澤野工房コンサート感想
今日は、講義を終えてから大急ぎで大阪の難波に向かう。
というのも、僕が最近贔屓にしているジャズレーベルの「澤野工房」が主催するコンサートが、なんばHATCHで開催されたからだ。やっぱり京都からミナミまでは結構遠い。開演の7時ギリギリに会場に到着。
今日の出演者は、僕がこのレーベルで一番好きなピアニストであるジョヴァンニ・ミラバッシGiovanni Mirabassi(イタリア出身、パリ在住)が率いるトリオと、ヨス・ヴァン・ビーストJos van Beest(オランダのピアニスト)が率いるトリオという二部構成。生のミラバッシに会える、と思いチケットを早めに購入しました。その結果、僕の席は前から6列目の真ん中のブロック。ラッキー。
まずは会場入り口の売店で、会場限定発売のミラバッシのライヴ版と、ヨス・ヴァン・ビーストとそのパートナーであるマリエル・コーマンの新譜をゲット(その時は休憩時間があるとは知らなかったので、慌てて買ったのだ)。
ドタバタしてホールに入ると、ほぼ満席。澤野のファンはこんなにいるんだなあ、と実感。さすがに年齢層は高めだった。渋いおぢさんたちの姿が目立つ。
舞台の袖から、澤野社長がまず挨拶とアーティストの紹介。社長も緊張しているようで、挨拶も噛みまくり。でも却って朴訥そうなお人柄が表れていて好印象。
で、待ちに待ったミラバッシの登場!!びっくり、背がでけえ。なんか写真だけ見ると小柄そうな印象だったのに、まあイタリア人だからと僕が勝手にそういうイメージを持っていたのだが、180センチくらいあったと思います。ミラバッシは背中を丸めて優しく鍵盤をこするように音を出しました。一曲目は、僕の涙を幾たびか絞った「El pueblo unido jamas sera vencido」(「不屈の民、結束した人民は決して敗北しない」、という意味なのだそう。僕はスペイン語やっていないので、判らないのですが・・・)。鳥肌もんでしたよ。曲もメランコリックなものが多いミラバッシは、人柄もどうもシャイらしく、ボソボソとメンバー紹介した以外は、ひたすら演奏。結構一曲一曲が長めなものが多く、あっという間の、夢のような約一時間半。僕のミラバッシの印象は、曲からのイメージで「繊細」というもは当然ですが、なんだか「天才少年詩人」というようなイメージです。シャイな少年が書き散らした詩を手に取ってみると、とんでもなく芳醇な世界が待っていた・・・そういう感じです。ベースのボクル氏、ドラムのムタン氏もすごいテクニシャン。ムタンさんは明るい人で、観客の方をいつも見てくれていて、盛り上げ屋という感じでした。
あとびっくりしたのは、彼が僕より年下だって事(笑)。まさか僕より二つも下だとは・・・。
休憩の後は、第二部でヴァン・ビーストトリオの登場。彼の演奏も僕は結構好きで、CDもちゃんと持っている。
第一部のミラバッシ・トリオはマイナーチューン中心のロマンティックな感じだったが、今度のは一転して明るい「大人」のジャズの世界。ミラバッシの方はまさに「コンサート」として身を乗り出して聞いていたが、ヴァン・ビーストの方は、まさにお酒でも片手にリラックスして聞きたい感じ。ライヴハウスのような親しみやすさだ(スタンダードのAutamn LeavesやMy Foolish Heartなんかもやってくれるし)。そしてMCも気さくな感じで、分かりやすい英語で語りかけてくれた(僕でも聞き取れたくらい簡単な英語だった。英語がうまいのは、さすがオランダ人だ)。「大阪は二回目です。あなたがたのようなファンに恵まれて大変ハッピーです。来年にでも新しいアルバムをひっさげて日本に来たいね」というような内容だった。
そしてヴァン・ビーストのパートナーであるヴォーカリスト、マリエル・コーマンMariëll Koemanの登場でヴォルテージも上がる。しっとりとした歌声に、惚れましたよ(上記に書いた、その新譜をずっと今聴いています)。いやあ、大人って感じだねえ。僕も大人の一歩を上がらせてもらった気がしましたよ。
てなわけで、約3時間にも及ぶコンサートは無事終了。大満足で帰路についたのでした。
澤野工房、これからもずっとついていきます!!
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