Recent Trackbacks

April 2017
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« サブカルからナショナリズムへ | Main | 花粉症発症 »

March 09, 2005

吾妻ひでお『失踪日記』を読む

いつも拝読している竹熊健太郎先生のブログで、吾妻ひでおの新作『失踪日記』(イースト・プレス、\1140)が取り上げられており売り切れ書店続出、という続きの記事にあおられ、昨日の帰り道に本屋によって探したら、京都駅の旭●書店では見つかりませんでしたが、何のことはない、近所の本屋であっけなく発見、即購入(ネットで購入をお考えの方は、是非竹熊先生のブログ経由でお求めください。竹熊先生はアマゾンのアフィリエイトでこの本を推薦していますので)。

内容はですねえ、読んで貰うのが一番手っ取り早いんですが、解説者の方々がおっしゃるように、吾妻さんの自分を見つめる視線は、これは唯一無二、とまでは言わないにしても、かなり希有な例ですよ。恐ろしく悲惨な状況を淡々と明るさ、ギャグも含めて書けるこの「精神力」には、本当に恐れ入ります。ナルシズムや韜晦がほとんど見られない、というのは、自意識過剰な僕みたいな人間からすれば、奇跡のようにすら思えます。

あと、印象深かったのが、アル中治療の章です(「アル中病棟」)。吾妻さんはもともとお酒はそれほど強くない人だったのに、どんどん深みにはまっていくのが判って、空恐ろしくなりました。
それと、「AA(アルコホリックス・アノニマス)」の集会に出席した(させられた)吾妻さんの観察も秀逸(pp.181-2)。AAはよくその集会のあり方や、集会の最後に唱えられる「祈り」などが着目されて、その「スピリチュアリティ」が宗教社会学者の研究対象になったりするのだが(僕のAAに関する知識も、AAを研究している先輩の論文からの受け売り)、吾妻さんはどうもこれに馴染めなかったらしく、後書き対談(表紙の裏にこっそりあります)で、「ミーティングでは受ける小咄をしてた」とギャグマンガ家として満点のお答え(笑)。

というわけで、「私小説」ならぬ「私漫画」の極北の一つであることは間違いないこの作品、おすすめです。

« サブカルからナショナリズムへ | Main | 花粉症発症 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

Comments

『失踪日記』3月7日に購入いたしました。
まあ、久しぶりに笑った笑った。特に警察署でのところとか。
で144ページ右上にある、<充実しながら『あいうえおだ』>というのはやはり岡田あーみんなのでしょうか?

ただ「夜を歩く」「街を歩く」については本当に秀逸。特にギャグマンガ家が、どのようにして壊れていくか、についてあれだけ作家の側から冷静に描いた作品は空前絶後でしょう。

ただ「アル中病棟」編について言えば、本当に「アル中病棟」や「A.A」や「断酒会」をのぞいた方がはるかに衝撃的でしょう。吾妻さんにとっては自分の作家性と実社会との折り合いをつける問題の方が「酒」の問題より本質的だたのでは、と思います。

A.Aについて言えば、特に近年若い女性のアル中がA.Aで自分の薬物依存症やSEX依存症について赤裸々に語る物凄さはなんと言ったら良いのか。それ聞きたさにA.Aに出てくる人すらかなり見受けるくらいですから・・・オープンミーティング(つまり一般人も参加できるミーティング)に何回か参加してみて運良くそういう凄まじいのに遭遇すると・・・

P.S
今、発売中の例の『COMIC新現実』3号がメインで<吾妻ひでおの「現在」>を特集していてこの『失踪日記』の時期を中心にしたインタビューに吾妻先生本人が答えているのと『夜の魚』シリーズの再録、『うつうつひでお日記』の新連載と非常に充実しております。ぜひご一読をお奨めいたします。

The comments to this entry are closed.

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/34862/3231396

Listed below are links to weblogs that reference 吾妻ひでお『失踪日記』を読む:

« サブカルからナショナリズムへ | Main | 花粉症発症 »