« October 2007 | Main | December 2007 »

November 22, 2007

「何故人はそう考えるのだろうか」という問い

今日は、大学で僕のゼミ(討論形式の授業)を取っている学生さんに向けての、ちょっと抽象的な「お説教」です。

最近、ようやくゼミや基礎ゼミ(基礎講読)で「自分の意見」というか、とにかく「声」が上がってきたのはよい傾向だと思います。僕は気が弱くて、ゼミでシーンと沈黙が一分以上続こうものなら、ついついおしゃべりを始めてその間を埋めようとしてしまいがちなのですが(僕の雑学が最も活かされる瞬間でもあります)、この頃はそういうことをしなくても良くなってきて、僕としては、少し楽になってきました。
当然君たちが口にするのは「私の意見」なわけですが、ちょっと皆さん、「私の意見」を言うのと同時に考えて欲しいことがあります。それは「他人の意見」というか、自分とは違う見解を持った人への想像力です。
「私はこう思います」、もちろんこれは重要です。ここから全ては始まりますが、「私は何故こう思うのだろう」という自己省察、そして「何故他の人は私と同じように考える(もしくは考えない)のだろう」というところまでいって、ようやく「学問的」になるのです。「私はこう思う」だけでは、残念ながらダメなのです。

例えば、現在2年生の基礎ゼミでは、明治以降の「天皇制」の問題の簡便な本を今読んでいます。そしてコメントとして「私は天皇(制)には関心がありません」「皇位継承なんかよりももっと大事なことがいくらでもあるだろう」と言うのは簡単ですが(僕だって、そうは思っています)、「何故、ある人にとっては、天皇の跡継ぎ問題があたかも日本の死活問題のように語られるか」「何故天皇制は昔あれほどの力を振るったのか」というところまで考えて欲しいわけです。「私の感覚」をとりあえず一旦棚に上げて、自分とはある意味対立するような意見にはどんな論理が隠されているか、というのを考えることも大事なのです(論破するのはその後です)。

自分の意見を言うのは第一段階、他人の意見を聞くのは第二段階、そして、その場にいないような人の意見をも忖度し、その上で自分の意見を述べる第三段階まで行って欲しいと僕は思うのです(別に「弁証法」とか、そういう言葉は覚えなくても良いから)。
要するに、せっかくの発言ですから、一方的なものではなくて、双方向的なものを目指して欲しいってだけの話なんですけどね。

| | Comments (2) | TrackBack (1)

November 19, 2007

ゼミコン兼誕生日会

071119birthday_004 今日は僕の誕生日でした。人生三度目の年男です。
そこで、主に三年生が中心となって、ゼミの後そのままお祝いの飲み会をしてくれるという事になりました。ありがたい事です。実は、今日の飲み会、今年初めてのゼミコンパでした。というのも前期は、ゼミの直後に組合のお仕事が毎週あったので、そのまま飲みに行くという事ができなかったんですよね。というわけで、本来は春先に自己紹介を兼ねて早めにすべきところでしたが、こんな冬直前に第一回目の川瀬ゼミコンをやる事になりました。
参加者は16名ほど。場所は四条木屋町の焼き肉屋(恐らく最近オープンした店だと思いま071119birthday_005 す)。焼き肉、というのは、僕がゼミ生の若さを考慮して選んだのです。コンパ幹事からどういう店が良いですか、といわれた時、皆さん若いから肉でもがつがつ食ったら、といいました。僕自身はもう油が抜けて、肉よりも魚や大豆製品を選ぶ大人になっていますが。
幹事のN山さんの発声で乾杯して、みんなに祝ってもらいます。こんなにも複数の方から祝っていただけるなんて、幸せ者ですね。数年前は母から「あんた、京都で独りの誕生日で寂しないん?」という電話が来て死亡しましたが(お母さん、気遣いありがとう)。
時間制限の食い放題、飲み放題の店なので、みんなハイペースで飲み食いをします。ホント、若いなあと思いましたね。あっという間に肉はなくなっていきます。まあ、僕もそこそこいただきましたが。
071119birthday_006 そして、宴もたけなわになった頃、学生諸君から僕に誕生日プレゼントが贈られました。実は、一緒にこの焼き肉屋に行く途中で、学生が持っているやたら大きな紙袋になにやら「やばい」ものを感じていたのですが、その予想は当たりました(できれば当たって欲しくはありませんでしたが)。
まずは、ゼミ生のみんなからの寄せ書き(ポストカードにでしたが)が贈られました。これには素直に泣かされました。先生稼業をやっていて良かったなあ、と思う瞬間ですね。ところが、紙袋の中から不穏なものが次々と取り出されます。上の写真から説明しますと、謎の「羽仮面」「キューティーハニー飴(一つだけ「ハニー」ではない味のが入っているロシアンルーレット飴、だそうです)」。この羽仮面を付けたり、どさくさに持ってこられていたカツラをかぶったりした僕の写真は、何人かの学生諸君の携帯電話に収められた事でしょう(このブログにおいては倫理上まずかろうと思い却下)。そういうアホな事をしているのを尻目に、表情も変えずに「カルビお待たせいたしました」と肉を持ってくる従業員のお姉さんにプロ意識を感じたのは、また別の話。そして、目玉親父が張り付いている「湯飲み」。まあ、これは071119birthday_007可愛いので、早速明日から研究室で使わせてもらいましょう。で、問題は、大きな紙袋の90%を占めていたブツでした。今更新婚さんでもないのに、ベルばら調の「イエス・ノー枕」が進呈されました。これらのブツは、大学近くのビレッジ・ヴァンガードで揃えてきたそうです。こんなのまで売ってやがったとは。思い切って、客人用の枕にしてやろうか、と血迷いかけました。というわけで、最初の寄せ書きで感涙させられ、他のプレゼントでは別の意味で泣かされたわけです。

一次会のあとは、一応解散という事になって、まだ時間のある人間だけで、近くのゲームセンターに行ってプリクラを撮りました。プリクラなんて、何年ぶりなんだか。そこで無駄に凝りまくったプリクラを撮影し(その写真を今は携帯に送れる時代になったんですね。驚き。今、僕の携帯の壁紙はそのプリクラ画像です)、久々にUFOキャッチャーやレースゲーム、クイズゲーム、「太鼓の達人」などに興じてしまいました。僕はUFOキャッチャーで、なんとお菓子の箱(ラムネやガム)を3ハコも取る大漁振りで、無駄な才能がある事を学生に見せつける結果となりました(来週のゼミで、みんなに配る予定)。

いやあ、今日は遊んだ遊んだ。今日は本当に楽しかったし、嬉しかったです。みんなありがとう。みんな良い学生で、先生、マジで感激しました。
将来羽仮面を付ける機会があるのかどうか判りませんが(週末の学園祭で使ってやろうか)、とりあえず大事にします(というか、押し入れの奥にしまうしかないだろ、枕と羽仮面は)。お休みなさい。

| | Comments (6) | TrackBack (0)

November 17, 2007

安彦良和原画展@美術館「えき」KYOTO

071117yas_5 今日は休日という事で昼前まで寝てしまいました(まあ、昨日お酒を飲みながら内田樹先生の『村上春樹にご用心』を読みふけって夜更かししたのもありますが)。
さて、せっかくの休日、何をしようと思い、京都駅伊勢丹にある美術館「えき」で開催されている「安彦良和原画展」に行く事に決めました。
安彦先生は、僕の世代にとっては何よりも「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザイナーとして記憶されている人ですが、その他のアニメ作品、漫画と、旺盛な創作活動を行っている方であることは今更言うまでもないでしょう。僕などは後年、幼稚園くらいで見ていたアニメーションにも安彦先生が関わっている事を知って(例えば「超電磁ロボ コン・バトラーV」とか「勇者ライディーン」のキャラクターデザインは安彦先生)、先生の偉大さに打たれたものです。
僕は漫画家としての安彦先生の大ファンでもあるので、駅で予告ポスターをみた時からこれは071117yas_2 是非行かねばと思っていました。そうこうしているうちにこの展覧会がスタートしたのですが、たまたま、僕の教え子で某博物館に勤務している子がいて、彼女が「職場に何枚か招待券が届いたので、先生に差し上げます。私、先生みたいなガンダム世代でもないし」と、僕に招待券を送ってくれたのですね。学生には優しくしておくものです(笑)。というわけで、ただで拝見する事ができました。ありがとう、Y佐さん!
071117yas_4 さて、入る前から壁にはシャアやらアムロやら、「虹色のトロツキー」や「アリオン」の拡大コピーが壁沿いに並べられていて、早速テンションが挙がってしまいました。単純な奴です。そのまま喜び勇んで、会場に突入しました。今日は休日だし、メチャクチャ混んでいるかなあ、と心配したのですが、それほど混んではいませんでした。しかし、熱心なファン(僕もその1人ですが)が一枚一枚、ためつすがめつ眺めるものですから、遅々として進みません。まさに牛歩。しかも、カップルで来ている人が多かったのですが(恐らく、ガンダム好きの彼氏に付き合わされた、という人も多かったと思います)、彼氏が彼女に講釈・蘊蓄を垂れたり、オタク趣味の一致しているカップルは「このラインが」とか、恐れ多くも安彦先生の絵にダメ出しをしているものまでいて、牛歩に拍車を掛けます。「お前ら、良いから、前に進め」と心の中で叫びつつ、僕も原画を舐めるように見てしまいました(僕も後ろの人から「独りで来ているくせに、とっとと早く進め」と思われていたかも知れません。済みません、この場を借りてお詫びします)。
安彦先生の絵の上手さは、僕のような素人には上手に表現できませんが、敢えて言えば、先生の描く肉体のライン、ことに「足」のラインは、素晴らしいものがあると思います。僕が思うに、安彦先生が描く女性キャラクターの太ももの曲線は、日本の漫画家で最高の「脚線美(文字通り)」だと思います(言い訳しますが、僕は別に足フェチというわけではありません)。
何だかんだで一時間ほどいたでしょうか。会場の一番最後には、お定まりのグッズ売場。安彦先生の漫画はほぼ全て持っているので買うものもないのですが、やはり来た記念に今回の展示の図録と、ポストカードセットはしっかり買ってしまいました。あと、凄くレアなブックレットも買いました。それは

安彦良和『漫画で描こうとした大陸と日本青年(愛知大学東亜同文書院ブックレット2)』(あるむ、2007年)

というもの。要するに安彦先生が『虹色のトロツキー』とか『王道の狗』とかを描く背景を語った講演録なのですが、さすが東亜同文書院の流れを汲む愛知大学、ナイスな企画を立てたものです。

満足して会場をあとにしたのですが、何と驚いたのは、京都の映画館「みなみ会館」で、「安彦良和の映画世界」という企画が来週末(23、24、25日)に行われ、先生も舞台挨拶に来たり、「ファーストガンダム」三部作やら、「クラッシャージョウ」やら「ヴィナス戦記」などを一挙に上映するというビラが目に飛び込んできました。どどどどうしよう。僕などは「ファーストガンダム」は台詞も憶えるくらい見ていますけど、実は劇場のスクリーンで見た経験というのがないのです。「めぐりあい宇宙」だけでも見に行くか(オールナイトはさすがに厳しいな・・・)。
というわけで、これを見ている方で、「僕(私)もちょっとこのみなみ会館の企画に興味がある」という方は、僕にご連絡ください(笑)。では。

追記:僕の学生さん達へ
知っている人もいるでしょうが、僕の研究室の一角には、歴史や宗教をモチーフとした「お勉強になる」漫画を何冊か置いています。安彦先生の漫画(『王道の狗』『ジャンヌ』『イエス』『蚤の王』など)もたくさん置いていますので、この記事を読んで興味が出てきた方は、借りに来てください。

| | Comments (8) | TrackBack (0)

November 11, 2007

帰郷第一弾―鈴木祥子@ステラボール

Shoko さて、今日もしつこく鈴木祥子さんのライヴに行って参りました(最近ライヴレポ専用ブログになってきましたね、これ)。場所は品川ステラボール。品川プリンスホテルの裏側にあるイヴェントホールです。僕にとっては、祥子さんの東京初ライヴとなります。
本当はこのホールライヴは行く予定ではなかったんですが、このライヴ予告のビラ(フライヤー)があまりにもかっこよすぎて(写真参照)、ついついネットでチケットセンターにつないで衝動的に買ってしまいました。
そういえば、今日11月11日は、今年亡くなった祥子さんのお父様のお誕生日。祥子さんの胸に去来するものは一体どんな感情か、お父さんを思いつつやっぱり「あの曲」をやるのかな、などと思いつつ会場に向かいました(ちなみに、僕の予想はほぼ当たりました。後述)。
まずは時間つぶしに、このステラボールに隣接している水族館「エプソンアクアスタジアム」に立ち寄りました。僕は何を隠そう、結構水族館好きなのです。ただ、妻が無脊椎動物の一部が苦手で、最近一緒に行っておりませんが。そこで一人っきりでしっかりイルカショーを見てから外に出ました(一人でイルカショーを見るなんて強者ですね、と後で人に言われました)。
5時開場というので、ちょっと早めにホールの入り口に向かいました。そこには、このところのライヴで知り合いになった「祥友」のいつもの皆さんが(K口さん、K崎さん、K山さん、りゅうさん、shineyokoさんYOHさん、A山さん、H瀬さん、ともも☆さん、まきさん、K島さん)。そして、メール等でやりとりしていたアーパパさん、マリンさん、NAG@さん(皆さん仮名)とも初めてお会いすることができました。どんどん知り合いの輪が広がっていきますね。その皆さんと談笑しているうちに、開演時間となりました。開演は予定より約30分遅れましたが。ステラボールは思った以上に広い会場で、これほどの大きなハコでの祥子さんも、僕は初めてです。客入れの音楽は、バッハ。祥子さんって、結構バッハ好きなんですよね。でもロックコンサートの客入れの音楽がクラッシックだなんて、あまりないと思います。あと、観客の年齢層はやはり高め。
今日のサポートメンバーは、大友良英さん(EG)、勝井祐二さん(EV)、芳垣安洋さん(Dr)、坂本弘道さん(Cello)の皆さん。大変な豪華メンバーといえましょう。この皆さんをバックに、バンド形式でやるのかもなあ、などと期待してしまいます。
以下、いつものようにセットリストを記して感想を書いていきたいと思います。

さて、祥子さんが登場しました。最初の衣装は黒のジャケットとパンツ、そしてインナーは赤いタンクトップでした。出だしは何と、ドラムから。ステージ真ん中の雛壇の上に、祥子さんのドラムセットは設置してありました(配置は舞台に向かって左からピアノ、ウーリッツァー、祥子用ドラム、坂本さん、勝井さん、大友さん、芳垣さん)。
1)True Romance(Dr)
いきなりのツインドラムでやってくれました。おお、すげえ、とあっけにとられる僕たち。終わった後、スティックを放り投げることまでしちゃう祥子さん。最初からエンジン全開です。
2)Frederick(P)
息もつかせず、今度は舞台左端のピアノに移って、Patti Smithのこの曲。毎回ライブでやっていますが、この曲は本当にいいですね。
この二曲を立て続けにやって、まずは深呼吸。祥子さんも息が上がっています。ここでサポートメンバーの皆さんは一旦退場して、ここから祥子さんのソロになりました。最初のMCで「Hello Tokio! How do you feel?」なんて、外タレみたいな挨拶をする祥子さん(笑)。「ホームグラウンド」の東京に戻ってきた祥子さんの第一声がこれでした。「今回、このライブでやる曲を選曲していて、季節はもう晩秋なのに、なぜか夏の曲が多いです。なぜかそんな気分です」と言って立て続けに演奏したのはこの懐かしい曲たち。
3)モノクロームの夏(W)
4)夏はどこへ行った(W)
5)Get Back(W)
祥子さん曰く、「Get Backみたいな昔の曲を聴いていると、ああ若いな、未熟だな、と思って恥ずかしかったんですが、今となってはなかなかいい曲じゃんと開き直れてきました。器がでかくなったというか未熟を笑い飛ばせるというか(会場爆笑)」
6)優しい雨(W)
キョンキョンに提供したおなじみの曲ですね。今日の空模様にあわせてのチョイス(?)。
7)Father Figure(P)
今日は祥子さんの亡くなったお父様のお誕生日。たぶんこの曲やるんじゃないかな、と密かに思っていたらドンピシャでした。歌詞の「星と観覧車と月」というのにあわせて、舞台の背景は星の海に。実は僕、この曲京都のライブで聞いたときはそれほど印象に残らなかったのですが、今日の演奏はすごく引き込まれました。
8)恋のショットガン(Dr)
この曲はリクエストに応じた形になっていましたが、実は夏の南青山マンダラでうまくできなかったので、祥子さん自身の「雪辱戦」としてドラムだけで歌うという変速パターン。でも最初に「あ、スティックはどこ~?さっき放り投げちゃった」というオチあり。このときに祥子さんはジャケットを脱いで赤のタンクトップになったんですが、そのタンクトップが、何て言うんでしょう、前のボタンが飛び飛びで、おへそとかが見える仕様になっていてですね、遠目にもあまりにtoo sexyで、僕は頭の中で「大変だー」と叫んでしまいました(何が大変なのか)。おそらくシャイガイの多い祥子さんファンの皆さんも、「色っぽいのはいいけど、ここまでセクシーすぎると困ってしまう」と目のやり場に困り、うつむいてしまう人がたくさんいたことと思います。雪辱戦、と言っていましたが、やっぱり(?)トチってしまい(そこはご愛敬)、祥子さんはそのままJanis Joplinになりきるという(反則)技を仕掛けてきました(笑)。これは思いつきなのか、予定通りなのか判断に苦しむところですが、とにかく様になってしまうところがすごい。というわけで、
8)’Move Over(Janis Joplinのカバー)
この後、「恋のショットガン」に戻って終了。
9)風に折れない花(W)
激しいドラムプレイの後は、しっとりとした名曲を。目を閉じてうっとりする人続出。人数は多くてもシャイな東京の皆さんは「You are the melody♪」というさびの部分の英語詞のところをささやくようにこそこそ歌いました(って、僕も何となく照れてカヒミ・カリィ並みにウィスパーヴォイスでしか歌えなかったんですが。すみません)。祥子さんは衣装替えのために一旦退場。
10)interlude(大友良英)
大友さんが祥子さんの衣装替えの間、間を持たせるため(?)、ギターをかき鳴らしましたが、インタールードと言うにはあまりにも激しいノイジーサウンド。祥子さんは、現在のオフィシャルサイトに載っているのと同じが、それに似た黒のチェック柄のツーピースで再登場。ドラムの芳垣さんも再登場。
11)波の化石(ファシル)(W)
これは超激レア曲ですよ。まずライブでやったことなんて、ほぼないんじゃないでしょうか。何とファーストアルバム『ビリジアン』から。「ファシル」という単語を聞いて、ようやく思い出しました。この曲で芳垣さんout。その代わりに勝井さんと坂本さんin。
12)She's Leaving Home(Beatlesのカバー)
『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』所収の曲。祥子さんは舞台真ん中にたって、詩の朗読のように歌うスタイル。この曲で大友さん、勝井さんout。
13)かもめ(W)
チェロの坂本さんとのコラボ。これも懐かしい曲だなあ。祥子さん、今回は「夏」に関する曲を多く選んだと言っていましたが、それとは別に、デビューから5枚目までの曲を意識的に選んだような気すらしました(そういう世界が好きなファンが大挙して押し寄せていた気もしますが)。この曲で坂本さんout。
14)本当は哀しい関係(仮)(W)
新曲。初めて聞きました。歌詞の内容は、一言で言えば「欲望の模倣性」についての曲、と言えばいいでしょうか。つまり、欲望というのが人の欲望を模倣して発生する、というのは精神分析や社会学でよく言われていることですが(ブランド品に対する欲望なんかが典型的ですね。僕の知っている学者だとルネ・ジラールという学者が欲望の模倣性について分析しています。詳しくはこちらの僕のエッセイをどうぞ)、「私があなたを好きだというこの欲望はどこからくるの」「この欲望はあたしのものではなくて」「あなたのものでもなくて」と自分と「あなた」に問いかけ続けて、「あたしとあなたの関係は本当は哀しい関係(でもその関係でしかつながっていないのね)」というような内容の歌詞、だったと思います。ちょっと僕の記憶違いもあるかもしれませんが。この曲は、社会学や精神分析をちょっとかじってきた一学者としては色々言いたいこともあるのですが(笑)、「あの人でなければ駄目」というのだけは、模倣できないその人なりの「業」のようなものなのでは、と思っています。
15)忘却(W)
この曲も、お父様を思って歌うだろうなあ、と予想していたものでした。ふるさとの大森から二駅しか離れていない品川で歌う「忘却」、胸にしみました。
ここで、メンバーが全員再登場。
16)そしてなお永遠に(EG)
エレキギターを野蛮に(ほめ言葉)弾きまくる祥子さん。手拍子が起こりましたが、「I don't need 手拍子」なんてことも言っっちゃう祥子さん。シャイな我々は体を揺することくらいしかできず。
17)Love / Identified(P)
何度聞いても、この曲の「叫び」を含めたエモーショナルな部分にやられてしまいます。芳垣さんのドラムも素敵。
18)Happiness(V→W→V)
最初はアカペラで歌い始める祥子さん。この曲も一時は封印されていたんだよなあ。今日は原曲通り「生まれてからもう25年も」と歌いました。
19)あたらしい愛の詩(W)
この曲も最初はアカペラでスタート。何度もこのブログで書いている気がしますが、この曲の「愛がただの名前にすぎなくなって」という部分に、こりもせず泣かされます。

ここで一旦ライヴは終了。全員が退場して、祥子さんだけが再登場(衣装はスカートからパンツへ)。ここからはアンコールです。
20)Baby, it's you(EG)
「一人で生きていくのって、素敵じゃないよ!」と自曲につっこみ(このパターン、前にもありましたね)。
21)言葉(W)
何と、ホールなのにリクエスト。この曲を含めて、『Hourglass』からやってくれることは少ないんですが、今日は意外とレア曲の連発だったなあ。
22)あの空へ帰ろう(W)
これもリクエスト。リクエスト曲を叫ぶおじさんたちは、やはり初期の鈴木祥子の世界が今も好きなんだなあ、と再確認させられました(まあ、僕ももちろん好きですが)。MCでは、またまたしょこたんこと中川翔子ちゃんネタで盛り上がりました。しょこたんがこの前のコンサートの時、亡きお父さんの中川勝彦さんの席を設けて花束を置いた話とか。
23)五年の歌five years song(仮)(W)
新曲。祥子さん曰く「10年前なら一昔前、という感じだけど、5年というのは、成長したのかしていないのかがわからない、中途半端な年月だと思うんですよ」とのこと。そういう気持ちを込めて作ったもの。今日のライヴでは新曲が多く披露されたので、来年のデビュー二十周年に向けてアルバム作りに着手し始めているんだな、と勝手に期待がふくらみます。
24)Stay(Jackson Browneのカバー、P)
これは先週もやった曲ですね。「もうちょっとだけ残って、もう一曲だけ付き合って(ハート)」と祥子さんに言われて、付き合わない者がいましょうか(笑)。
この曲から、またバックメンバーの皆さんが全員出てきたんですが、何と皆さん全員、あの可愛らしい「Sho-co Journey」のTシャツまるで罰ゲームのように着させられているではないですか!思わず大笑い。祥子さんも一瞬舞台の袖に飛び込んで、すぐにこのTシャツに着替えてきました(帰りの物販で、ついついこのTシャツを買ってしまいました)。
25)Goin' Home(EG)
祥子さんも「もしかしたら、プロモーターとか、スタッフの人は(時間延長で)怒っているかもしれないけど、許してくれるよね(笑)」とこの曲で締め。これほどまでにアンコールをしてくれるとは我々も思ってもいませんでした。

これで全ての演奏は終了。時間がやはり押しているのか、係員に急かされて外に追い出され、そのまま品川駅前の居酒屋にて、時間のある人だけ残って軽く打ち上げをし、久闊を叙しました(一週間ぶりの人もいましたが)。明日が月曜ということで、急いで帰る方が多かったのが残念です。あと、大人数のホールでしたので、一旦見失うともう探せなくなって、お別れの挨拶をしそこねた方も数名います。この場を借りてお詫びします。
僕は今度は年末の京都拾得でのライヴに参加予定です。そのときに何人かの方はまたお会いしたいと思います。ではでは。

| | Comments (7) | TrackBack (0)

November 04, 2007

鈴木祥子@京都精華大学with浜田真理子、ふちがみとふなと、大友良英

07nov_002 今日は、京都精華大学まで鈴木祥子さんのライブを見に行きました。正式なタイトルは「浜田真理子+鈴木祥子コンサート ゲスト:ふちがみとふなと」で、浜田真理子さんふちがみとふなとのお二人と、大友良英さんという豪華ラインナップのジョイント企画でした。
そして今日もまたまた「祥友」の皆さんと一緒に待ち合わせ。今日いらした方はつかさん、まきさん、めんちかつさんYOHさん、のりぴさん、shineyokoさんご夫妻、りゅうさん、K口さん、A山さん、H瀬さんの皆さん(僕が挨拶した方のみです)。もうすっかり顔なじみです(外にも、ライブ会場で良くお見かけするけど一度も言葉を交わしたことのない方はたくさんいます)。さすがに京都精華大学は山腹にあるので、夕方になりちょっと冷えましたが、予定時間より約15分押しで入場開始。僕は舞台(今日の会場は大講義室なので、教檀なんですが)から見て少し右よりの二列目。今日もまたまた祥友の皆さんが一列目と二列目にゾロゾロ。
では、以下でセットリストを記していきたいと思いますが、よく判らないのもあります。もしよろしければ、コメント欄やメール、mixi経由で情報をお寄せいただければ幸いです(めんちかつさんに多くの情報をお寄せいただきました。多謝!)。

まずは「ふちがみとふなと」のお二人からスタート。渕上さんは「今回、こういうイヴェントにご相伴させていただいて、楽しませてもらおうと思っています」と前口上を述べ、立て続けに3曲披露。
1)不明
2)不明
3)池田さん(渕上さんが幼い頃に近所に住んでいた「池田さん」のことを思い出して歌ったもの。シュール。で、結局池田さんは何の商売だったんですか(笑))
4曲目に、祥子さんが加わります。この時の祥子さんは白のTシャツにジーンズというシンプルな出で立ち。まるで初期の片岡義男の作品に出てきそう。
4)You've got a friend(Carole Kingのカバー)祥子さんはヴォーカルオンリー。
一曲だけで祥子さんは一旦退場して、入れ替わりに浜田さんが登場です。
5)街の灯り(堺正章のカバー、浜田さんはピアノ)
そして浜田さんもこの一曲で退場し、代わりに大友さんが入ります。
6)ヘブン(ふちがみとふなと)
この曲で一旦渕上さんと船戸さん、大友さんも退場し、次からは祥子さんのソロになります。祥子さんは、ジャケットを羽織っての再登場。
7)愛の名前(W)
この曲は、声が凄く響いていて良かったなあ。教義室だから期待はしていなかったんですが、この部屋、凄く音響が良かったです。
8)たしかめていてよ(W)
最初、インプロっぽい入り方をしたので、判りませんでした。
9)I won't back down(W、Tom Pettyのカバー)
祥子さん曰く「この曲のタイトルは「引き下がらねえぜ」、という感じなので、攻撃的な時というか、こういうのを歌いたくなる気持ちの時があるんですよね。でも、私何で今こういう気持ちなんだろう(笑)」。こっちが聞きたいです(笑)。確かに、この曲の時の祥子さんはエモーショナルで、楽譜を放り投げたりというパフォーマンスも。
10)Blonde(V→W→P)
この曲は船戸さんのダブルベースと共に。最初はヴォーカルのみ。途中からウーリッツァーへ。途中なんか、ウーリッツァーvsダブルベースという感じの部分もあり、興奮させられました。最後はピアノに移って歌い上げる祥子さん。あんなに移動するなんて、恐らく予定ではなかったでしょうね。船戸さんは演奏中いつも笑っているので、苦笑なのかどうかの判定もできませんでしたが。
11)Goin' Home(P→W)
この曲も祥子さんの気まぐれで(笑)、最初はピアノから始まったのに、いつの間にはウーリッツァーへ。水晶のブレスレットのカチカチ響く音が、祥子さんが鍵盤をたたきつける度にかすかに聞こえてきました。「♪何もいい事がないのはこの街のせいじゃないと♪」という歌詞の時に「いえいえ、いい事はいっぱいありましたよ」と京都に対してフォローを入れる祥子さん。
ここで大友さんが合流。そしていきなり昔のフォークソングを。
12)旅路(W、風車のカバー←僕は知りませんでした)
何かのドラマの主題歌だったそうで、祥子さんはこのシングルを苦労して手に入れたそうです。
13)風の扉(W)
祥子さんは「学生運動のような曲」と紹介していましたが、どういうところがそうなのか、ちょっと判らず。大友さんと船戸さんはこの曲で退場。で、祥子さんは「この曲で終わりの筈だったんだけど、もう一曲やって良いですか?」とこれまたいきなりの追加。今日は本当に自由気ままだなあ。B型度120%(笑)。
14)東京で生まれた女(W)
本当に東京に帰ってしまう祥子さんの事を思うと、やっぱりしんみりしちゃいますよね。
ここで祥子さんも退場、ここから浜田真理子さんのパートになります。浜田さんは紫の着物で再登場。
15)再会の夜(P)
16)風の音(P)
17)愛の風(P)
18)この恋をすてたら(P)
19)唄う人(オクノ修のカバー、P)
20)夜が明けたら(浅川マキのカバー、P)with船戸さん
ここで浜田さんのプロデューサーでもある大友さんもin。
21)いつでも夢を(P)
この曲で、何と大友さんはヴォーカリストとしてデビュー!!(笑)浜田さんとのデュエット。ちょっと音を外したりして照れている大友さんにみんな和む。浜田さんも「大友さんにはいつもいじめられていますから、こういう機会に仕返しを(笑)」と発言。浜田さんの曲はどれも静謐な感じなのですが、MCを聞くに、結構豪快な人柄がしのばれます。他の歌手でいうと、大貫妙子さんと同様の「匂い」を感じました。大貫さんもさめざめ泣かせるような曲を書く割には、性格は姉御肌と聞き及んでいます。
22)哀しみのソレアードSOLEADO(P、歌詞は日本語)。メロディは誰もが聴いた事がありますが、曲名までは出てきませんよね(さっきアマゾンで調べました。大昔、梓みちよが歌っていたようです)。
23)純愛(P)これは以前祥子さんがカバーをしたので、憶えていました。
ここで、祥子さんが再び登場。あ、衣装が替わっている(肩出しキャミ&ブーツ)。そしてここからは浜田さんと二人でデュエット。浜田さんはピアノ、祥子さんはウーリッツァー。
24)夏はどこへ行った(二人の声が絡んで、これは絶品。YOHさんも大絶賛w)
25)The core of you(浜田さんの曲)
ここからは大友さん、ふちがみとふなとも加わり、5人でのジョイントでラストまで突っ走ります。
26)あなたに夢中(何とキャンディーズ!)
「女三人で何が歌えるかしら」と相談して、同世代の共通体験としてキャンディーズを選択したそうです。「私、蘭ちゃんの役、とか三人で話し合ったりしてね」と祥子さんはいっていましたが、続けて「私たち三人が歌うと怖いなんていわれるんですよね」と発言して大爆笑。大友さんも「女性三人集まると怖いですよ」とぼやいていましたが。いずれにしても、この曲で40前後のオッサンどもが喜びすぎ(笑)。
27)Rose(Bette Midlerのカバー。ジャニス・ジョップリンの伝記映画「The Rose」のサウンドトラックより)
28)黒猫のタンゴ(祥子さんはDr)
「タララララララララーラ」というイントロで、懐かしさ爆発。この曲にはビックリ。しかも祥子さんはこの曲で今日初めてのドラム披露。船戸さんのダブルベースもあるし、こんなに無駄にリズム隊がしっかりしている「黒猫のタンゴ」は空前絶後。
29)Close To You(Carpentersのカバー、祥子さんはW)
いやあ、バカラックサウンドはやはり癒されますなあ。前々から、僕は祥子さんの声質はバカラックサウンドにピッタリと思っています(だから『Shoko Suzuki Sings Bacharach & David』も僕の好きなミニアルバムです)。
一旦ここで皆さんは退場。以下の2曲はアンコールです
30)みんな夢の中(W)
これは、先日亡くなったヴァイオリニストのHONZIさんも歌っていたものだそうで(作詞作曲は浜口庫之助)、彼女に捧げる、という名目で、女性三人が次々と交代で歌いました。祥子さんはちょっと涙ぐんでいたなあ。
31)Stay(Jackson Browneのカバー、祥子さんはDr)
浜田さん曰く「私のライブではあり得ないような、明るく盛り上がる曲(笑)」。実際の歌詞の内容も「もう一曲やろうぜ、もう少し残ろうよ」というようなニュアンスらしいです。

これにて長丁場のライブは終了。みんなしてバスと地下鉄を乗り継ぎ、そのまま京都駅まで行き、僕が知っている駅前の居酒屋に直行して、このところ恒例となっている「祥友の飲み会」に突入。腹も減っていたし、ライブの余韻が覚めやらぬ中、みんなハイペースで飲んでいたら、ちょっとビックリする事が。というのは、店員の1人が「川瀬先生ですよね・・・」と声を掛けてきたからです。「私、先生の講義取ってます」といわれてひえー、京都では悪い事はできないなあ(悪いことしてないけど)、と改めて感じ入った次第です。彼女の粋な計らいで、デザートのゆずシャーベットをサービスで出してもらいました。ありがとう、Oさん!レポートを僕に出してくれれば、あとは大船に乗った気分でいてくれてかまいませんよ(笑)。
店じまいと終電の時間が来たので、今日は京都駅前で解散。皆さんお疲れ様でした。

| | Comments (10) | TrackBack (1)

« October 2007 | Main | December 2007 »