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March 17, 2005

「竹島の日」雑感

とうとうやっちゃいましたね、島根県議会は。「竹島の日」なんか制定しちゃって。町村外相も「地方議会に口出しはできない」とか言っていて、それは正論ですが、ただ日韓関係に緊張を増すだけのこういうものを制定する島根県議会の「国際感覚」の無さを僕はいぶかしみます。もしかして、県議の中には「これで国に恩を売った」くらいに考えている人がいるんでしょうかね(ちょっと穿ちすぎかな)。
でも、「竹島の日」なんて制定しても、ほとんど実効性がないのは、「北方領土の日」を見ても明らかですが、政治は時に実効性より、「とりあえず言ってみましたよ」という「実績」を重んじることもありますから(こればかりになるとその政府は末期症状ですけど)、こういうのも「あり」かもしれません。でも、全国レベルの「北方領土の日」ですら、僕などにとっては「右翼の街宣車が街に繰り出す日」以外の何ものでもないしなあ。まあ、それはさておき。

改めていうまでもなく、両国が「竹島(独島)」にこだわるのは、別に古文書にこう書かれているからだ、というのではなく、端的に言えば「漁業権」や、これから見つかるかも知れない「海底資源」などの権益の問題でしょう。
そういえば日本は最東端の南鳥島には「自衛隊」「気象庁」「海上保安庁」を常駐させたり最南端の「沖ノ鳥島」を、コンクリートでで固めて水没を防いでいますね。「排他的経済水域」という概念のおかげで、海に面した国はどこも必死です。
そういう生臭い欲望を隠して「固有の領土」という歴史を物語ってしまうこと自体に、僕は問題があると思っています。「竹島(独島)」を「我が国の領土だ」という理屈が双方にあるのは承知していますが。法的根拠については、色んな所で解説されていますが、僕などはそれに納得しつつも、いつも

万国公法などと申候ても是又人之国を奪ひ候之道具にて毫も油断不相成(あいならず)、今日世間縦横往来相開け居候に付、名目無之(これなく)ては猥りに人之国も不被奪(うばはれざる)故、不得止(やむをえず)如此(このごとき)法を立候もの歟と愚考仕(つかまつり)候。(木戸孝允「明治元年十一月十三日付 野村素介宛書簡」、『木戸孝允文書』三)

なんていう台詞が思い浮かんでしまいます。この木戸の台詞は、明治政府が直面した「万国公法(国際法)」という、平等そうに見えて実は不平等なシステムに対しての不信感とともに、「結局世界を支配しているのは法ではなくて腕力だ」という露骨な判断を示している台詞なのですが(そういう判断のもとで近代日本が邁進していったのはご存じの通りです)、「法」それ自体が実は暴力を内包しつつ隠蔽させているということを思い起こさせてくれるものとして、僕はこの言葉を記憶しています。

理想論、机上の空論に限りなく近いことは承知していますが、「我が国固有の領土」という物言いを再考する時期に来ているのではないかと僕は思います。そもそも、例えば北海道にしても沖縄にしても、百数十年前には「日本」の領土ではなかったわけですし(シビアな言い方をすれば、彼の地でスペインのバスク地方のような独立運動が今のところ顕在化しないのは、「日本国民」である方が独立するよりもメリットがあるということに過ぎないのかも知れません。あと、人口の問題もあるでしょうけど)。
ですから、こういう「どっちの領土がはっきり決められないよ」という場所については、白黒つけるという思考法よりも、「まあ、山分けだね」という考え方で行った方が有効ではないでしょうか。「竹島の日」なんかを制定して向こうを硬直化させるよりも、竹島に日本の漁船が近づき補給を受けることを外交レベルで認めさせるとか。「韓国人は●●だから」と冷笑したり、差別的な意見を吐露するのは簡単ですが(そういうブログも多く見受けられます、残念ながら)、「禍転じて福となす」って、こういうことだと僕は「夢想」しています。難しいでしょうけどね。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

川瀬さん。

〉理想論、机上の空論に限りなく近いことは承知していますが、「我が国固有の領土」という物言いを再考する時期に来ているのではないかと僕は思います。

東京都は石原“スターリン”の下で、沖ノ鳥島全力死守すると声高に叫んでいますが、日本政府もしくは島根県、あるいは北海道などが「我が国固有の領土」をマジックワードみたいに使用することによって、感情を煽り立てるやり方はもうやめた方がよいという川瀬さんのご意見には肯くところがありました。

TVの報道を見ていると、韓国では抗議運動が活発ですが、それにも違和感を持つのは僕だけでしょうか?どちらも感情を剥き出しにして交渉の余地を無くしているだけで、お互いに幼稚な感じがします。

あと何でわざわざ今じゃないといけないのかがわかりません。島根県は実質上あまり効果のない方法で、余計「問題」を捩じらせているだけという感じがしますし、こういうニュースを聞くたびに暗澹となります。

 川瀬さん、はじめまして。
「日本固有の領土」というがさつな物言いには、私も抵抗を感じます。
 そもそも、「日本人」というアイデンティティ
が普遍化してから、おそらく100年ぐらいしか
経過していないと私は考えておりますので、
「日本固有」という物言いには、失笑を禁じえません。

>なぜ今なのか
『竹島の日』島根県の事情
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050306/mng_____tokuho__000.shtml
によると、故竹下登が一定の重石になっていたのが、亡くなったことで加速したのだそうです。
「国際司法裁判所での一発逆転狙い」とも書かれています。
「痛みわけ策」には大いに賛成ですが、そのためには韓国内にも「左翼」的な人が実効力をもって存在していないといけないわけですが、そこでこそ学歴社会内のアカデミックの権威が生きる・・・のでしょうか。

ども、こんちは。おのだです。字がでないので、ひらがなです。

ていうか今韓国にいるんですが、緊張がひしひしと伝わってきますよ(汗)。たいして騒がない日本人は呑気だなあと思いますが、過剰に騒いでいるのも怖いですね。もっとも、騒がずとも潜在的に腹に一物あり、ということはあるでしょうけど。

皆さん、コメントありがとうございます。
ナショナリズムって、「感情」的な問題ですから、扱うのが本当に難しいんですよね。僕だって、サッカーの試合の時には燃えちゃうし(笑)。でも「なんだよ」「そっちこそなんだよ」という不毛な罵り合いだけは避けたいものです。

>amgunさん

確かにけっこう激しい反対運動が見られますが、日本だって、実は島根県議会を右翼の街宣車が取り囲んだりしていますから、日本人が思っているより「お互い様」だと僕は思います。
あと、恐らく島根県議会としては「今だからこそ」制定に踏み切ったのでしょうね。


>かせたにさん
はじめまして。
さて、僕もブログで書いているように「日本固有」という物言いに違和感且ついちゃもんを付けている人間ですが、それに煽られてしまう人たちを「どう「着地」させることが可能か」というのを考えています。解答はなかなか出ないんですけどね。歴史的な沿革を再考することも、その方策の一つだと、文学部の教員らしく考えておりますが。


>umetenさん
国際司法裁判所での一発逆転狙い、ですか。いくつかブログや解説ページをネット上で読みましたが、「出るとこ出て決めようぜ」という意見、けっこう多いですよね。ぼくもそれが良いかもなあ、と思うのですが、負けた側は、納得しないでしょうね。それが一番の問題。また振り出しに戻っちゃう。特に、日本は「勝てる」つもりでいますが、もし負けたら、けっこうダメージはきついでしょうね。


>小埜田さん

こんな時期に韓国にいるとは、貴重ですね(笑)。僕も、10年前ですか、旧朝鮮総督府が解体される現場に立ち会いましたよ。ちょうど1995年の8月15日頃、学会で韓国にいたのです。まあ、それはともかく、僕も日本の、特に政府の「事態を静観する」という態度に「潜在的に腹に一物あり」というのを感じてしまいます。

川瀬様、遅レスで失礼します。

>全国レベルの「北方領土の日」ですら、僕などにと>っては「右翼の街宣車が街に繰り出す日」以外の何>ものでもないしなあ。まあ、それはさておき。

実効性がないからといってこんな事をおっしゃるのには違和感を覚えます。
私は沖縄の基地問題で米軍の駐留を許し、事故のときも現場に警察も入れず日本の主権が侵されていると問題にして運動する人に対して、「また、過激派が繰り出しているよ。」などとは思いません。

島根県議会を右翼が囲んでいるのは知りませんでした。(島根県選出のなくなった元首相に右翼が誉め殺しをしていたのは知っていましたが)ちょっと意味合いが違うのでは?

私のいつも見ているブログの竹島についての意見です。
http://eiji.txt-nifty.com/diary/2005/03/post_17.html#comments

如月様

>実効性がないからといってこんな事をおっしゃるのには違和感を覚えます。
>私は沖縄の基地問題で米軍の駐留を許し、事故のときも現場に警察も入れず日本の主権が侵されていると問題にして運動する人に対して、「また、過激派が繰り出しているよ。」などとは思いません。

僕の書き方が誤解を招いたようですが、僕も「無駄」だとは言っておりません。実効性が見えなくても「言うべきことは言う」というのが民主主義にとって大事なのは、それこそ言うまでもないと僕も思います。
あと、「北方領土の日」についてですが、僕は右翼の街宣車というものを毛嫌いしておりますので(暴走族と大して違いがないとすら思っています。何故自分の「政治的意見」を言うのに、あのような恫喝的なスタイルを取らなければならないのでしょう。公民館でも借りて集会をやっている真面目な右翼の運動家の人には好意を持っています)、ああいう書き方になりました。

>島根県議会を右翼が囲んでいるのは知りませんでした

何でも「よくやった、島根県議会」と激励に訪れたそうです。

あと、リンク先ブログのご意見ですが(このブログは初見です)、僕としては、こういう風に「国民性」という切り口で語ろうとすることに対して、もう少し慎重であるべきだと思っています(それはブログ本文でも書いています)。あと、このブログで同様の問題とされている「教科書問題」と「竹島問題」は、違う位相の問題だと思います。

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