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September 12, 2005

こんなプロフィールあり?

今回の総選挙、僕個人にとっては、大変残念な結果に終わってしまいました。
昨日は、見るのも苦痛な選挙結果でしたので、夜更かしすることもなく、すぐにふて寝したのですが、今朝の朝刊で、議員になった皆さんのプロフィールなどをじっくり読んでみました。そこで思ったことを列挙すれば、

1)なんだかんだで、東大OB・OGが多いということ(恥ずべき先輩も多いけど)
2)「松下政経塾出身者、やはり一定数はいるなあ」ということ(僕が数えたところ、ざっと10人はいた)
3)弁護士・官僚・医者など、元の職業が「しっかりした」人が多い(これは友人T君の指摘で気づいた)

といったところでしょうか。

で、ご飯を食べながら読んでいて、思わず「えっ、こんな事、プロフィール欄に書いていいの?」とびっくりしたのが、福井一区で勝った稲田朋美さんという議員(プロフィール欄は、彼女には不本意でしょうが、アサヒ・コムのものです)。ちょっと引用しますね。

稲田 朋美(46) いなだ ともみ
自民 新 当(1) 弁護士・自由主義史観研究会員・日本南京学会員▽早大

皆さん、よく見てください。「弁護士」、これはいいです。でも、彼女は「百人斬り名誉毀損裁判訴訟」の原告側の弁護士だそうです。

問題は次です。

自由主義史観研究会員日本南京学会員

なぜ、こんなところに単なるサークルの会員であることをさらけ出しているのか、全く判りません。「マイケル・ジャクソン・ファンクラブ日本支部会員」と書くようなもんじゃないの?(これじゃ、マイケルに悪いか)
ちなみにこの人、そのサークルの会報にもエッセイを書いているようです。

そして次の「日本南京学会」。まあ、名前を見れば判るように、「南京虐殺は色々疑わしいから修正しようね」という有志の集まりのようです。本当に「学会」なのかは、知りません。でも、「と学会」の方が数百倍、学会と呼ぶに相応しいだろうな、ということは疑いありませんけど。まあ、たとえ学者でも、自分の所属学会を選挙用のプロフィールに載せることは、滅多にないでしょう(その学会の会長でもしていれば別ですが)。よほど、プロフィール欄に書くことがなかったんでしょうね、この人は。
こういうプロフィールが堂々と出ていたこの「刺客」候補に票を入れて当選させてしまった福井一区の皆さん(約5万人)、申し訳ありませんが、僕はあなた方に対して、大変失望してしまいました(この選挙区、まれに見る接戦だったんですけどね)。
あと、僕が文句を言いたいのは、僕の生まれ故郷の大阪17区。自民党候補が勝ったのも、あまり気分が良くありませんが、何でこんな男にも相当数の票が入っているのか・・・。僕は以前彼のインタビュー記事を見て以来、たとえ彼が車にひかれて路上に倒れていても、助けてあげないと誓いました。

2001年の9月11日は、世界にとって忘れられない日となりましたが、ここ数年で日本という国の「かたち」が変わってしまったとしたら、僕の脳裏には2005年の9月11日も、忘れられない日となるでしょう。

今回は腹立ち・個人攻撃日記となってしまいました。

追記:これも、今更言っても仕方ない愚痴ですが、やはり死票が多すぎる小選挙区制という制度の弊がもろに現れた選挙だったと思います。小選挙区での総得票数の比は、自民対民主=47・8%:36・4%なのだそうです。なのに、獲得議席数は雲泥の差・・・。ワイマール期のドイツを笑えなくなってきました。でも、あの当時のドイツより、よっぽど自由を謳歌できているはずのこの社会が、このような選択をしてしまったことに、「世に倦む日日」のthessalonikeさん同様、本当にがっくり来ていますが、「たゆたえど沈まず」のstandpoint1989さんの以下の言葉も、肝に銘じたいと思っています。

民衆への呪いの声が聞かれる。衆愚という嘲りが、日々を生きる人々に投げかけられる。しかし分かっていたはずではないか。人間はパンのみで生きるのではないということを。
人間は生きる使命によって生きるのだ。
民衆の声に耳を塞いではならない。民衆と共に歩く視線を失ってはならない。民衆を呪った時、どうしてあなたがたの言葉が彼らに届くだろうか。これは、まだ、民衆の勝利ではない。しかしあなたがたの敗北である。
民衆を侮蔑し、その心を思いやることを怠った、あなたがたの敗北である。彼らのあせりと怒りを嘲笑したあなたがたの敗北である。

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Comments

こちらにもお邪魔します。

自民の人気取り・刺客としてたてられた、ケバいチャンネエたち(失礼!)が当選していって、土井たか子さんが落選、これが時代の趨勢だとしたら、この国は本当にまずい方向にむかっていると思います。

しかし、この人たちもひどいなあ。「研究」とかプロフィールに載せるなよ!研究者に失礼だろがッ!!

Posted by: masatix | September 12, 2005 at 11:35 PM

僕はmasatixくんとは違い、「おたかさん」は今回の選挙では落選するだろうと予想していました。

その程度はシニカルだったのですが、やっぱり「原因」は民主党が小泉政権に明確な「反対」の意思表示をしなかったこと。

社・共は「護憲」しか論点を打ち出せず、「劇場政治」が受ける世の中とあっては、福島さんと志位さんでは「イメージ戦略」に長ける小泉自民に三歩も四歩も劣っていたこと。これでしょう。

僕も自称「左派」ですので、野党を応援していたのですが、辻元清美氏の当選コメントを聞いて、「そっけない」印象はぬぐえません。もう少し良い意味で「脱皮」してくれたらと心の底では思っています。

福島さんも志位さんも主張は正しいけど、突き抜けたものがないんですよね。賢い参謀がいてくれたらなぁ。

今回の選挙で小選挙区制の恐ろしさを実感しました。国民(特に自・公に入れた選挙民)は、小泉政権に対して多大なる責任を負ったわけです。そのあたりを自覚していただきたいです。

Posted by: amgun | September 13, 2005 at 01:34 AM

こんにちは。
わずかに希望を見出すとしたら、負け続けていた
共産・社民が今回は「負けなかった」ということ
です。比例ではあわせたら860万票取っている。
「自民でも民主でもない」層はせめて結集しない
といけないのでは?と痛感しました。
民主党は本質的に自民党と出自が変わらない人々が
多いですから、憲法改正などで共同行動を取りかねません。
こんな結果が出たことで、逆に人々の危機感が強まれば
新たな動きが出てくることに期待したい。

Posted by: 虎哲 | September 13, 2005 at 11:27 AM

背筋の寒くなる結果でした。
ただ、得票率が国民の真の声ですから、そこは間違えたくない。

また、小泉を「稀代の喧嘩師」などとは決して言いたくない。
結果の大きさにまどわされず、その要因を冷静に分析したい。 

で・・・

①小選挙区制のもとでは、ちょっとしたウェーブも大増幅される
②小選挙区制のもとでは、選挙協力をした政党が勝つ

こうした制度的要員に加え、ほとんど言われてないのですが

③マクロの経済指標が好転しつつある時期だった

このことも大きなポイントです。
こういうとき 与党が勝つというのは大鉄則です。

以上、走り書きにて失礼 >川瀬さん

Posted by: コンドウ | September 13, 2005 at 07:51 PM

皆さまへ
腹立ち紛れに、色々書いてしまいましたが、要するに僕は今、悔しさと同時に、その原因を見極め、次回はどうすればいいかを考えてみたいのです。

虎哲さんのいうように

>「自民でも民主でもない」層はせめて結集しないといけないのでは?

と僕も痛感しました。「小異を捨てて、大同につく」という大胆さを求めたいところです。

僕は選挙の際、小泉さんの「これまでの実績」を勘案して反対票を投じたわけですが(外交面においては、特に評価できないので)、多くの人は「これから」に期待をして投票した、というのも、実は僕のショックの原因だと思います。

Posted by: 川瀬 | September 14, 2005 at 04:14 PM

 僕も今回の選挙の結果には大きく失望した1人です。
 普段は全くデータソースとして信頼できない日刊ゲンダイの、選挙投票日翌日のトップが1面から裏1面にかけてブチ抜きで大きく「この国の民主主義は死んだ」。今回ばかりは思わず共感。「これから」に「期待」して投票“してしまっ”た民衆の民度を始め、要因は幾つかあるでしょう。
 「自民でも民主でもない」者が大同小異で結集する必要性は以前から言われてきたことですが、今回は改めて痛感した人も多いはず。何故それが今まで出来なかったのか、それを出来るようになるには何が必要か、真面目に考える人が増えてくれることをまずは祈りたい。と同時に、今回のどさくさで国政があさっての方向に行かないように、言論と学問の世界にいる我々はかなり頑張らないといけません。
 少なくとも、今、日本は(いろんな意味で)かなりの大ピンチだと思います。

Posted by: 横山 雅俊 | September 16, 2005 at 03:43 AM

横山さん、僕も選挙結果を聞いた直後は相当絶望しそうになったのですが、後からつらつら考えるに、全体として結構民主党にも票は入っているし(つまり、国民は「バランスの取れた投票」を行なったということ)、「民主主義は死んだ」とは考えたくないのですよ。生かすも殺すも、まだまだこれからでしょうし。
とんでもない失策を小泉政権がすれば、その時は今回とは逆の結果も生じうると思いますし。
ピンチはピンチですが、もうそろそろ人を呪うのを止めて、自分が何をできるかを考えていきたいと思います。明日への布石として。

Posted by: 川瀬 | September 16, 2005 at 07:16 PM

はじめまして高尾と申します。

「たとえ彼が車にひかれて路上に倒れていても、助けてあげないと誓いました。」 まったくですね(笑)。

リンクをひかせて頂きました。
http://takaoyoshiki.cocolog-nifty.com/

Posted by: 高尾 | September 20, 2005 at 08:30 AM

高尾様

コメントとリンク、ありがとうございました。
以前トラックバックもいただきましたよね。高尾さんのブログも拝見しました。以前、「丸写しレポート」問題でブログを巡回しているとき、高尾さんのも拝見したことを今思い出しました。
これからも宜しくお願いいたします。

Posted by: 川瀬 | September 20, 2005 at 12:25 PM

こんばんは!
うちの選挙区は自民、民主、共産いずれも新人3人が立候補しました。
共産新人29歳のインタビュー「5年程前から茶髪にした。革新と言いながら、保守的な人も多い。本当の意味で革新となるよう髪の色から始めたい」・・・・アホでしょ?当然落選。

Posted by: パイナップル | September 21, 2005 at 12:06 AM

パイナップルさん、こんばんは(以前も書き込んでくださいましたっけ?)。

パイナップルさんの選挙区の共産党候補、アホというより、なんか痛々しいですね。僕は共産党の存在意義っていうのは「学級委員的」なことを言うという物堅さにあると思っているので。

僕の選挙区も、同様に三党から立候補者が出ました。前回は、落ちた民主・共産の候補も比例区で復活して、結局僕の選挙区の立候補者は全員議員になるという、ある意味面白味に欠ける結果だったのですが、今回は、民主だけ落ちました。
この復活って、あまり良くない制度ですよね。最初から順位を決めておくのではなく、惜敗率で上位から取るような仕組みだったらまだいいと思いますけど。

Posted by: 川瀬 | September 21, 2005 at 12:22 AM

 うーん、惜敗率、何か以前も悶着ありましたね。
 確か、今でもこの制度はあるはずで、比例の順位を複数の候補者で同一にしておくことが出来て、この惜敗率とやらで再度順位を振り分けるとかいう制度じゃありませんでしたっけ? 何れにせよ、余り良くない制度であることに変わりはないと思いますが。どーせ、他選挙区の落としたい候補者を落とせないことに変わりはないので(僕の出身地の選挙区に、最も落としたい被選挙人がいましたが、今は首相だったり)。
 それよりも何よりも、もっと恐いのは小泉内閣の失政があっても、小選挙区制であることにより、自民党に対する逆風が効果的に吹かない可能性が非常に高いと言うことです。前回あんなに大きく嘆いて見せた理由の一つはこれです。

Posted by: 横山 雅俊 | September 23, 2005 at 06:28 PM

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