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October 19, 2004

法科大学院・裁判員制度雑感

既に何人かの方がブログ等で言及しているが、僕も一言だけ。
なんでも、法曹界改革の目玉であった(はずの)「法科大学院」が、志願者が激減したりしているそうだ。その理由は明白で、要するに法科大学院を出てもちゃんと法曹界に入れるか先行き不安だからだという。認可するしないで去年揉めたばかりなのになあ。

僕はそもそも司法試験については全く知らないし(とてつもなく大変だ、というくらいしか知らない。友人で何人か受かった人はいるが、あまり接点のない連中だった)、これについて何かを言う立場でもないのだが、現在法科大学院で頑張っている皆さんはともかく、この計画を立てた政府及び法曹界全体の責任は重大ではないかと思える(もちろん大学関係者も)。要するに「見通しが甘かった」ということに尽きる。これは、都立大学の現在のシッチャカメッチャカさ(死語)も同様。大学関係者はやれ世間を知らないだとか言われているが(まあ、大体当たっているけど)、この司法改革や大学改革を指揮した官僚の「世知」をよく知った皆さんは、ご自身の責任をどう思っていらっしゃるのか。

僕は、数年前法科大学院の構想を新聞などでちらっと見たとき、「うまくいくかなあ」という懸念を持ったし(大学がたくさんすぎると思った。これの心配はほぼ現実のものとなったようだ)、そもそも法科大学院そのものに反対の立場だった。理由は簡単。漏れ聞くところによると、法科大学院の学費は決して安くはない。要するに「金持ちしか行けない」ようなところなら、門戸開放とは到底言えないだろうと思ったのだ。
「金持ちが教育に金をつぎ込めるので、高学歴層と富裕層が重なる」という指摘は以前からなされているし、具体的には東大生の保護者の年収平均が早慶のそれを抜いたのはだいぶん昔の話だったと思う(僕は1990年入学だが、そのころには既にそうだったのではないか?)。このような傾向を、例えば社会学者の佐藤俊樹氏は『不平等社会日本』(中公新書、2000)で明らかにしたし、フランスの「階級社会(親の職業を子供はそのまま継がざるを得ないような社会)」を分析したブルデューのフレームワークがそのまま日本に適応できる事態になりつつある、というのも、現在の日本の社会学者のいわば共通見解だと言っても良いだろう。
僕は、お金のかかるらしい法科大学院という構想が、日本の「階層社会」、特に法曹界における「階層」の固着を招くのではないかと思っていて、もともとあまり良い感情を持っていなかったのである。杞憂ならば幸い。

もちろん、法曹界の人口が増えて、裁判がもっとカジュアルになり、裁判の迅速化が図られるというのは大歓迎だ。「法科大学院」なども、そうなるための司法改革の一環だったはず。特に、裁判の迅速化の問題は、数十年もかかる裁判を見るにつけ、いつも思う。ついこの前も水俣病訴訟にようやく決着がついたが、政府や裁判所は原告が死に絶えるのを待っているのではないか、と勘ぐりたくなるようなのろさだ。裁判官の人口が増えて、一刻も早くこの弊を改善していただきたいと思っている。

司法試験のレベルを落とさずに合格者を増やすにはどうすればいいか、ということを考えると、堂々巡りになってしまって、僕には妙案が浮かばない。僕なんかは事情を知らない外部の人間として、定員を二倍に増やしてもそれほどレベルは落ちないと思うんですけど、いかがでしょうか。弁護士が増えすぎて何かというと訴訟のネタを探すようなアメリカみたいな訴訟社会は勘弁して欲しいところだが。

さて、法律関係でもう一つ個人的に心配しているのは、「裁判員制度」だ。「市民の司法参加」という、逆らいがたいロジックで進められている気がするのだが、僕としてはできればやりたくないと思っている。面倒くさい、というのが一番の理由だが、「じゃあ、法律のプロを育てるという法曹界全体の流れとどう整合性が着くの?」という疑問がどうしても残る。冗談半分で言っているのだが、もし裁判員に選ばれてしまったら、にわかクリスチャンになって「人を裁くな、裁かれないためである(マタイ7:1)」という聖書の言葉を遣って誤魔化そうと思っているくらいだ(笑)。
そして現在のワイドショー社会の中、冷静な判断が下せるかどうか、全く自信がないのも大きな理由だ。まさか、情報を全く遮断することもできないだろうし、バイアスが色々かかってしまうだろう。うーん。

法科大学院と裁判員制度、僕は全くの門外漢なので、もしこのブログをお読みの方で色々ご存じの方は、教えていただきたいです。

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