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March 25, 2011

はなむけの言葉

皆さん、ご卒業おめでとうございます。この二週間ほどは、震災のために、めでたい雰囲気とはほど遠い日本ですが、皆さんが4年間の学業を終えられ、社会に巣立つ日であることには変わりありません。もし、ご親戚、知り合いの方が被災されていたなら、まずはお見舞い申し上げます。

皆さんは、この京都府立大学文学部国際文化学科の最後の学年として入学され、そして今卒業されようとしています。この一年は後輩もいない環境でゼミをこなし、卒論を書き上げました。個人的なことをいうと、8年間行なってきた川瀬ゼミも今年度が最少人数で、これくらいの人数なら、もっといい個人指導ができたはずですが、僕は例年通りの放任・放牧主義を貫き通したいと思っていましたから、「求めよ、さすれば与えられん。探せ、さすれば見つからん。叩け、さすれば開かれん(マタイ福音書7章7節)」という姿勢を崩しませんでした。もしかしたら、そこに物足りなさ、もしかすると不満をお持ちの方もいたかも知れませんが(実際、君たちの先輩で「こんなに指導してくれないとは思いませんでした」と卒業式の時に言ってきた人もいました)、どうぞご了承ください。でも自己弁護的なことを言わせてもらえるなら、「自分から動かない限り、世間(人)は動いてくれない」というルールを教えたことだけが、僕が知識以外で皆さんに教えられたことかも知れません。あとは、ゼミの際の、皆さんのどんな発表にも適当にコメントするという「口から出任せ」というか、お筆先ならぬ「お口先」というか、そういうのもお見せしましたが、そちらは見習わないでほしいと思います。あれにはそこそこの知識と、僕程度の軽薄さが必要になりますから、恐らく君たちには無理です。

さて、僕はこの学科で丸9年教えてきましたが、毎年のように後悔しきりです。後悔の理由は簡単です。要するに、自分が納得するまで君たちと付き合うことができなかった、ということです。もっと大規模な大学なら、クールに振る舞うこともできたのでしょうが、幸い、というか残念ながら、うちのような小規模大学では、皆さん学生に対して、「あっしには関係ないこって」というわけにはいきません。それでも、後悔は残ります。教員というのは、このような後悔を常に感じながら生きていくタイプの職業なのですから、仕方ありません。もし充分に私は教えきった、自分の職務を果たした、と思っているような人間なら、その人は教師と呼ぶに値しません。教師の「聖職性」というと大袈裟ですが、教師の倫理性は「私は常に与え足りなかった」と思うところにあるのですから。

ただ、僕が大学教員としてのキャリアをスタートさせた僕の30代がこの学科とともにあったことは、本当に幸せだったと思います。そのことに関しては、全くの後悔がありません。君たちに感謝する一方です。君たちや君たちの先輩たちは、僕の予想を上回る成長を見せてくれたり、人間的なすばらしさを見せてくれました。
なお、言うまでもありませんが、大学時代の友人は、後々まで重要な存在です。君たちは、出会うべくしてこの大学であって友人同士となった。その縁を大切にしてください。我々教員のことは、それほど憶えていてくださらなくて結構です。学生は、常に「恩知らず」であっていいのです。ただ、僕の中には君たちが、そして君たちの中には、友人や我々教員の「欠片」が既に忍び込んでいるはずです。そういう意味では、人は過去に関わり合った人を「存在するとは別の仕方で(エマニュエル・レヴィナス)」常に感じ、生きていくしかありません。もし、皆さんが人生の困難にぶつかったとき、その「欠片」が何らかの効力を持っていたら、と願わずにはいられません。
以上、皆さんの前途を祝し、はなむけの言葉としたいと思います。改めて、おめでとう。君たちは素晴らしい学生たちでした。

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Comments

おひさしぶりです。「自分から動かない限り・・」の下り素晴らしいと思います。ボクは今ある中堅企業で働いていますが「指示待ち・指示しても動かない・自分で考えない」社員の多さに頭が痛いです。40代、50代の課長・部長が「決めてくれたらやります。教えてくれないと出来ません。」と平気で口にする。若い人たちにはこういうカッコ悪い大人にはなってもらいたくない。学生は30代位になったらタカヤさんの指導の意味を思い出すんじゃないかなぁ。                「与え足りない」の部分も同感です。仕事は満足したらそこで終わりと思います。偉そうにスミマセン(^_^;

ながわさん、コメントありがとうございます。
僕は大学という場所から出たことのない、文字通りの「世間知らず」ですが、建前と言われようが、大学という場所は、学生の自主性と積極性を重視して伸ばす場所だと信じているので、上記のような「指導(実態は放置プレイ)」を心がけています。勿論、質問しに来た学生にはそれなりに対応していますが、自分から学生を追いかけるように指導はしないということです。ですから、自分でいうのも何ですが、僕のゼミからは例年、学科で一番いい卒論と一番ダメな卒論が出るんですよねー(笑)。
僕も知らず知らず、研究以外では「指示待ち人間」になっているかも知れないから用心せねば・・・。

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