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October 21, 2004

台風一過のまとめ買い

昨日は台風で午後は休講になったのは良かったが(教員が言うとまずいか)、閉じこめられてなかなか帰宅できずに困った。

そして今はきれいな秋の空。
今日の講義は午後からなので、午前中に洗濯を片づけて、そのまま京都駅の旭屋書店に直行。
給料日直後ということもあり、昨日まで台風で閉じこめられていた憂さを晴らすべく本をまとめ買い。でも、よく考えたらこんなに本を買い込んだら、結局部屋に閉じこもらなくちゃいけないわけだよな・・・。

・ジョーン・W・スコット『ジェンダーと歴史学』平凡社ライブラリー、2004。(名著がハンディな形になったので、とりあえず購入。平凡社ライブラリーは使い勝手がいい)

・実川幹朗『思想史のなかの臨床心理学』講談社メチエ、2004。(僕の関心に重なるタイトルなので、購入。こういう本が去年出ていれば、今年の授業準備も多少は楽になったのに)

・山田浩之『マンガが語る教師像』昭和堂、2004。(凄い量のマンガが参考にされていて、単に面白そうだと思い購入。僕も教師の端くれだし)

・夏目房之介『マンガ学への挑戦』NTT出版、2004。(もう一つついでにマンガを学問的に見る本を。『マンガの深読み、大人読み』イーストプレス、も買わなくちゃな)

・植村和秀『丸山真男と平泉澄-昭和期日本の政治主義』柏書房、2004。(平泉、と聞いて「ああ、戦前の神がかった国史学者ね」というような知識しかない自分を少し恥じて購入)

・高橋哲哉『教育と国家』講談社現代新書、2004。
・菅野覚明『武士道の逆襲』講談社現代新書、2004。(共に今月の新刊。この両者を同時に購入してしまうのが、我ながら可笑しい。今回から講談社現代新書はブックカバーを大幅にデザインチェンジしたが、これまで数十年にわたって作り上げてきたものを放り出すのはいかがなものかと。一人一人色も違うし。そこが残念。高橋先生は近年の「愛国心」教育について、菅野先生は近代思想としての「武士道」と、江戸時代の実際の武士道の違いについて書いてくれている模様)

・内田樹『死と身体』医学書院、2004。
・内田樹『他者と死者-ラカンによるレヴィナス』海鳥社、2004。(内田先生の新刊はやはり買ってしまう。前者は一種の語りおろしだが、後者は久々の硬派な学問的著作。いつものウチダ節の「説教」も良いけど、とりあえず後者は気合いを入れて読まねば。何せラカンだし)

これらを読むのはいつになる事やら。まずは、今ゼミで学生と一緒に読んでいる

・西川長夫『国境の越え方』平凡社ライブラリー
・E.ホッファー『大衆運動』紀伊國屋書店

の二冊をとっとと読み終わらなければ。幸い両者ともに面白い。特にアフォリズム集でもあるホッファーの書は、現代アメリカや、もっと言えば現代の世界状況を予見していたかのような言葉にあふれていて、ホッファーの想像力の「翼」を思い知らされる。裏返していえば、ホッファーがいうようなものは、まさに「人間の本性」であり、時代が変わっても普遍的なのかも知れないが。ちょっとだけ引用してみよう。

自分自身が優秀であると主張する理由が薄弱になればなるほど、人はますます、彼の所属する国家、宗教、人種、あるいは神聖な大義が、優秀きわまりないと主張する傾向がある(12節)。

大衆運動は、神への信仰がなくても発生し拡大することが可能であるけれども、悪魔への信仰がなかったら、それは全く不可能である(65節)。

もし、アメリカ人が外国人を心から憎みはじめたなら、それは彼らが自分たちの生活様式にたいする自信を失ってしまった徴候となるだろう(73節)。

思わず付箋を貼っちゃいました。

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Comments

講談社現代新書、新書ブームに対抗してリニューアルを図りたかったんでしょうなぁ。ちくま新書も、スタッフ増員でがんばってるらしいですよ。
で、講談社現代新書のこのカバーリニューアル、ひとつ(ささやかだけど)面白いことが。今回のリニューアルにあたって、現在、比較的小さな本屋さんでも「過去の厳選人気タイトル再入荷」状態で並んでいるんですよ。で、最初の3冊が「タテ社会の人間関係」「知的生産の技術」「考える技術・書く技術(板坂元)」なんです。同シリーズの原点を見るようですね。

Posted by: こいけ | October 24, 2004 at 01:14 AM

こいけ先生
情報ありがとう。名著のリバイバル復刊ですか、良いですね。
僕なんか根がミーハーだから、学生と一緒に最新のものを読みたいなあ、などと思うのですが、実はこういう「古典」をじっくり読んだ方が僕のためにも学生のためにも良いんですよね。
というわけで、僕は今度学生さんに丸山真男『日本の思想』(岩波新書)などを読ませようと思っています。

Posted by: 川瀬 of Joytoy | October 25, 2004 at 03:18 PM

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