さて、今日もしつこく、鈴木祥子さんのライヴに行って参りました(最近ライヴレポ専用ブログになってきましたね、これ)。場所は品川ステラボール。品川プリンスホテルの裏側にあるイヴェントホールです。僕にとっては、祥子さんの東京初ライヴとなります。
本当はこのホールライヴは行く予定ではなかったんですが、このライヴ予告のビラ(フライヤー)があまりにもかっこよすぎて(写真参照)、ついついネットでチケットセンターにつないで衝動的に買ってしまいました。
そういえば、今日11月11日は、今年亡くなった祥子さんのお父様のお誕生日。祥子さんの胸に去来するものは一体どんな感情か、お父さんを思いつつやっぱり「あの曲」をやるのかな、などと思いつつ会場に向かいました(ちなみに、僕の予想はほぼ当たりました。後述)。
まずは時間つぶしに、このステラボールに隣接している水族館「エプソンアクアスタジアム」に立ち寄りました。僕は何を隠そう、結構水族館好きなのです。ただ、妻が無脊椎動物の一部が苦手で、最近一緒に行っておりませんが。そこで一人っきりでしっかりイルカショーを見てから外に出ました(一人でイルカショーを見るなんて強者ですね、と後で人に言われました)。
5時開場というので、ちょっと早めにホールの入り口に向かいました。そこには、このところのライヴで知り合いになった「祥友」のいつもの皆さんが(K口さん、K崎さん、K山さん、りゅうさん、shineyokoさん、YOHさん、A山さん、H瀬さん、ともも☆さん、まきさん、K島さん)。そして、メール等でやりとりしていたアーパパさん、マリンさん、NAG@さん(皆さん仮名)とも初めてお会いすることができました。どんどん知り合いの輪が広がっていきますね。その皆さんと談笑しているうちに、開演時間となりました。開演は予定より約30分遅れましたが。ステラボールは思った以上に広い会場で、これほどの大きなハコでの祥子さんも、僕は初めてです。客入れの音楽は、バッハ。祥子さんって、結構バッハ好きなんですよね。でもロックコンサートの客入れの音楽がクラッシックだなんて、あまりないと思います。あと、観客の年齢層はやはり高め。
今日のサポートメンバーは、大友良英さん(EG)、勝井祐二さん(EV)、芳垣安洋さん(Dr)、坂本弘道さん(Cello)の皆さん。大変な豪華メンバーといえましょう。この皆さんをバックに、バンド形式でやるのかもなあ、などと期待してしまいます。
以下、いつものようにセットリストを記して感想を書いていきたいと思います。
さて、祥子さんが登場しました。最初の衣装は黒のジャケットとパンツ、そしてインナーは赤いタンクトップでした。出だしは何と、ドラムから。ステージ真ん中の雛壇の上に、祥子さんのドラムセットは設置してありました(配置は舞台に向かって左からピアノ、ウーリッツァー、祥子用ドラム、坂本さん、勝井さん、大友さん、芳垣さん)。
1)True Romance(Dr)
いきなりのツインドラムでやってくれました。おお、すげえ、とあっけにとられる僕たち。終わった後、スティックを放り投げることまでしちゃう祥子さん。最初からエンジン全開です。
2)Frederick(P)
息もつかせず、今度は舞台左端のピアノに移って、Patti Smithのこの曲。毎回ライブでやっていますが、この曲は本当にいいですね。
この二曲を立て続けにやって、まずは深呼吸。祥子さんも息が上がっています。ここでサポートメンバーの皆さんは一旦退場して、ここから祥子さんのソロになりました。最初のMCで「Hello Tokio! How do you feel?」なんて、外タレみたいな挨拶をする祥子さん(笑)。「ホームグラウンド」の東京に戻ってきた祥子さんの第一声がこれでした。「今回、このライブでやる曲を選曲していて、季節はもう晩秋なのに、なぜか夏の曲が多いです。なぜかそんな気分です」と言って立て続けに演奏したのはこの懐かしい曲たち。
3)モノクロームの夏(W)
4)夏はどこへ行った(W)
5)Get Back(W)
祥子さん曰く、「Get Backみたいな昔の曲を聴いていると、ああ若いな、未熟だな、と思って恥ずかしかったんですが、今となってはなかなかいい曲じゃんと開き直れてきました。器がでかくなったというか未熟を笑い飛ばせるというか(会場爆笑)」
6)優しい雨(W)
キョンキョンに提供したおなじみの曲ですね。今日の空模様にあわせてのチョイス(?)。
7)Father Figure(P)
今日は祥子さんの亡くなったお父様のお誕生日。たぶんこの曲やるんじゃないかな、と密かに思っていたらドンピシャでした。歌詞の「星と観覧車と月」というのにあわせて、舞台の背景は星の海に。実は僕、この曲京都のライブで聞いたときはそれほど印象に残らなかったのですが、今日の演奏はすごく引き込まれました。
8)恋のショットガン(Dr)
この曲はリクエストに応じた形になっていましたが、実は夏の南青山マンダラでうまくできなかったので、祥子さん自身の「雪辱戦」としてドラムだけで歌うという変速パターン。でも最初に「あ、スティックはどこ~?さっき放り投げちゃった」というオチあり。このときに祥子さんはジャケットを脱いで赤のタンクトップになったんですが、そのタンクトップが、何て言うんでしょう、前のボタンが飛び飛びで、おへそとかが見える仕様になっていてですね、遠目にもあまりにtoo sexyで、僕は頭の中で「大変だー」と叫んでしまいました(何が大変なのか)。おそらくシャイガイの多い祥子さんファンの皆さんも、「色っぽいのはいいけど、ここまでセクシーすぎると困ってしまう」と目のやり場に困り、うつむいてしまう人がたくさんいたことと思います。雪辱戦、と言っていましたが、やっぱり(?)トチってしまい(そこはご愛敬)、祥子さんはそのままJanis Joplinになりきるという(反則)技を仕掛けてきました(笑)。これは思いつきなのか、予定通りなのか判断に苦しむところですが、とにかく様になってしまうところがすごい。というわけで、
8)’Move Over(Janis Joplinのカバー)
この後、「恋のショットガン」に戻って終了。
9)風に折れない花(W)
激しいドラムプレイの後は、しっとりとした名曲を。目を閉じてうっとりする人続出。人数は多くてもシャイな東京の皆さんは「You are the melody♪」というさびの部分の英語詞のところをささやくようにこそこそ歌いました(って、僕も何となく照れてカヒミ・カリィ並みにウィスパーヴォイスでしか歌えなかったんですが。すみません)。祥子さんは衣装替えのために一旦退場。
10)interlude(大友良英)
大友さんが祥子さんの衣装替えの間、間を持たせるため(?)、ギターをかき鳴らしましたが、インタールードと言うにはあまりにも激しいノイジーサウンド。祥子さんは、現在のオフィシャルサイトに載っているのと同じが、それに似た黒のチェック柄のツーピースで再登場。ドラムの芳垣さんも再登場。
11)波の化石(ファシル)(W)
これは超激レア曲ですよ。まずライブでやったことなんて、ほぼないんじゃないでしょうか。何とファーストアルバム『ビリジアン』から。「ファシル」という単語を聞いて、ようやく思い出しました。この曲で芳垣さんout。その代わりに勝井さんと坂本さんin。
12)She's Leaving Home(Beatlesのカバー)
『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』所収の曲。祥子さんは舞台真ん中にたって、詩の朗読のように歌うスタイル。この曲で大友さん、勝井さんout。
13)かもめ(W)
チェロの坂本さんとのコラボ。これも懐かしい曲だなあ。祥子さん、今回は「夏」に関する曲を多く選んだと言っていましたが、それとは別に、デビューから5枚目までの曲を意識的に選んだような気すらしました(そういう世界が好きなファンが大挙して押し寄せていた気もしますが)。この曲で坂本さんout。
14)本当は哀しい関係(仮)(W)
新曲。初めて聞きました。歌詞の内容は、一言で言えば「欲望の模倣性」についての曲、と言えばいいでしょうか。つまり、欲望というのが人の欲望を模倣して発生する、というのは精神分析や社会学でよく言われていることですが(ブランド品に対する欲望なんかが典型的ですね。僕の知っている学者だとルネ・ジラールという学者が欲望の模倣性について分析しています。詳しくはこちらの僕のエッセイをどうぞ)、「私があなたを好きだというこの欲望はどこからくるの」「この欲望はあたしのものではなくて」「あなたのものでもなくて」と自分と「あなた」に問いかけ続けて、「あたしとあなたの関係は本当は哀しい関係(でもその関係でしかつながっていないのね)」というような内容の歌詞、だったと思います。ちょっと僕の記憶違いもあるかもしれませんが。この曲は、社会学や精神分析をちょっとかじってきた一学者としては色々言いたいこともあるのですが(笑)、「あの人でなければ駄目」というのだけは、模倣できないその人なりの「業」のようなものなのでは、と思っています。
15)忘却(W)
この曲も、お父様を思って歌うだろうなあ、と予想していたものでした。ふるさとの大森から二駅しか離れていない品川で歌う「忘却」、胸にしみました。
ここで、メンバーが全員再登場。
16)そしてなお永遠に(EG)
エレキギターを野蛮に(ほめ言葉)弾きまくる祥子さん。手拍子が起こりましたが、「I don't need 手拍子」なんてことも言っっちゃう祥子さん。シャイな我々は体を揺することくらいしかできず。
17)Love / Identified(P)
何度聞いても、この曲の「叫び」を含めたエモーショナルな部分にやられてしまいます。芳垣さんのドラムも素敵。
18)Happiness(V→W→V)
最初はアカペラで歌い始める祥子さん。この曲も一時は封印されていたんだよなあ。今日は原曲通り「生まれてからもう25年も」と歌いました。
19)あたらしい愛の詩(W)
この曲も最初はアカペラでスタート。何度もこのブログで書いている気がしますが、この曲の「愛がただの名前にすぎなくなって」という部分に、こりもせず泣かされます。
ここで一旦ライヴは終了。全員が退場して、祥子さんだけが再登場(衣装はスカートからパンツへ)。ここからはアンコールです。
20)Baby, it's you(EG)
「一人で生きていくのって、素敵じゃないよ!」と自曲につっこみ(このパターン、前にもありましたね)。
21)言葉(W)
何と、ホールなのにリクエスト。この曲を含めて、『Hourglass』からやってくれることは少ないんですが、今日は意外とレア曲の連発だったなあ。
22)あの空へ帰ろう(W)
これもリクエスト。リクエスト曲を叫ぶおじさんたちは、やはり初期の鈴木祥子の世界が今も好きなんだなあ、と再確認させられました(まあ、僕ももちろん好きですが)。MCでは、またまたしょこたんこと中川翔子ちゃんネタで盛り上がりました。しょこたんがこの前のコンサートの時、亡きお父さんの中川勝彦さんの席を設けて花束を置いた話とか。
23)五年の歌five years song(仮)(W)
新曲。祥子さん曰く「10年前なら一昔前、という感じだけど、5年というのは、成長したのかしていないのかがわからない、中途半端な年月だと思うんですよ」とのこと。そういう気持ちを込めて作ったもの。今日のライヴでは新曲が多く披露されたので、来年のデビュー二十周年に向けてアルバム作りに着手し始めているんだな、と勝手に期待がふくらみます。
24)Stay(Jackson Browneのカバー、P)
これは先週もやった曲ですね。「もうちょっとだけ残って、もう一曲だけ付き合って(ハート)」と祥子さんに言われて、付き合わない者がいましょうか(笑)。
この曲から、またバックメンバーの皆さんが全員出てきたんですが、何と皆さん全員、あの可愛らしい「Sho-co Journey」のTシャツをまるで罰ゲームのように着させられているではないですか!思わず大笑い。祥子さんも一瞬舞台の袖に飛び込んで、すぐにこのTシャツに着替えてきました(帰りの物販で、ついついこのTシャツを買ってしまいました)。
25)Goin' Home(EG)
祥子さんも「もしかしたら、プロモーターとか、スタッフの人は(時間延長で)怒っているかもしれないけど、許してくれるよね(笑)」とこの曲で締め。これほどまでにアンコールをしてくれるとは我々も思ってもいませんでした。
これで全ての演奏は終了。時間がやはり押しているのか、係員に急かされて外に追い出され、そのまま品川駅前の居酒屋にて、時間のある人だけ残って軽く打ち上げをし、久闊を叙しました(一週間ぶりの人もいましたが)。明日が月曜ということで、急いで帰る方が多かったのが残念です。あと、大人数のホールでしたので、一旦見失うともう探せなくなって、お別れの挨拶をしそこねた方も数名います。この場を借りてお詫びします。
僕は今度は年末の京都拾得でのライヴに参加予定です。そのときに何人かの方はまたお会いしたいと思います。ではでは。
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