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March 27, 2008

全国アナログプレイヤー普及委員会第一回東京総決起集会

080327_003 さて、いつものように鈴木祥子さんのライヴ…ではなく、祥子さんが主催するイヴェント@南青山MANDALAに参加してまいりました。そのイヴェントのタイトルは、

全国アナログプレイヤー普及委員会(略してレコプレ)
第一回東京総決起集会  アナログ盤の未来とその可能性

というものです。祥子さんは常々「アナログレコードやカセットテープの音の方が膨らみがあってよろしい」というようなことをライヴ中のMCでおっしゃっていましたが、とうとうその思いを我々ファンに布教、いや普及させるべく「決起集会」まで開いてしまった、というわけです。このイヴェントは祥子さんやゲスト、そして我々観客が持ってきたアナログ盤を聞いて、アナログ盤の持つ「音の強靭さ」を再認識しよう、というのが趣旨、と言えばいいでしょうか。このイヴェントに参加した僕の「祥友」の皆さんは、K崎さん、YOHさん、K口さん、H瀬さん、ともも☆さん、NAGさん、A山さん。あとはいつも祥子さんのライヴでお見かけする人がちらほら。今日は平日だったので、仕事帰りでしょうね、スーツ姿の方が多かったです。

さて、定刻通りに「決起集会」はスタート。一人目のゲストは『CD Journal』(祥子さんの連載エッセイがありますね)編集長の藤本国彦さん(髭のナイスガイ)。まず祥子さんから「私、デビューは1988年で、今年20周年なんですけど、私のデビューの時がちょうどアナログが廃止されて、CDに切り替わる時期で、レコード出してやるって言われて喜んでいたら、できたのはCDで、ちっちゃ!、と思ったんですよね(笑)。私より半年ほど早くデビューした遊佐未森さんとか片桐麻美さんは、最後の最後でアナログ盤を出してもらっているんですよ。それがうらやましくて…」とのアナログ盤にかける情熱の一端を披露。なるほど、そういう思いもあったんですか。そうでした。僕が高校生の時ですが、一気にCDに変わりましたもんね。アイドルのLPなんか、あの大きさが結構嬉しかったりしたものですが、一気に小さくなったもんなあ。

第一部は「Jazz・Classic編」と題されて、祥子さんが持ってきた何枚かのアルバムがかけられました。以下、僕の調べがついた範囲で書いていきたいと思います。
1)Eric Dolphy Last Date
いきなり渋い!僕もほとんど知りませんが、早世した管楽器プレーヤーのアルバムです。このアルバムの‘Epistrophy’という曲でした。これはセロニアス・モンクの曲だそうです。
2)Thelonious Monk Thelonious Himself
次はそのモンクのアルバム。かけた曲はオープニングの‘April in Paris’と、コルトレーンが参加しているこのアルバムのラストの曲‘Monk’s Mood’。特にMonk’s Moodは祥子さんがホームページのエッセイで書いているように、確かに「悶絶もの」です。祥子さん曰く、コルトレーンのサックスの音というのは「非常に広がりがあるというか、大きい感じがする。包み込まれるというか。仏像を見た時のような感じ。精神が落ち着く、沈静化するんですよね」とのこと。
祥子さんはジャズを聴き始めたのは24歳ごろからだそうですが、あるジャズ喫茶でアルバート・アイラーをリクエストしたら、その前衛的すぎる曲のせいか、客が一人減り二人減り、最後には祥子さん一人になってしまったこともあったそうな(笑)。
3)バッハ「平均律クラヴィーア」
チェンバロ奏者のWanda Landowskaのアルバム。僕はこの人、全く知らないのですが、チェンバロの地位を高めた名演奏家だったそうです。確かに雑音も多いのですが、祥子さんが言うように「全体が鳴っている」というか、削ぎ落とさずにそのまま出された、という感じがしました。
4)バッハ「オルガンソナタ」
今度は教会のパイプオルガンの演奏。Marie-Claire Alainというオルガン奏者。これも上記のアルバム同様、その「空気感」まで含めての音、でしたね。

ここまでが第一部で、休憩をはさんで、「第二部 青春のPops & Rock編」に突入です。ここで、ゲストの鬼木雄二さん登場。
5)キム・カーンズ「ベティ・デイヴィスの瞳」
これは祥子さん所有のシングル盤。日本版。シンセ・ドラムが時代の最先端だったそうな。
6)井上陽水『氷の世界』
鬼木さんセレクト。問答無用の不朽の名盤。かけたのは「帰れない二人」。鬼木さんが聞きまくったアルバムなのだそう。祥子さんの感想は「フォークと思いきや、意外とロックな感じ」。ちなみにこの曲のギターソロは高中正義なんだそう。
7)荒井由美『COBALT HOUR』
祥子さんセレクト。かけたのはタイトル曲「COBALT HOUR」。やはり来たか、という感じですね。昭和30年代から40年代初期生まれの女性にとって、ユーミンはすごく大きな存在なんだなあ、と改めて思いました。「これぞニューミュージック!」と祥子さん。
8)Journey EVOLUTION
祥子さんが大好きな「Jのつくバンド」。かけたのは二曲目の‘Too Late’だったと思います。ヴォーカルのスティーヴ・ペリーが「直球ストライク」なのだそうで、現在携帯の待ち受け画面まで彼の写真という衝撃の事実が発覚(笑)。そういえば、「20周年記念ブログ」でも熱く語っておられましたね…(遠い目)。ちなみにこのアルバムは1979年で発売で、祥子さんがテキサスのヒューストンに行っていた時期でもあるんですね。
9)Led Zeppelin In Through The Out Door
鬼木さんセレクト。これも1979年発売。かけられたのは‘All my love’だと思います。祥子さんの発言で笑ったのは「Led ZeppelinとかDeep Purpleとか、王様が直訳歌詞を歌ってたけど、歌詞をよく読むと、すごくバカなことが書いてあったりするんですよね。王様のを聞いて、なんで私、こんなのをカッコイイと思いこんでいたんだと落ち込みました」。
10)Cheap Trick At Budokan
当然、祥子さんセレクト。かけたのは‘Surrender’これまた1979年。70年代の終わりに集中しちゃいましたね。
そしてこの後、祥子さん(V)と鬼木さん(G)で2曲演奏してくれました。
●Come on, Come On(Cheap Trick)
●曲名未詳(鬼木さんの曲なのですが…。情報求む)

ここで鬼木さんが退場。そのまま「第三部 ノスタルジーと未来編(もしくはお客さんとの掛け合い)」に移行しました。ここからは祥子さんのレコードを出すAngel Recordの平沢さんも参加。
まずは、今日、この会場で発売される予定だった祥子さんのアナログ盤“Absolutely Alone In Kyoto Jittoku”テストプレス版が披露されました(スリーブは届いているのですが、肝心のレコードが結局間に合わず、会場で予約した人にあとで中身だけ発送する、ということになりました。平沢さんはそのお詫びも兼ねての登場でしたが、そのまま参加)。そこからまず一曲。
11)Father Figure
祥子さん曰く「自分で聴き入っちゃった(笑)。自分の声をアナログ盤で聞くのは生まれて初めてだし」。これはやはりいい曲。
12)B.J.トーマス「Mighty Cloud Of Joy」(客持込み)
バカラック(先日の日本公演、祥子さんはしっかり行ったそうです)の「雨に濡れても(Raindrops Keep Falling on My Head)」のヴォーカルの人。シングル盤でした。
13)ニール・ヤング『孤独の旅路』(K口さん持込み)
祥友のK口さんが、祥子さんがかつてライヴでカヴァーしたり言及したりしたものを何枚かDisk Unionで買い集め、祥子さんによってこれが採用されました。すごい!
14)Linda Ronstadt  Heart Like a Wheel(客持込み)
かけられたのは一曲目の‘You're No Good’。これがアルバムの邦題の「悪いあなた」となったようです。「祥子さんがCD Jouenalでの記事で言及されていた」とのことで、このお客さんはそのコピーを持ってきていたのですが、よく見ると『CD Journal』ではなくて『FM Fan』だったというオチ。冷静に返す藤本編集長に惚れた(笑)。
15)The Beatles Rubber Soul
言わずと知れたビートルズの名盤。これは祥子さんセレクト。かけられたのは一曲目の‘Drive My Car’でした。ここでゲストの藤本さんと平沢さんのものすごく濃いビートルズ談義がはじまりかけたのですが、時間の関係上すっ飛ばされました。ただ、CD化初期の音はひどいので買わない方がよい、最近のは相当改善された、との情報をお聞きしました。そんなにひどかったのか…、僕が聞いていたやつは。
16)Carnation Real Man(客持込み)
祥子さんファンとカーネーションファンを兼ねている人は大勢いらっしゃいますが、その中のどなたかが持ってきました。Liquid Roomでのライヴ音源なのだそうです。
17)鈴木慶一ソロアルバム『ヘイト船長とラヴ航海士』(平沢さん持込み、だと思います)
カーネーションから鈴木慶一さん、というのもなかなか意味深長な流れではありますが、慶一さんが最近出したソロアルバム。限定版で、モノで録音というレアもの。でも祥子さんは「音が太い!」と絶賛。

全国アナログプレイヤー普及委員会の書記長としての祥子さんの強調点は、「アナログは人間くさくて」、「ロマンティックで」、「音の生命が長い」ということ。それに比べて、たとえばi-Podとかはどうも好きになれない…ということ。僕自身はアナログレコードの良さを感じる間もなくCD時代に突入して、スピーカーに凝ったこともないので偉そうなことは言えないのですが、これを機会に、ちょっと中古レコード屋巡りしてみてもいいかも、なんて思ってしまいました。洗脳されやすすぎでしょうか?とりあえず、今度ジャズレコードを見てみたいな、と思います。
3時間近い長丁場に及んだ「レコプレ」決起集会はいったんこれでお開きとなり(まさに「うちにレコード聴きに来ない?」という一昔前のコミュニケーションの再現だったといえましょう)、最後に祥子さんのソロで、ピアノの弾き語りがありました。僕の座っていたのはちょうどピアノの真横。
●5 years/and then
●Father Figure
●新曲(本邦初公開)
最初の二曲は、レコードにも収録されているもの。しかし実際に立て続けに聞いていると、たまらんものがありました。祥友YOHさんも、Father Figureが好きでたまらないのに、これをやるライヴに限ってお休みだったりしたのですが、とうとう本懐を遂げられました(笑)。最後の曲は、まだタイトルもちゃんと決まっていないようでした。人前で歌うのは初めてだとのことですが、ハッピーな感じのラヴソングでした。

080327_007 このあとはあわててレコードスリーブへのサイン会。祥子さんは予約した名前を見てサインしてくださいました。で、実は今回一番うれしかったというか、衝撃だったことはこのサイン会で起きたのです。僕の番になったとき「あ、お久しぶりです」と言ってもらえたのですよ。うひーっ、ももももしかして、このところいつもしつこく前列で座っている僕の顔なんぞを憶えてくださったのでしょうか。この突然の「デレ成分」のドーピングで、ちょっとだけ気が遠くなりました(笑)。
本当はこの後祥友の皆さんと一杯いきたかったところですが、もはや時計は11時近く、しかも平日ということで、そのままお別れしました。
というわけで、最後の最後に「こわいくらいの完璧(Father Figure)」なプレゼントをもらい、帰宅した僕なのでした。

March 24, 2008

はなむけのことば

みなさん、ご卒業おめでとうございます。
何とか卒業に漕ぎ付きましたね。めでたしめでたしのハッピーエンドです。皆さんの学業の集大成たる個々人の卒論に関しては、何ともかんともここでは申し上げませんが、学年担任としてはとりあえず胸をなで下ろしております。早く忘れましょう。僕も忘れることにします。

さて、約4年前、僕は学年担任として皆さんと対峙し、今日この日を迎えたわけですが、この4年間、皆さんにとってはどういう年月だったでしょうか。残念ながら、君たちの卒業するこの国際文化学科は統廃合され、僕としても君たちがこの学科で受け持つ最初で最後の学年になってしまいました。
最後ですから正直に言いましょう。君たちの学年は、教師の僕にとって、扱いやすい学年ではありませんでした。一番それを自覚しているのはみなさんかも知れませんが。
まず、新入生合宿の時から大暴れしてくださいましたからね、君たちは(暴れたのはごく一部の人ですが、印象は強烈です)。あと、勉強は言われなければしない、提出物も急かされないと出さない、音信不通になる、事故を起こす、卒論は最後まで冷や冷やさせられるなど、何故僕はこの学年の担任なのか、などと思い、これは仏教用語でいえば「宿業」とでも言いましょうか、僕は前世で何をしたんだとか、はたまた君たちはもしかしたら僕にとってネガティヴな意味での「善智識」なのかも知れないなどと自分を慰めました(善智識、というのは、元々正しい信仰に導いてくれる人間や、そのきっかけを作ってくれる人の事です)。
まあ、逆の立場から見たら、何でこんなのが私たちの担任なの、という可能性もありますから、お互い「成長するために神様がくれた試金石のような存在だった」とお茶を濁しておきましょう。我々が出会う事を仕組んだのは、どこの神様かは判りません。そういう事は宗教学の教科書には書いていませんので。

さて、皆さんは悔いのない学生生活を送ったでしょうか。もしそうならば幸いですが、たいていの人は、一つか二つ、悔やんでも悔やみきれない出来事があったかと思います。
後悔、というのは2種類あります。「やってしまった事」を悔やむ場合と、「やれなかった事」を悔やむ場合の二つです。前者の「やってしまった後悔」というのは、誰しもが覚えがあるでしょう。僕も良く過去の過ちを突然布団の中で思い出して、足をジタバタさせて眠れなくなる、ということがあります。そして後者の「やれなかった事」を悔やむ場合は、実は足をジタバタさせるどころの話ではありません。ああすれば良かった、こうすれば良かったという未練は、静かに心の底に張り付いて、「あったかも知れない未来」にまで空想(妄想)は拡がり、「何でああしなかったんだろう」という思いは酸のように心を腐食させていきます。そうしてできた顔の翳りを見て人は「大人になった」というのです。ですから、皆さんがまだ大人の顔になりきれていないのは当然です。「青春」とは、そういう「大人」が、やらなかったことによって永遠に閉ざされてしまった「可能性」に対して後から名付けたものだからです。まあ、僕や他の先生方の顔が真に「大人」であるかは、皆さんが判断してください。年の割に老けている、という事ではありませんよ(大学教員は、若い皆さんのお相手をするせいか、年の割に子供っぽい人が多いのは、君たちが一番よくご存じでしょう)。
君たちはとりあえず今は「やってしまった(あんな卒論を書いてしまった、とか)」ことを後悔してください。「やらなかった事」に対する後悔は、もう少し後でも良いでしょう。僕などは君たちに対して「もっとちゃんとした授業をしてあげれば良かった」「もっとちゃんとした卒論指導をしてあげれば良かった」「もっと根性をたたき直してあげれば良かった」という「やらなかった事」に関する後悔で胸が一杯ですが。

最後に、もう一言だけ。最近の若い者は・・・という言葉を言い出したら年を取った証拠であるとか、この言葉はエジプトのヒエログリフにもあっただとか、色々言われていますが、「義務」と「権利」について、最近の若い者は「権利」ばかり言い募って、「義務」を果たさない、なんていう愚痴が、日本中の居酒屋でビールジョッキの数ほど語られてきた事でしょう。僕も、今回は敢えてそれに便乗します。君たちは「不幸になる権利」ばかり行使して、「幸福になる義務」を果たしていないと。人間は「幸福になる義務」があるって、知っていましたか?あるのです、そういう義務が。辛い義務ですけど。これからの人生、是非この義務を果たす事に邁進していただきたいと思います。これが僕のはなむけの言葉です。

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