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March 24, 2009

はなむけの言葉

みなさん、ご卒業おめでとうございます。
早いもので、僕もこの大学に赴任して丸7年、つまり卒業式も7回見たということになります。皆さんにとっては一生で一度、我々教員にとってはある意味「ルーティーン」な出来事です。ですから、実は皆さんに申し上げる言葉もありきたりというか、毎年同じ事になります。

一つ目は、いかに我々教員が君たちの指導に苦労したか、ということ。幸いに、というか、不幸なことに、楽した学年なんてものは存在しませんでしたし、これからも存在しないでしょうから「あの時君は・・・」というネタは、いわば定番メニューです(毎年言っていますが、結婚式の時のスピーチを僕にやらせるときは、それ相応の覚悟をしておいてください)。
最近のことで言うと、勿論卒論の苦労がありましたね。今年も例年の如く指導に色々苦労しましたし、口頭試問で矢襖になって討ち死にした諸君も多く、僕まで巻き添えというか、いやはや大変でした。今年は特に「最後にはどうにかなる」と楽天的に考える僕の悪い癖を真似てしまう諸君が多かったのですが(僕を慕ってくれたのは嬉しかったのですが、こんな悪い癖まで真似しないで欲しかった)、社会に出たら、もう少し慎重になった方が良いかもしれません。

二つ目は、大学時代に学んだことを大事にし、大学時代の友人を大切にして欲しいということ。大学時代に学んだことは、社会に出てすぐに役に立つような「テクニック」ではありません。特に皆さんの学んだ文学部ではそうですが、根本的なことを学んだことは間違いありませんので、その点は自信をもってくださって結構です。資料を集めて、それを整理し、筋道を考えまとめる、という作業は卒論で(出来不出来はあっても)成し遂げたはずです。こういう事は、社会に出ても「やることは一緒」です。
友人を大切にしろ、なんて僕などから言われなくても、皆さんは実行なさると思います(特に、君たちの学年は仲良かったしね)。でも、年を取れば取るほど、若い時代の友人というのはありがたくなってきます。実は先日、大学時代の同級生が旅行の途中だと京都に立ち寄り、彼と久闊を叙したわけですが、会った瞬間に「俺・お前」「馬鹿言うんじゃねーよ」「お前も偉そうに」などとぞんざいな口をきける友人というのは、本当にありがたいです。社会に出たら、君たちも否応なく摩擦係数の小さな言葉を選んで生活しなければならないのですから(僕だって、同僚と喋るときは気を遣っていますよ。もしかしたら先生方で「あれで川瀬は気を遣っているの?」と目を剥く方がいらっしゃるかもしれませんが)。そうそう、自分を批判してくれる友人というのは、本当に一生の宝ですよ。大学というのはそういう友人を作る場所だと言っても過言ではありません。

三つ目は「元気でいてください」、ただこの一言です。もちろん、皆さんが社会に出て、第一線でご活躍なされば、「出藍の誉れ」と僕たち教員も鼻高々ですが、数年後に「最近調子はどう?」「まあまあです」という当たり前の会話が交わせられれば、充分です。

皆さんのご多幸をお祈りします。

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