般若のような美しさ-「親切なクムジャさん」感想
今日は非常勤先の帰り道、途中下車して、またまた映画館に行ってしまいました。二日連続、というのはさすがに珍しいです。今日見たのは、僕にとっての女神様の一人であらせられるイ・ヨンエ様主演の「親切なクムジャさん」です(余談ですが、韓国のファンサイトでも여신님、つまり女神様、と呼ばれていることがあり、思わず笑ってしまいました)。
この映画は、パク・チャヌク監督の「復讐三部作」のトリを飾るものであり(前二作は「復讐者に憐れみを」と「オールド・ボーイ」)、「あの清純派のイ・ヨンエが彼の映画に・・・」と公開前から結構話題になっていたものです。ヨンエ様は、そういう自分に付着しているイメージの打破の一環として、この映画の出演をお決めになったようですが。では、この映画の感想を少しばかり。
というわけで、いつものことですが、ここから先はネタバレを含みますので、それでもいいという方だけ読み進めてください。
今回ヨンエ様が演じるのは、少年誘拐殺人犯として13年間服役した「イ・クムジャ」という人物(でも実は彼女は真犯人ではなかった。ある事情から、彼女は罪をかぶって入獄する羽目に)。彼女はその美貌と、入所してからの「模範生」ぶりで(写真のように他の女囚に奉仕します。これも実は「親切」という仮面をかぶった復讐の一つなのですが)、「親切なクムジャさん」というあだ名を付けられるほどの人物。しかしその天使のような顔の影には、自分を入獄する羽目に陥らせた男(チェ・ミンシク演じる英語教師です)への復讐計画を練りあげるもう一人の「クムジャさん」がいた・・・というのが、大まかなストーリーラインです。
初っぱなからですが、この黄色い囚人服のヨンエ様、可愛すぎます。思わずスクリーンに向かって「ありがたや」と手を合わせましたよ(笑)。特に、前非を悔いて宗教的に改心した囚人たちの講演会のシーンでのヨンエ様は、反則的な可愛らしさでした。
あ、そうそう、先に言っておかねば。パク・チャヌク監督は前作品における残虐シーンが結構話題になりましたが(見た人間に聞くと「見た後は肉が食べられなかった」と言っていましたから、相当なものです)、今回も、やっぱ相変わらず悪趣味です(笑)。思わず「うひーっ」と何度言ってしまったことか(観客が少なくて助かりました)。
残酷なシーンはあまり見たくない、という人は、覚悟してみてください(これでも前作よりはましなようですが)。監督のインタビューでは「復讐を正当化するために真犯人の非道さを演出し、嫌なシーンも撮った」とか言い訳していますが、それにしても悪趣味すぎです。どういう悪趣味かは、さすがに言えません(言うと、究極のネタばらしになりますので)。
全体的なイメージですが、わざとらしいださいファッションや色彩感覚など(部屋の壁紙や、クムジャさんのメークなど)、この映画は良くも悪くもわざと「漫画的」に撮影しています。そうした演出で、多少和らいだ部分はありますね(逆に言うと、こんなものクソリアリズムで撮られたら堪りません)。例えば、周りの囚人に親切にしまくるクムジャさんには後光が差していたり(ホントに後光が差しているようにCGで作っているんですよ)、ポスターからして、わざとピエール&ジルのようなキッチュな造りのものにしているし(このポスターの涙のアイディアは恐らくはマン・レイの「ガラスの涙」でしょうね。ちょっとあからさますぎるほど。この壁紙は、公式ページでダウンロードできます)。
「漫画的演出」のとどめは、ヨンエ様の超レアな「女子高生姿」でしょう(笑)。ヨンエ様もまさかこんなコスプレ服装をするとは思っても見なかったそうですが、それでも通用してしまうところが恐ろしい。ヨンエ・・・恐ろしい子っ!!
ちなみに、ヨンエ様は僕と生まれ年が同じです(ヨンエ様が僕より10ヶ月ほど早くお生まれになっています)。ある意味、このシーンは、「宮廷女官チャングムの誓い」でヨンエ様のファンになった皆さんも必見。
さて、今回のエントリの「般若のような美しさ」というのは、実は彼女が復讐を終えたときに見せる、ある意味壮絶な表情を見て僕がとっさに連想したことです。ヴェネチア映画祭でのインタビューでヨンエ様はこの表情について
「復讐を遂げた後、クムジャの印象的なアップのシーンがありますが、脚本には“グロテスクに”という監督の指示が書き添えられていました。つまり、それまでのクムジャには見られなかった複雑な、まさにグロテスクな表情が必要だったわけです」(パンフレットより)
とおっしゃっていますが、冗談抜きで、この表情はこの映画の白眉のシーンです。ヨンエ様の演技者としての凄みを、ファンのひいき目無しでも実感できました。あ、でも「般若のような」というのは、僕の乏しい語彙から出たものですので、他の方がどういう表現をなさるのかが気になるところです。
血しぶきが苦手ではなく、イ・ヨンエ様の違う側面を見たいという方は是非劇場へ。
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» 「親切なクムジャさん」 [サンヂョンプンニョムの呟き]
「親切なクムジャさん」
【原題】“チンジョラン クムジャシ”
【監督】パク・チャヌク
【出演】イ・ヨンエ、チェ・ミンシク、クォン・イェヨン
【製作年】2005年
【あらすじ】
イ・クムジャ(イ・ヨンエ)は、20歳の時、子供を誘拐したという無実の罪で刑務所...... [Read More]
» 「親切なクムジャさん」イ・ヨンエの代表作! [soramove]
「親切なクムジャさん」★★★☆
イ・ヨンエ、チェ・ミンシク主演
パク・チャヌク監督、韓国、2005年
自分の娘を守るため、
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13年の刑を終えた主人公。
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宮廷女官 キム尚官主演 イ・ヨンエ全52話「宮廷女官 チャングムの誓い」の主演で大ヒットし、日本でも大ブームを起こした人気韓国女優イ・ヨンエはチャングムの誓い以前に主演していた幻の作品!「宮廷女官 キム尚官」は、不遇な生い立ちにも負けずに懸命に生き、女官から権力の中枢へと上り詰めてゆく女の一代記うぃ描いた歴史作品となっています。その他の共演者には、「チャングムの誓い」で西太后役だったオム・ユシン、「火花」のチャン・ソヒ、「裸足の青春」のイ・ボヒ、「ガラスの華」のハン・インスな...... [Read More]


ああ、いいなぁ。僕は当分報告などで見られそうにありません。ところで、BSハイビジョンでこの映画とリンクする形でヨンエ様特集をしていたのですが、是非とも地上波での放送を期待したいものです。
Posted by: amgun | November 16, 2005 12:05 AM
amgun君も、とっととレジュメを仕上げて見に行ってください。僕も日曜日にちょっと無理して、そうしました(笑)。
BSの件は、僕も入っていないので残念。地上波でもしてくれませんかね。BSでは再放送されるようなので、誰かに録画してもらって、DVDに焼いてもらおうかな。
Posted by: 川瀬 | November 16, 2005 02:10 AM
近々韓国のチャングムに行くのですが(同行人が死ぬほど映画好き)
はっきり言って韓流に乗れなかった子なので
クムジャくらいは見なければ!と思っています。
が…しかし、とりあえずは公開が終わってしまう
SAW2を見に行かねば…と色々時間が足りなさそうです。
帰国後に見ることになりましょう★
Posted by: 長崎 | November 17, 2005 12:41 AM
長崎様
>近々韓国のチャングムに行くのですが
これは例のテーマパークのことでしょうか?気をつけて行ってらっしゃいませ。
僕自身、韓国研究者の端くれ、ということもわざわいして、却って韓流には背を向けていた類の人間なのですが(僕のスタンスは、どの国のものだろうが、良いものは良い、ダメなものはダメ、というものです)、イ・ヨンエが出ているものだけは結構追っかけてしまっています。帰国後に「クムジャさん」は見てください。
でも、確かに最近はハリウッドものは見なくなっているなあ、僕。
Posted by: 川瀬 | November 17, 2005 05:51 PM
ご無沙汰しております。
確かに、「ヨンエ様七変化」ですね(笑)
観ていて楽しい、でも最後は何か考えさせる映画だったと思います。
トラックバックさせていただきます。
よろしくお願いします。
Posted by: サンヂョンプンニョム | November 19, 2005 01:47 AM
サンヂョンくん、お久しぶりです。見に行かれたんですね。TBありがとうございました。僕もそちらのブログに先ほどお邪魔しました。
僕は考えさせるよりも、ちょっとファンとして素直に「萌え」過ぎてしまったかもしれないと反省しています(笑)。
Posted by: 川瀬 | November 19, 2005 02:26 AM