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April 21, 2005

色んなブログを見て回って

中国での反日デモは、この数日小康状態、といった感じですが、この一週間ほど、僕も触発されてブログにエントリを書いたりしましたが、他の人の意見を知りたくて、おそらく3、40ほどのブログを見て回り、すっかりこのところ夜更かしの習慣が付いてしまいました。
トラックバックを辿っていくと、ある傾向のブログを立て続けに読むことになるので、ある意味効率的ではありますが、「みんな、見たいもの、聞きたいものだけを選ぶものなんだなあ」と改めて思いました。まあ、人のことは言えませんが、このところ思うに、ブログって、色んな人の意見を聞く、というより、自分に似た傾向の人を探して、自分にフィードバックさせて、自分の信念のお墨付きを求めるってことをしてしまいがちで、喧々諤々、という感じではないんですよね。僕も、あからさまに中国人に対する偏見や蔑視を開陳しているようなブログ(これが山ほどあって、ホント、うんざりさせられますが)のコメント欄に「あなたは間違っている」なんて書くほどの親切心はありませんので、議論が盛り上がらない、というのは、僕の方にも責任があるとは思っています。

で、今回見て回ったブログで、目立った意見は「中国の愛国教育が悪い」という見解。果たして、これって正しいんでしょうか?僕は、中国で行われた愛国教育の実態をよく知らないので、何とも申せませんが、もし正しいのなら、今、与党が議論の俎上にあげている「愛国心の涵養というのを教育基本法に盛り込む」とか、そういうのは、無しにした方がいいんじゃないでしょうか?日本なんか、特別な愛国教育しなくたって、そこそこの愛国心を持った国民が、自然にできあがっている国じゃないのかなあ、と思いますが(もちろん、日本社会の同調圧力の強さなどは考慮するべきでしょうけど)。この「そこそこ」の加減が難しくて、中国当局も苦慮しているんだと思いますがね。「そこそこ」、英語ならmodestとかdecentという形容詞、これって重要だと思うんですがね。「中庸」が大事だって、孔子も言ってますしね。

人の振り見て我が振り直せ、ってことわざ、まさか知らない人はいないですよね。しかも、60年ほど前に、過剰な愛国教育を施していた国が、夜郎自大な自尊心で、蛙の腹のようにふくれあがったあげく、ぼろぼろになって国を滅ぼしかけたことを忘れた人もおりますまい。僕はもちろん、自尊心は人一倍持っていると思いますが、過去の教訓を忘れるほど盲目的な自尊心を持たないことが僕のプライドです、と締めたいと思います。

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Comments

盛り上がりかたについて、日本の、70年代の学生運動に似ている、と書かれた人もいましたが・・・

私があちこち(どちらかというとブログ以外、町の声や中国在住者からのメールなど)で聞きかじった限りでは、ごく一部の行動でしかないという印象を持ちました。
むしろこの騒動を懸念する人たちのほうが圧倒的に多いようです。

インターネットというメディアは、類似した考えの人を集めるのには非常に有利です。騒ぎ出すと膨れあがるばかりですし。自殺BBSや未成年犯罪者の名前公表などもしかり。

加えて日本のマスコミも悪のりしすぎなのでは?(それが彼らの仕事ですけどね)

Posted by: せん | April 21, 2005 at 01:31 PM

>自分に似た傾向の人を探して、自分にフィードバックさせて、自分の信念のお墨付きを求めるってことをしてしまいがち
あーそういうところありますよねー。ちょっと自戒。^^

Posted by: ずれちゃん | April 21, 2005 at 01:43 PM

そうですよ。客観的な論争で自説を変える、なんてことはなくて、皆それぞれの下位文化の「世論」と「常識」を教化しあっていくわけですね。

前も書いたけど、日韓米で愛国心尺度をつかって調査すると日本の愛国心が一番低いそうです。

Posted by: こいけ | April 21, 2005 at 01:50 PM

こんばんは。

 愛されるようなことをせずに、
「オレを愛せよ!」とわめくのは、
ほんま見苦しいですね。

 横山ホットブラザーズのネタを
借用します。

「お~ま~え~は~あ~ほ~か~」

川瀬さんのバランス感覚、ええねぇ・・・

Posted by: かせたに | April 21, 2005 at 11:27 PM

みなさんへ

思ったよりこのエントリに食い付きがよくて、びっくりしました。

>せんさん

中国のデモは「一部」の動き、とも報じられて、それはもちろんそうでしょうけど(中国は人口の桁がすごすぎますし)、やはりあれだけのうねりを一部だろうが持ってしまっていることは、僕は「警告の一種」と受けとめるべきことだと思っています(せんさんもそうお考えでしょうけど)。

>ずれちゃんさん、こいけくん

このエントリは、まさに「自戒」を込めて書いたつもりなのですよ。ネットを一日数時間見るようになっても、意外と自分の世界は広がっていないのではないか、という思いがして。僕も、例えば「歴史修正主義」的な物言いに対しては、断固として自説を曲げませんからねえ。

>かせたにさん

「バランス感覚」を褒めていただきありがとうございます。デモ、じゃなかったでも、まだまだそこまで至れていないのが実情です。「中庸」って、一番難しいですよね。過激なことは、簡単ですけど。孔子もアリストテレスも「中庸の徳」を説いたのが判ります。

TBを送ってくださった「世に倦む日日」というブログで書かれていたことが印象的だったので、ちょっと引用させて貰うことにします。

http://critic.exblog.jp/2507829

「右翼側の主張として頻用される論法として「日本は何回謝罪すればいいのか」というのがある。日本はこれまで何十回も謝罪してきたのだから、もういい加減に中国や韓国は日本に謝罪を要求するのはやめろという言い分である。欧米のマスコミの中でもこのトリックに軽率に騙されて、字面をそのまま鵜呑みにしてしまっている向きもある。何度も謝罪を要求したくないのはむしろ中国や韓国の方であって、無理に謝罪を強要しているように見られたり、過去に拘泥しているように国際社会から見られるのは不本意なのが本当のところなのだ。日本が何度も謝罪しなければならないのは、謝罪した後で繰り返しその謝罪をリセットしているからである。謝罪をリセットする行為に及ぶから、再び謝罪を要求される立場に立つのである。これは喩えれば、俺は何度も罰金も払ったし懲役も受けたのだから覚醒剤を使ってもいいのだと田代まさしが言っているのと同じである。倒錯した開き直りの反論だ。」

Posted by: 川瀬 | April 22, 2005 at 04:50 PM

ネット上では
「中国人の民度が低い」などとすぐ中国人
全体に拡大した議論も目立ちます。
そんな議論をして解決になるわけないのですが。

「愛国」のこと、おっしゃるとおりかと思います。
日本で強まっている流れが進んだら中国を批判でき
ないのではないか。このままではお互い様です。

Posted by: 虎哲 | April 22, 2005 at 06:04 PM

>虎哲さん

ホント、「お互い様」にならないようにしないといけませんよね、と言おうと思ったら、国会議員が連れ立って靖国参拝したというたわけたニュースが入ってきました。
この議員たちは、脳みそ空っぽですね、はっきり言って。折角小泉さんがバンドンで失点を取り返そうとしたのに(まあ、この人が以前参拝を強行したことが全ての元凶なんですが)。

http://www.asahi.com/politics/update/0422/003.html

今回参拝した議員は、どんなことがあっても将来外交に関わらせちゃいけません。こういうのを僕から見て「国賊」と言います(笑)。

Posted by: 川瀬 | April 22, 2005 at 06:37 PM

ヤフーの「中国の反日デモ」というトピで下記のような書き込みを見ましたが、真実なのでしょうか?そもそも戊辰戦争の幕府軍や会津兵の死者や西南の役での西郷軍の死者を「本殿」より一段低い「鎮霊社」に祀っているという非常に政治的、恣意的に偏ったヤスクニは本当に「日本の神社」なのでしょうか?宗教の専門家としての川瀬先生にお尋ねしたいのですが・・・

差別的である靖国神社
2005/ 5/ 1 9:44
メッセージ: 27335 / 27725

投稿者: fastaskid (女性/京都府)
>この日本人についても
差別的である神社が本当に日本の首相が公式参拝すべき神社なのか?

なんと 驚きなのは!!

「また「屠卒(とそつ=牛や豚などの屠刹{とさつ}を職業とする雑兵)はこの限りにあらず」として、被差別部落の人々も排除された。」。
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/yogokaisetyu.html


Posted by: natunohi69 | May 01, 2005 at 09:42 PM

川瀬さま

ひょんなことから、上のコメントにある「屠卒」という言葉の由来について、ひいては、「靖国神社は部落差別をしているのか?」という、とてつもなく重い問題にかかわっています。

調査結果は、ブログ「小さな魚と約束」5月29日分にアップしております。もし、この件について何かご存知であれば、ご教示いただければ幸いです。

Posted by: 平山 洋 | June 15, 2005 at 11:00 AM

とうとう「屠卒」の典拠にたどりつくことができました。

もしよければ、上記ブログをご覧ください。

Posted by: 平山 洋 | June 17, 2005 at 03:09 PM

平山先生
先ほど拝見致しました。

http://pekon.mints.ne.jp/hiepita/blog/archives/2005/05/post_178.html#comments

ですね。ここまで調べ上げられた先生に、敬意を表します。
色々ご教示下さり、ありがとうございました。
靖国を見るにも、ミクロな視点が必要ですね、これからは。

Posted by: 川瀬 | June 18, 2005 at 01:12 AM

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