるものであること。
「国際化」というような言葉は手あかにまみれているので使いたくはありませんが、良くも悪くも他国との関係を考慮して振る舞う、というのが国のレベルにおいては避けられない時代であることは言をまちません。
自国に都合の良いことばかり書いているような歴史教科書は、当然特に被害を受けた近隣諸国から批判を浴びます。情報は外にどんどん伝わる時代だからです。もしかして「作る会」やその教科書を支持する人は、「各国には勝手気ままに自国の都合の良い歴史を書く権利があり、それを国民に教える権利があり、他国からの批判には耳を貸さない世界が理想的」と思っているのかも知れませんが、そうは問屋が卸しません。確か「作る会」を支持する人からは「中国や韓国だって、自国に都合の良い歴史を教えて、反日教育をして、我々をことのほか貶めているじゃないか」という気持ちがあったように思いますが、こんな教科書を作って学校教育の場で教えることを推し進めれば、少なくとも中国や韓国を批判する資格は失うでしょう。

簡単ですが、以上で。

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