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August 07, 2009

鈴木祥子「無言歌Romances sans Paroles」@渋谷UPLINK

090807_gundam_shoko_009 今日から、僕はちょっとした「夏休み」。今回上京したのは、鈴木祥子さんのドキュメントフィルム「無言歌Romances sans Paroles」が渋谷のUPLINKでレイトショー上演されていて、日によっては祥子さんのミニライヴやトークショーがあり、なかなか身動きが取れなくてやきもきしていたのですが、ようやく休みとなり、千秋楽の今日だけは参加することができたのでした。
ただ、レイトショーということで昼間は時間がありますので、鈴木祥子さんのライヴでよくご一緒しているみなさんと計4名でお台場に設置されている「実物大ガンダム」を見てから会場に向かおうということになりました。この「お台場ガンダム」は、さすがに夏休みだけあって、お子さん連れや、我々のようなアラフォー及びアラサー世代も加わり、人波がすごい。木陰に見える機体に向かって駆け足で駆けより、写真を撮りまくります。妙にテンションあがっちゃいましたね。ここまでの大きさになると、もはや大仏とかと同じように「拝みたくなる対象」に。でもすでに会場限定のグッズも売り切れていたので、写真を撮りまくり、その周りを一周して堪能した我々は、そのまま「りんかい線」に乗って、今日の本来の目的地である渋谷に向かいました。
090807_gundam_shoko_023 レイトショーとは言え、開場1時間前に整理券を配り始めるイヴェントでしたので、それよりも早めに渋谷に着いておかねば、と思ったのです。りんかい線で乗り換えなしで渋谷に到着。まだ時間があるということで、軽くおなかに入れようと東急本店近くのカフェでケーキセットなどを食していると、突然集中豪雨が!!「バケツをひっくり返したような」という常套句がぴったりな凄さ。しばらく閉じ込められましたが、小雨になってきたときに店を出て、整理券をもらうための列に加わることにします。早めに行ったおかげで、列の先の方に並ぶことはできたのですが、雨上がりの湿気がものすごい!UPLINKの狭い廊下に延々と並ぶ我々。噴き出す汗。結局汗だくになりながら1時間弱ならんで、整理券をゲット。まだ上映まで一時間弱あるので、行列で汗をかいた我々はたまらず、1階にあるレストランで生ビールなどで乾杯。ひとここちついて、改めて開場前に戻り、開場時間となりました。今日はこれまでと違い、映画上映の後にミニライヴ、というスケジュール(昨日までは逆で、カッチリ時間が決まっていたそうです。どっちにせよ、僕は行けなかったわけですが)。

さて、映画本編が始まりました。僕は最前列に座っていたのですが、このフィルムはSANYOのXACTIで祥子さんがセルフ撮りをしている場面が多く、細かい「揺れ」がどうしてもあるので、結構目が疲れちゃいました(笑)。
で、内容ですが、これがまとめるのが難しい。というのも、ストーリーはある意味あってなきがごとしだからです。祥子さんの「自分語り」と、コンサートのリハーサル光景、亡くなったお父さん(写真を初めて拝見しましたが、似ているなあ、と思いました)ゆかりの地を訪ね歩く祥子さんの映像、ライヴ映像が細切れに配置されていて、ある結論に向かって収斂されていくような、一貫したストーリーを持つ性質のものではなかったからです。もしかしたら、地方で公開、もしくはDVD化された暁に未見の方は見ていただくということで、あえてこの映画で語られた祥子さんの言葉の断片を載せることは避けたいと思います。
でも評論家っぽく少しだけ言及するとすれば、これはまさしく「鈴木祥子」というアーティストそのものの記録であり、このような映像ができるのは、祥子さんのパーソナリティに負うところが大だ、ということです。というのは、この映画の大半は、祥子さんが自宅などで「音楽」「女であること」「父」などについて思うところを述べている、という映像なのですが、彼女が率直すぎるほどに語ってしまっているので(性格的に、そういう人だとは長年ファンをやっている僕にも想像がつきますが)、どのように編集しようが(編集に苦労なさったはずの井上監督には申し訳ないですけど)、それ以上のものにも、それ以下のものにもなりようがないのです。これは、例えば同じ「ドキュメント」と言ってもウソをつきまくる人を撮ろうとした原一男監督の「全身小説家」と比較すれば一目瞭然だと思います(この映画は「うそつきみっちゃん」と呼ばれた井上光晴を主人公に据えたドキュメントの傑作です)。

090807_gundam_shoko_021 さて、映画本編が終わり、いよいよ千秋楽のミニライヴの始まりです。祥子さんは真っ白のノースリーブのロングドレス。映画を観た直後にご本人を観たせいかもしれませんが、特に今日の祥子さんは僕の眼には凄絶な美しさに見えました。祥子さんは登場して開口一番「この2週間、私は幸せでした(笑)」。いや、この2週間、ミニライヴのある日を通い詰めた友人(あえて名を秘す)も十分すぎるほど幸せだったと思います(笑)。ミニライヴは毎日テーマを換えて行われてきたのですが、千秋楽の今日は「迷いの30代を振り返るDAY」といテーマ。
「30代の時、『Candy Apple Red』『私小説』『あたらしい愛の詩』『Love, painful love』というようなアルバムを作ったのですが、今日はそのあたりからやりたいと思います」とおっしゃり、以下の曲からスタートです(Gはエレキギター、Wはウーリッツァー)。

1)苦しい恋
(G、『Candy Apple Red』)
これを荒々しいギターで奏でる、なんていうのはレアでは?ディストーション気味の音。これを歌い終わった後祥子さんは「女の人は30代でひどい目にあった方がいいと思います(笑)」などといって、映画本編に負けず劣らずの問題発言。

2)破局(G、『あたらしい愛の詩』)
これはレア、というか「ライヴでやるのは初めて」とのこと。で、一番驚いたのは、この曲のタイトルを決める時、たまたま当時の芸能ニュースで話題になっていた「羽賀研二・梅宮アンナ破局」というところからつけたということ。えー、祥子さん、そんなのがきっかけだったんですか?(笑)

3)この愛を(G、『あたらしい愛の詩』)
祥子さんは「最近は何かギターをかき鳴らしたいモードに入っている」ので、最初の3曲は立て続けにギターで弾いたとのこと。

4)恋人たちの月(W、『あたしの旅路』)
「自分でも気に入っている曲なんですが、ドラマのタイアップの曲をアルバムに入れたせいで、この曲がアルバムから押し出される形になって、ベスト盤にしか入っていません」とのこと。

5)いつかまた逢う日まで (W、『あたらしい愛の詩』)
2曲連続、ウーリッツアーでロマンティックモード。

6)Gimmie Some Life (G、『Love, painful love』)
祥子さん曰く「元々アルバムでは一人多重録音をして、この曲はギターを除いて、ドラム、ベース、ピアノだけでロックっぽさを出そうという試み、まあ、若気の至りですが(笑)、でも今日はエレキギターで弾いている私(会場爆笑)」

7)忘却 (G、『鈴木祥子』)
リクエストに応えて。

8)そしてなお永遠に (G、『私小説』)
やっぱ、ドラマティックな曲だよなあ、これ。
いったんここで祥子さんは退場しますが、我々はもちろんアンコールを促す拍手・手拍子。すぐに踵を返して戻る祥子さん。

e1)道 (W、『鈴木祥子』)
これもリクエスト。今日のリクエストはともに女性の声。にしても、暗い曲を(笑)。この曲の時、ウーリッツァーがちょっと音程が狂って、祥子さんは無理やりいろいろ運指を工夫してやりきってしまいました。すごい。

e2)I'LL GET WHAT I WANT 超・強気な女 (W、『Romance Sans Paroles』)
これまたリクエスト(これだけ男性)。祥子さんも「そうね、明るくこの曲で終わりましょうか(笑)」。予告通り、明るくこの曲で終了。
レイトショーの後のこの「大盤振る舞い」でしたので、終わった時間は11時をとうに超えていました。慌ててグッズ(ポストカード数枚)を買った後、渋谷駅に戻り、遠征している人の宿舎近くということで、新宿で途中下車して、7名で軽く(?)飲み会。当然のように終電を逃し、タクシーで午前様。会場で会った皆さま、どうもありがとうございました。今度は9月の「Billboard Tokyo」で何人かの方とはお会いすることになるでしょう。その時はまたよろしくお願いします。

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August 01, 2009

zabadak@近江八幡「酒游舘」

090801_zabadak_oumihachiman_016 さて、二日と空けず、またまたzabadakのライヴに行ってしまいました。
今日のライヴ会場は近江八幡の酒蔵を改造したスペース「酒游舘」。実は、この街に来るのは初めてでした。事前に送られてきたチケットに、この近江八幡の観光案内の地図が着いていましたので、僕はその地図の「お勧めコース」のルートをそのまま歩くことに決定。大雨で電車が遅延したりして、思ったより到着するのに手間取りましたが、約2時間ほど古い町並みをブラブラ。この街の目玉はその「古い町並みの保存地区」と「運河」と、ヴォーリス建築物、といえばいいでしょうか。土曜日ということで、観光客も多く、「あ、あれはzabadakのライヴで来た人だな」という人には道中会いませんでした(何となく、判っちゃうんですよね)。
090801_zabadak_oumihachiman_015 開場30分くらい前に酒游舘に着き、そのままライヴで顔見知りになった方と談笑しながら待ちます。
このスペースを経営しているのは「西勝酒造」というメーカーで、近江八幡の唯一の蔵元だそうです(「湖東富貴(ことぶき)」というのがこの蔵元のお酒の名前)。そして、今回のライヴの目玉の一つは、何とここの日本酒なら「飲み放題」というところ。これを結構楽しみに来た人も多いはず。というわけで、定刻に入場です。僕はまたまた整理番号が良かったせいで、最前列の今度は右側に座りました。090801_zabadak_oumihachiman_018 今日はお二人、ということで、左に吉良知彦さん、右に小峰公子さん、という並び。入場して席を確保したら、皆さんすぐに飲み放題の日本酒に走ります(僕もその一人)。どんどん空いていく酒瓶。よもや、これほどのペースとは・・・とここのオーナーも思われたかも知れません(笑)。結構空腹なのにクイクイ飲んで、みんな良い気分になったところで、開演です。
ここから先は、セットリストを書いていきますので、一種のネタバレ、ということでご了承ください。

090801_zabadak_oumihachiman_026 吉良さんは登場してすぐ、一昨日同様足に鈴を巻き付け、演奏開始。最初の曲は
1)平行世界(『平行世界』)
でした。こんなアゲアゲの曲を初っぱなに持ってくるとは、意外。いわゆる「つかみはOK」状態になって、最初のMC。「なんか、えらい勢いでお酒が出ているそうじゃないですか(会場爆笑)。僕も後半、皆さんの仲間入りができるように、ややこし目の曲は前半にやっちゃおうかな(またまた爆笑)」

2)Still I'm fine(『Signal』)
これも、ファンが多い曲ですよね。

3)星ぬ浜(『COLORS』)
この曲、出だしを公子さんがとちって、吉良さんが「・・・飲んでる?(会場爆笑)」。いえいえ、まだこの時点ではお二人とも飲んでいなかったはず。ちゃんと仕切り直しできっちりまとめました。
この曲の後、吉良さんは昨日泊まった宿泊施設のことなどをおおよそ以下のように説明。
「昨日はちょっと琵琶湖の沖島っていうところにある湖上荘というところに泊まったんですが、淡水魚の底力、とでもいうべきものを感じました(笑)。ここで、ふなずしを食べたんですよね。あの、強烈な匂いの。僕は発酵学の小泉武夫先生の本を読んでいて、一度は試してみたいと思っていたんですよね。これがうまくて、結構食べちゃいましたね。仙台ではホヤ、ここではふなずし、ということで(笑)。あんまりバクバク食べるもんだから、宿の人が頭の部分をお茶漬けにしてくれたんですが、これがまたすごい匂いで、小学校の雑巾を思い出しましたが、これが美味いんですよね~」
公子さんは「味覚と嗅覚がこんなに分離しているとは思わなかった。でも、意外とフランスパンとかと合うかも」とおっしゃっていました。

4)夏日記(『Wonderful Life』)
まだ外はこの時点では明るく(天窓があったので、その光も入っていました)、蝉の声が外から聞こえてきました。その声を聞いて、「虫の音を聞くと、野外でやったあのコンサートを思い出しますね(吉良)」「あれは秋だったからアオマツムシが鳴いていて(公子)」と、懐かしくなるトークが。あのライヴにいたのは本当に貴重だったよなあ、と思い出しちゃいました。

5)夏至南風(『COLORS』)
「夏シリーズ」が続きます。二日連続で「星ぬ浜」とこれを聞かされると、沖縄とか、南の島に逃亡したくなります。

6)星の約束(『音』)
『音』の中では、一番好きな歌の一つだな、僕にとっても。

7)光の庭で(『LiFE』)
公子さんが朗々と歌い上げます。

8)Wonderful Life(『Wonderful Life』)
何度聞いても、良い物は良い。
というわけで、ここで前半が終了、休憩に入りますが、みんなトイレ及びタダ酒に群がる群がる(笑)。というわけで、えらく受付周辺が混雑しましたね。

9)遠い音楽(『遠い音楽』)
後半戦は、この曲からスタート。しっとり路線ですね。

10)線香花火(『回転劇場』)
この曲の途中で、ちょっとしたアクシデント発生。ギターとアンプを繋いでいる機械の電池が切れたせいで、音が出なくなり(その前に断末魔のように急に音が跳ね上がって息絶えました)、この曲は最初から仕切り直し、ということになりました。
で、電池交換の間、NO PAというか、急遽umpluged(生音、生声)の展開となりました。公子さんも「まだ声が大きいうちに(笑)」と言って

11)双子の星umpluged version(『賢治の幻燈』)
が始まりました。僕は最前列だったので、後ろの方の音の響きは判りませんが、あれだけの声ですから、多分充分響いたことと思います。公子さんはやっぱり一種の「巫女声」だよなあ、と再確認。吉良さんはバックで、モンゴルのホーミーのような声を出していたので、これまたビックリ。

12)はじめてうたったうたumpluged version(『平行世界』)
これは、客席からリクエストが飛んで、公子さんも「はい、“はじめてうたったうた”、入りましたー(笑)」というようなノリで始まっちゃいました。これがまた、生声と生音で良かったんですよ。酒蔵を改造したスペースですから、こういうのは「実際にあり」だと思いました。この曲の後に電池が交換され、また音が出るようになったのですが、「電気が入っていない方がウケが良いのはどういう訳か(会場爆笑)」と吉良さんはちょっぴりぼやきます。で、吉良さんは日本酒をグラスに注ぎ、「PA復活、かんぱーい」と、何だか判らないまま、我々も乾杯していました(笑)。

13)夕焼け(『平行世界』)
これも最近のライヴでは定番になりつつありますね。
この曲の後のMCで、「今、NHK教育テレビでやっているキモッチというのがあって、あれの絵描き歌を僕が作曲したんですが、阿部サダヲさんが歌ってくれています」とのプチ情報が。

14)この空で会えるよう(『LiFE』、Japanese Version)
「鎮魂の願いを込めて」という公子さんのMCを聞き、襟を正します(酒飲んでヘロヘロだったけど)。

15)Deir Paider(『IKON』)
この曲、のらざるを得ませんよね。

16)夢を見る方法(『遠い音楽』)
続けてこの曲!!もしかして、誰か立ち上がらないかな、と思ったのですが、椅子の間隔が狭い会場だし、お酒も飲んでいたせいでしょうか、手拍子で盛り上げます。
この曲で一旦本編終了。もちろん、僕らはアンコール要求の手拍子。すぐにお二人は戻ってきて、またまた定番中の定番、これをやらなきゃ、みんな納得しないというか、終わった気がしないといわれるこの曲がスタート。

e1)Easy Going(『Welcome To Zabadak』)
またまた間奏部分で「♪アーアーアーアーアーアーアーアー♪(ファンの皆さんは判りますよね)」と声を出しまくり。

e2)小さい宇宙(『私は羊』)
そして最後は、このしっとりした曲で締め。

その後はどうなるかな、と思ったのですが、遠方から来ている人がほとんどで、電車の時間を気にする人が多く、そそくさと皆さん会場をあとになさいました(もうちょっと僕としては余韻を楽しみたかった)。で、結局ライヴで知り合ったU田さんと僕は京都の街に消えていったのでした・・・(U田さんの行きつけのバーに連れて行ってもらいました。感謝)。

吉良さん、公子さん、この二日間お疲れ様でした。近江八幡とか、郡上八幡とか「全国八幡巡り」も良いですが(笑)、また近いうちに関西のアクセスしやすいところにいらしてくださることを願っております。

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