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March 23, 2007

はなむけの言葉

 みなさん、ご卒業おめでとうございます。皆さんにとって、この大学での4年間(ないしそれ以上の人もいらっしゃいますが)は、どのような時間だったでしょうか。
 自分の記憶を辿ると、例えば一人暮らしを始めて、様々な地方からやってくる友人と出会い、そこそこ勉強もし、あんな事もこんな事もあったりで(詳細は伏せます。『人間失格』同様、恥の多い人生を歩んできました)、それなりに濃密であった4年間だった気がします。君たちの学生生活も、それなりに濃密であったなら幸いだと思います。その「濃密さ」ということに我々の講義やゼミなどが入っていればなお幸いです。

 さて、これは毎年言っていることなのですが、君たちの卒論指導も、なかなかに大変でした。毎年同じようなことをやっているから、いい加減我々教員も慣れて良さそうなものですが、毎年その大変さの度合いが増していっているように思うのは僕だけでしょうか。まあ、慣れるといっても、君たちは毎年それぞれ違うネタで卒論を書くわけですから、ルーティーンワークのようにはいきません。でもそれが我々教員の楽しみでもあります。そして今年の君たちは、去年の先輩達が我々教員にこっぴどくやられたのを見て、ちょっと過剰防衛気味でしたね。卒論中間発表の前、君たちが何人も「これで良いでしょうか」と聴きに来たのを覚えています。僕は叩かれるのも修行のうち、と思っていましたから、結構「これで良いんじゃないの」と生返事というか、心のこもっていない返事を敢えてしましたが。

 ともかく、無事に卒論を書き上げ、単位も揃えてこの場にいる君たちにとっては、もはや書いた卒論やレポートの内容などはどうでも良いことでしょう。僕も忘れることにします。意地悪して、君たちの結婚式の日まで取っておくというようなことはしないと思いますので、ご安心ください。

 君たちのほとんどはこれから社会に巣立っていきます。社会に巣立つことに関しては、我々教員は偉そうなことは何も言えません。というのも、大学教員というのは、大学という狭い社会しか知らない、文字通りの世間知らずだからです。昨年から就職活動をし、就職先が決まっている皆さんは、我々より余程「社会性」を持っていらっしゃることは保証できます。それくらいしか保証できないのは心苦しいですが、仕方ありません。
 君たちは4月から、我々教員が体験したこともないような世界に飛び込まねばなりません。その世界が、大学同様ぬるま湯であることを心から祈っています。「人生、思った以上に甘い」というポジティヴな気持ちでお互い乗り切っていきましょう。数年後、もしくは数十年後に笑顔で再会できればいいですね。では、さようなら。

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大学」カテゴリの記事

Comments

Wow! 最後の段落が凄まじい。特に太字の punch line!

でも全体として愛情が溢れているし、せいせいしたような顔をして、なんとなく寂しさも。ご苦労様でした。

MWW

Waterman先生

子どもじみていると自分でも思うのですが、まじめなシーンでまじめな話をするのは、どうも照れくさいのです。まあ、僕の学生は、これくらいの冗談が洒落で済むくらい良い子達だったという事です。贔屓目なしで。
実際、世間の荒波にもまれたこともない教員が偉そうに言えませんよ…。

彼女達と再会することはあるのでしょうか。
まだ皆が卒業した実感がないので、再会とかイメージがつきません。
ただ、あえていうなら、理想の再会は誰かの結婚式で全員でニヤニヤすることです。
楽しみです。
皆が変に苦労することがないように願っております。
寂しい季節ですよね。。

来年度も宜しくお願いします。

K川さん
確かに、まだ「再会」って感じでもないよね。でも、二次会の後は号泣する子もいたそうじゃない?僕も4年間見守ってきた学年だから、寂しさを感じましたよ。
先輩面して言うと、大学の時の友人って、やっぱり重要だよ。何年振りに会っても、口調が学生時代と変わらずに済む友人の存在は、在り難いと感じるものです。
僕も早く誰かに「恩師」として結婚式に呼んで欲しいものです。スピーチは任せてください(笑)。

私は、ちょうど氷河期の最も厳しいときだったので、ゼミの同級生も結婚している人はいません。
その上、指導教員は亡くなり、ゼミの指導教授以外の人を結婚式に招かなくてはなりません。まあ相手がいませんが。
「恩師」が若いっていいですよね。

小林様、ブログは拝見していますが、このように挨拶するのは初めてですね。
僕の就職活動期はバブルが崩壊した直後ですか(1993年です)。でも、それなりに友人の就職状況は良かったように記憶しています。少なくとも、厳しかったと言う記憶は余りありません。僕は大学院進学を考えていたので、まともに考えていなかったんですが。

結婚式で卒論やレポートの内容暴露、というのはまあ半分冗談ですが(学生には「上司を呼ぶのが嫌なら、僕を使ってくれて良いよ」と申し渡しています)、確かに、僕は比較的若いので、呼ばれる可能性はあるでしょうね。

別件ですが、昔内田樹先生に触発されて書いたエッセイがあります。別ブログに問いかけられた疑問の一端は、このエッセイでお答えできているかと思います。ご覧いただければ幸いです。
http://homepage1.nifty.com/tkawase/essay/syukatsu.htm

 川瀬さん、ご無沙汰しております。
 毎年恒例の卒業エッセイですね。
 大学関係者としては、はなむけの言葉ってなかなか素直には言えませんよね。

 それでも、末尾の「その世界が、大学同様ぬるま湯であることを心から祈っています」はまさに本音。
 大学の外の世界で、世間の荒波に一応揉まれ(ながら、大学で学業をしてき)た経験を持つ1人としては、大学くらいの良い意味での“ぬるさ”がなければ、本当に良い仕事なんて出来ないと、ここ数年来心底思います。

 そんな大学の籍ですが、諸般の事情により、僕も籍がなくなることになりました。
 今日が、平日の大学での活動を行う最後の日です(制度上、籍は明日まで)。
 多くは語りませんが、ある種の政治的な事情と家庭の事情によります。
 それでも、秋の学会には行くつもりですけど。

 友人がやっている NPO の活動を手伝っている関係で、大学や学問の世界とのつながりは持ち続けていられるのですが、大学という場はそうした活動の拠点として何かと便利なので、その点ではややハンデを背負う羽目になりそうです。

 就職活動の記事、僕も全く同感ですね。
 良いとこ取りもいい加減にせーよwとか、いつも思います。

横山さん
この「ぬるま湯」発言、同僚にも受けが悪かったのですが(笑)、厳しいことが判っている社会に今から出て行く学生に向かって、「厳しい世の中だから頑張って」というのは無意味だなと思って、こういう発言を敢えてしたわけです。でも、同僚には文字通りに取られたみたいで。

>大学くらいの良い意味での“ぬるさ”がなければ、本当に良い仕事なんて出来ないと、ここ数年来心底思います。

ホント、同感です。そういう余裕がないと、学問の発展なんか、ありませんよ。目先の小さな事しかできなくなっちゃう。
横山さんの前途も、そこそこ緩い環境でありますように。

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