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August 04, 2008

東アジア宗教文化学会創立大会

2008_eaarc_006 こちらのブログはご無沙汰していました。
先日、韓国釜山で開催された「東アジア宗教文化学会」に参加して参りましたので、その簡単なご報告をしたいと思います。
 2008年8月2日から4日にかけて、韓国釜山の東義大学校において「東アジア宗教文化学会(East Asian Asociation of Religion and Culture)」の設立記念国際学術大会が開催されました。日本側参加者76名、韓国側参加者114名、中国側参加者25名、計215名という数の宗教研究者が一堂に会したことになります。僕は、この学会設立の日本側呼びかけ人の一人として本大会に参加しました。
今回の設立大会総会において、日本側呼びかけ人の代表であった島薗進先生(東大教授)が学会会長に選出され、副会長として韓国側からは梁銀容(ヤン・ウニョン)先生(圓光大学校教授)、中国側からは金勲(ジン・フン)先生(北京大学教授)、日本側からは桂島宣弘先生(立命館大学教授)が選出され、理事も日本側二〇名、韓国側二〇名、中国側一五名が選出されました(不肖僕も日本側理事の一人です)。次回以降の学術大会準備と学会機関誌の編集がこの理事たちによって行われる予定です(次回の開催校は北海道大学の予定)。
さて、学術大会の内容ですが、五つの分科(「宗教史・宗教思想史」「宗教と社会」「宗教・文化・民俗」「自由テーマ1」「自由テーマ2」)に分かれて、計七一の研究発表、三つのパネル・ディスカッションがなされました。時代も古代から現代まで、幅広いテーマが取り上げられており、ここまで発表数が多いと、見回るのも大変。僕は朝から夕方まで、計12本(一人30分)の発表を拝聴して、もうフラフラでした(笑)。普通の学会では、ここまで真面目に聞かない気がします(知り合いを見つけて茶飲み話、という方に走りがちなので)。

2008_eaarc_025 大会二日目の午前中には「東アジア宗教文化の共通性と多様性」という創立記念シンポジウムが開催されました。パネリストは樓宇烈(ロウ・ウーリエ)先生(北京大学教授)、鄭鎭弘(チョン・ジノン)先生(梨花女子大学教授、ソウル大学校名誉教授)、島薗進先生がそれぞれ発表を行いました。樓先生は主に中国の宗教の特異性と、それに西洋の宗教学理論を機械的に当てはめることはいかがなものか、東アジアの宗教理論というものがあっても良いのではないかと述べ(僕個人は、先生の意見に一部は共感しますが、有効な西洋発の理論もあるはず、という穏当な立場です)、島薗先生は、東アジアの宗教文化の共通性として「聖なる社会秩序と救済宗教の二重構造」というものが取り出せるのではないかと問題提起していました。でも僕の一番印象に残ったのは、日中韓がいわばずっと「出会い損ねてきた」歴史をふり返った鄭先生の講演でした。安易に東アジアの共通項を見出して安心、満足するのではなく、あくまでも「他者との出会い」という一種の緊張感を保ち続ける事を示唆した内容と僕には聞こえました。
このシンポジウムを終えて本学術大会は幕を下ろし、韓国側委員のご厚意と企画により、釜山郊外の名刹通度寺と、韓国に根を下ろした日系新宗教の施設(韓国SGIおよび天理教伝道庁)を見学させていただきました。その写真を以下にいくつか貼り付けたいと思います。

2008_eaarc_041 これは通度寺(トンドサ)の本堂です。このお寺は新羅時代からの古刹で、韓国の三大寺刹の一つに数えられます。他の二つは大蔵経で有名な海印寺(ヘインサ)、昔からの修行場として有名な松広寺(ソングァンサ)です。通度寺は仏舎利を所有していることで有名です。国宝指定のようですが、毎日熱心な信者さんが一身に祈りを捧げています。つまり、ちゃんと「生きている信仰の現場」なわけです。案内してくださったのは、このお寺に修行に来ていらっしゃる日本人僧侶の方。その涼しげな風貌が女性参加者のハートを射貫き(笑)、僕と先輩のN井さんは「(岡野玲子の)ファンシィダンスの世界」とささやきあっていました。この日は一日猛暑で、このお寺にいた3時間ほどで恐ろしく汗をかきましたが、実はこのお寺に行ったことのなかった僕にとっては良い経験でした。

2008_eaarc_062 最終日は「日系新宗教」の施設を見学させていただきました。まずは釜山の西方のK地区にあるSGI文化会館にお邪魔しました。現在、韓国においてもSGIの活動は頗る活発で、最近韓国内の日系新宗教の調査をなさった、本学会大会運営委員長でもあった李元範先生(東西大学校)によると、「日本の1960年代あたりの熱気が、今の韓国SGIにある」とのことでした(写真は婦人部の部屋の壁に貼っていた「スピーチ」や「座談会」を行った回数のグラフです。このようにして目標を決めて頑張っているわけです)。現在信者数も相当に増えていて、試算では百数十万人を数えるかも、とのことです。もちろん、これは一朝一夕になったものではなく、特に国交樹立前から活動していた在日コリアン信者の働きかけも大きく寄与しているとのことでした。

2008_eaarc_092 最後は、戦前から布教活動を行っている天理教の施設です。釜山の郊外、空港のある金海市にある「天理教韓国伝道庁」にお邪魔しました。僕はここで働いていらっしゃるY川さんと旧知の仲で、数年ぶりにお会いすることができ、久闊を叙することが来ました。飛行機の時間を気にしながらの訪問で、慌ただしく、受け入れ施設の方にもご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。

学術大会も、見学旅行も非常に濃いもので、僕としては満足、というか疲れ果てて帰国しました(帰国した翌日、昼まで動けなかったもんな)。ご興味のある方は、学会のホームページをご覧になったり(まだあまり内容がありませんが)、僕などにお問い合わせください。

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