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January 31, 2007

これは「犯罪」である

さっきネットをウロウロしていて、とんでもないサイトの存在を知ったので、怒りにまかせてエントリを書きます。

明治学院大学の稲葉振一郎先生のブログ経由で知ったのですが、レポートや卒論を代わりに書きます、というサイトを知ってしまったのだ。なんてことしやがる。
今までも、みんなからレポートを集めて、それをアーカイヴ化して「知的財産」をみんなで共有、などという聞こえの良い言葉で言いくるめているサイトの存在は知っていたのだが、代わりに書きます、というサイトの出現は、さすがに衝撃的だった。

まず、「Web Teacher」とかいうこのサイト、何でも「東大生」が関わっているらしい。マジかよ。「大学院入試の支援」というのはまだ許せるが(これも業務の一つだそうです)、単位がかかっている卒論やレポートの代行ですよ。全部書かなくても、雛形の提供だけとしても、充分ひどい。利用規約

「WebTeacherは、あくまで学習支援を目的としたサービスなので、明白な怠慢に基づく依頼(「前期のレポートを全部やってください」など)は、勉強法の提案をした上でお断りすることもございます。」

なんて書いてあるけど、取って付けたように「我々は教育者として配慮していますよ」という態度をとっているのが却って醜い。こういう事は極力言いたくはないけど、東大OBとして死ぬほど恥ずかしいです。死んでしまえ。あ、一言申し添えると、東大生だからって、遵法精神があるなんて、ちっとも僕は思っていません。東大法学部卒業していても、汚職とかに手を染める手合いはワラワラいます。
あと、謎なのがこの団体の名乗る「有限責任事業組合」というやつ(この経済産業省へのリンクは、このWeb Teacherのページにありました)。もしかして、お上のお墨付きなの?それともそういう風に見せかけている詐欺?前者であっても後者であってもサイテーなのは変わりませんが。

もう一つは、その名もずばり「卒論・レポート代行所」というやつ。こっちの方が羞恥心がありません。どういう連中が運営しているのかは知りませんが、なんたって表玄関に堂々と

「当代行所の社員は学生時代に必要最低限の勉強量でAを取ってきた精鋭ぞろいです。」

なんて書いちゃっている時点で、神経が疑われる。これも死んでしまえ。何が「必要最低限の勉強量」の「精鋭」だよ。

こういうのは、もしかしたら探せばもっとあるのかも知れませんが、そういう気力もないので、この二つをとりあえず晒し者にしますが、これは明々白々に「犯罪」ですよ。試験で言うと、受験票や学生証の写真を入れ替えて、代わりに受けてもらうのと一緒。もし、こういうサイトの利用が発覚したら、単位剥奪は生ぬるい、僕は退学に値すると思います。
学生にとっての教養とは何か、なんていう高尚な話題じゃありません。ズルしちゃダメっていう、世間様のルールです。

でも、やはり一番腹を立てているのは、恐らくこのサイトの利用者に対してではなく、運営者に対してです。お前さんたちは恐らく高学歴なんだろうが(見知らぬ学生の代行ができるくらいだから、そこそこお利口さんなんでしょう)、ゴミクズだよ(人間性も書いたレポートも)。お前さんたちは、自分たちの行為で自分が出た大学のことも冒涜しているんだぜ。こういうくだらないことをこなせるようになるために、高学歴になったとでも言うのか?高学歴者は、難関校に入ったことが偉いんじゃなくて、出てから大層な仕事をするであろうということで世間様から甘やかされているわけだろうが。それが判っているのか?もし、「このようにして、レポートや卒論を無価値にすることが、俺たちの大学に対しての復讐なのだ」なんていう高尚なこと(あくまで皮肉だよ)を考えているんなら、話は別だが。

最後は怒りのあまり口調がひどくなっちゃいました。お詫びします。

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大学」カテゴリの記事

Comments

はじめまして。このような商売が存在するとは。。大変驚き、かつあきれてしまいます。

お久しぶりです。
かなりお怒りのようで・・・

やや補足ですが、LLPとは経産省があらためて創設した制度の内容で、株式会社や合資会社などの法人形式の呼び名です。
なので直接こいつらとのかかわりはありません。

端的に言えばこやつらの英語表記の社名が「Independence LLP」なだけであって、経産省のお墨付きを与えるかのような誤解を招くリンクの貼り方をしているだけです。
明らかに詐欺“まがい”の手法でこのような商売をするのは、巷で横行している「NTTのほうから来ました」みたいな電話回線の営業と同じ手口です。

こういう輩に対してはいつも憤りを覚えますが、逆に利用者に対して言うなれば、ズル以前に「騙されたくないなら、ちっとは頭を使え」という警告の方が感情的には強いですね。

このWebTeachというサイトはかなり悪意のある表現方法でHPを運営しているように感じます。

だって、特定商取の法人表記を示すテキストでさえもわざわざ画像にして検索サイトで引っかからないように仕組んでありますからね。
悪質サイトの調査(趣味)をやっている私にはかなり香ばしい悪の臭いが漂ってきております。
ええ、もうプンプン臭いますよw

でわでわ

postする前にIndependenceの綴り間違えてた・・・
俺あったま悪い・・・orz

あ、そうそう
さっきのテキストイメージ化の話(検索に掛からないための)

個人情報漏れのために(携帯電話番号など)そういう対策をしているかもしれませんのであしからず。

ちょうどテスト期間、採点期間だったこともあって、カッとなって思わず暴言を吐いてしまった、今は反省しています(棒読み)。←ここまでが挨拶。

Adarchismさま、こちらこそ初めまして。
いやあ、ひどいもんですね。ホント、言葉を無くします。

M下君、僕もこれは非常に怪しい臭いがプンプンしていると思いました。JOJO風にいうと「こいつはくせーっ!ゲロ以下の臭いがプンプンするぜーっ!!」とスピードワゴンのように回し蹴りを喰らわせたい気分です(ネタとしては古いけど)。でも

>悪質サイトの調査(趣味)

というのは(笑)。僕もメジャーどころですが「悪徳商法マニアックス」はよく見に行ったなあ。
http://www6.big.or.jp/~beyond/akutoku/index.html

怒りのあまり「お前らのやっていることは犯罪だからやめれ」というメールを出してしまいましたが、まあ、なしのつぶてだろうね。

>こういう輩に対してはいつも憤りを覚えますが、逆に利用者に対して言うなれば、ズル以前に「騙されたくないなら、ちっとは頭を使え」という警告の方が感情的には強いですね。

同感です。こんな連中、儲けさせたくもないけど、こういうのを利用しようとする連中は高い「授業料」払って懲りてしまえ、と思っちゃいますね。

追記:このコメントを書いたあとに、例の「Web Teacher」の代表者からメールが来ましたよ。返事をくれるある意味の「誠実さ」にはびっくりしましたが、内容は要するに「きれい事言ったって、大学が既に単位をバーゲンセールみたいな状態でやっているんだからさあ」と、自分たちのやっていることを弁解していました。さすがに、僕以外にも色んな人からの非難が来て、「理論武装」がちゃんとしているようです。僕が返事をするとすれば「実態はそうかも知れないけど、建前上きれい事を言わなくなったら、大学は本当におしまいなんだよ」ということ、これに尽きます。

川瀬先生、

相変わらずお元気で嬉しく思います。

LLP が日本でもできたようですね。LLCの小規模なものと考えればいいのでしょうか。ただし、この会社が正式に登記しているかどうかは別問題です。確認が必要でしょう。

さて、この<会社の違法性>ですが、それを問うことは難しいかもしれません。倫理的には、「代行」と明言しているので怒るのが当然ですが。

問題は、これを利用する<学生さんの違法性>です。アメリカではまず基本的に退学(プラス除籍=入学した事実も消去)処分です。多分、日本の大学もそうするでしょう。

この手の会社のアイデアに、もしアメリカのアイヴィーリーグなどに昔からあった学生支援部(有料)の活動があるとすれば、換骨奪胎の悪意ある模倣と言うしかありません。このようなセクション(大学内部の機構だったり学友会のような外郭団体の主催だったりしますがキャンパス内に事務所があります)は、州立大学などでは補修クラス(無料)として講師レベルの教官が指導していたりします。決して、学生がやるべきことを「代行」するものではありません。しかし、ここで勉強の仕方などをゆっくりと学び、末は芽が出て、博士・教授になる例もめずらしくありません。特に、田舎の高校などから一流の大学に進んだ際は、戸惑いと勉強方法の無知から成績が落ち、助けが必要なことがあることを、アメリカの大学は昔から知っていたのです。

また、英語を第一言語としない学生のための英語添削セクション(有料)なども大学内にあります。英語が第二言語である私の場合、提出前は念のため(期限に余裕があれば)しかるべき人(英語と様式に詳しく、内容把握が容易な頭のいい人)に有料でみてもらっていました。学内ではなく、私自身がテストして探してきました。(人選テストの仕方も書きたいのですが止めます。)何人かいましたが、博士の学位のある人や、修士の学位をもって出版に携わっている人たちでした。この人たちとのディスカッションも為になりました。なお、学内のセクション(こちらのほうが安い)を避けたのは、レベルが一定でなく、当たり外れがあったからです。

このような支援を受けるのではなく、安易に論文作成を「代行」してもらって卒業証書を受けようとする学生がいることが問題です。ぜひ、厳罰に処し、そのような学生を大学から排除なさいますように。そうすれば、唾棄すべき会社など立ち行かなくなりますから、自然消滅するでしょう。

MWW

Waterman先生、ちょっとの間ご無沙汰しておりました。

さて、アメリカにある「学生支援」、こういうのなら良いと思います。TA(Teaching Assistant)制度は現在の日本では、大学院生が資料の整理をしたり実験の手伝いをすることになるのが多いと思いますが(僕もそういう仕事をしておりました)、学部生の「手伝い」をもっとすべきだろうな、とは思っています。
あと、大きな大学には留学生の面倒を見る「チューター制度」というのもあって、僕は研究柄、韓国人のチューターに何度かなり、彼らの論文の日本語を直したりもしました。あれも大学から、少額ですが幾ばくかのお金が出ていたように記憶しています。

上のコメントの追記で書きましたが、その「代行業者」にダメ元でメールを出したら、返事が来たので驚きました。でも、内容は申し上げたとおり、いわゆる「泥棒にも三分の理」という類のものでしたが。

>問題は、これを利用する<学生さんの違法性>です。アメリカではまず基本的に退学(プラス除籍=入学した事実も消去)処分です。多分、日本の大学もそうするでしょう。

そうしたいと思っています。
今僕の勤務校では、インターネットからの「コピー&ペースト」やカンニングが発覚した場合、その当該講義はもちろん不可ですし、場合によっては、その学期の全ての単位を取り消すという処分を行うことを明記しています。まさか卒論でそういうことをすることは想定していないので、学内の法規にはまだ書かれていないかも知れませんが・・・。

繰り返すと、こういう代行業者を利用する学生達のどうしようも無さは当然ですが、こういうサイトを立ち上げている彼らの「開き直り振り」に正直暗澹たる思いです。

学生の立場で言うと、こういうのが当時あれば…な~んて(^^;)
当時を思い出すと、必死にやったレポートや
何度も書き直しさせられたレポートほど記憶に残っていますよ。
半年にわたり、レポートを書き直させられた事とか…ね。
今ですから懺悔させていただきますと
当時の社会学だけは、どうにもこうにもならず
姉にお願いして書いて貰った記憶が…。
絶版になってなかなか手に入らない本のレポートの挙げ句
内容がちんぷんかんぷんで、落とすと後がないと言う立場で…
(言い訳)
これも含めていい想い出とさせて下さい。
ご勘弁を…。

ちかさん、こらっ、と最初に怒っておきます(立場上)。
僕だって、例えば友人のノートをちょっとコピーさせてもらったり、先輩からその先生の「甘さ」を聞いてみたり、そういうことはしましたからそれは良いんですよ。学生らしい「情報収集」です。でも、他人に丸投げっていうのは、およそ学生らしくありません。ただ、そういうことです。そして、君たち、足元見られているよ、といいたいだけです。

今日の読売新聞夕刊にこのことが大きく取り上げられていましたね(^^;)不正を不正だと指摘する行為はとても勇気が必要だと思うので、祥友として誇らしい気分です(^^;)それは関係ないか(^^;)

めんちかつさま
実は、この記事が載ったのを教えてくれたのは、祥友の一人であるよしみさんだったのですよ(^^;)。
ちょっと前、僕のこのエントリを発見した読売新聞の記者さんから電話があって、簡単にインタビューに応じたのですが、すっかり忘れていました。

あと、教師の側もネット上のコピペで済んでしまうような課題は出さないことが求められるでしょうね。それで僕はついついブックレポートを課してしまいますが(書評は一番検索が簡単で見破りやすいですし、真面目な学生にとっては、数冊その分野に関する本を読んで確実に勉強になりますしね)。

はじめまして、おなら出ちゃっ太と申します。
新聞記事を読んだとき、児童文学の「宿題ひきうけ株式会社」みたいだな、と思いました。
仕方なく行ってる(実は幸せなことなんだけど)小学校の宿題と、とりあえずは自分で望んで行った大学の卒論とでは同列の比較はできませんけどね。
いつかこういう問題は出てくるんじゃないかという気もしたけど。
しかし卒業がかかった論文になら、10万円は安いのかな?

以下、『宿題ひきうけ株式会社』(古田足日著)のネタバレ。

・・・

宿題ひきうけ株式会社の構成メンバーは、社会矛盾に自らの行為の正当性を求めますが、結局はその犯罪性を自覚し、社会矛盾の解消を目的とする

「試験・宿題なくそう組合」

に発展的解消を遂げます。

つまり、「Web Teacher」諸君は昭和40年代の小学生以下ということです。

余談ですが、わたしの卒論は「古田足日論」でした。

おなら出ちゃっ太さん、はじめまして。
『宿題ひきうけ株式会社』、懐かしいですねえ。内容は忘れましたが、強烈なタイトルなので、名前はまだ覚えていました。僕は単に「替え玉受験と同じようなことをしちゃいかんだろ、しかも自主的に来ているのが建前の大学で」という単純な気持ちでいるだけなんですけどね。

o-tsukaさん、なんと、卒論が「古田足日論」だったとは!

>つまり、「Web Teacher」諸君は昭和40年代の小学生以下ということです。

大笑いですね。僕の「泥棒にも(以下略)」という評価よりも、こっちの方がスマートだ。今後、使わせてもらいたいくらいです。

自称・ワンフレーズ活動家です。
ご自由にご活用ください(^^)

主張は先生のおっしゃる通りで全くもって正しいと思うのですが
なんというか日本の大学がレベルが低いというか、東大ですら適当なレポートでなんとなく単位がきてしまって、なんとなく卒業できてしまうところに問題がような気がします。
そもそも卒論とかが第三者が書いて通ってしまうのは、いかに学生を直接指導していないかの表れとしか思えません
もししっかり指導していれば、不正はできないはずだし、不正の卒論なんてくそみそなはず。なのに通るのはなぜ?
実際今年就職してみて思うのは学士も修士もほとんどなっていないというか、今まで何をやってきたの?という人ばかりです
とても大学を出たと思えない人ばかり。一応フォーチュンで上位にランクインする会社にもかかわらずです。もちろん彼らは代行業者なんて使っていないでしょう。けれど代行を使っている人と大して変わらないような気がします。大学卒業って一体なんでしょう?大学関係者の方は一度そこのあたりを見直してほしいです。まじめにやって優秀な方もいらっしゃるのですから
少ないですけど

youさま、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、個々の大学の問題ではなく、大学全体の問題である事は痛感しております。耳が痛いです。
僕個人も、代行してもらった卒論も見破れないような教員は失格だと思っています。
これからは、少子化且つ大学全入時代になりますから、なるべくきめ細やかな指導はできるだけやるべきだと思っていますが、大学で学ぶ意義をそれぞれの学生が感じてくれていなければ難しい、というのも事実です。ですから、ありきたりの結論になって恐縮ですが、「こっちも頑張るから、そっちも頑張ってくれ」としか言いようがないんですよね・・・。

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